初夏の代表的な味覚であり、「清流の女王」とも評されるアユ。
いつか会いたい憧れの魚
毎日が退屈に感じたら釣りをしなさい。
きっと1日が24時間しかないことを君は悔やむに違いないから。
by 糸井重里
昨年 2020年11月20日、釣りキチ三平の作者「矢口高雄」氏が他界した。
言わずと知れた 1980年代、賞金制の「バスプロ・トーナメント」が開始された第2次釣りブームの火付け役となった漫画だ。
そして、釣りキチ三平がもっとも愛したのが「鮎の友釣り」である。
(C)矢口高雄/釣りキチ三平 平成版(3)鮎の夏2002
都内でなく清流がきれいな田舎で暮らしていたら、毎週末アユ釣りに出かけていただろう。
因みに、本日6月6日は四谷大塚の「全国統一小学生テスト」だ。
小学生低学年から偏差値の世界へようこそ。
釣りキチ三平の時代と比べると今の子供は大変だなぁ……。
そもそもアユってどんな魚?
アユとは漢字で「鮎」と書くのが一般的だが次のようにも呼ばれる。
- 「年魚」・・・・・一年で一生涯を終えることに由来
- 「香魚」・・・・・独特なキュウリやスイカに似たような香りを持つことに由来
そう、鮎の寿命は基本的に1年だ。
そして、秋に川で孵化すると 海に下って冬を海で過ごすダイナミックな魚。
サケと同じ。
もう一つの呼び方が「香魚」。
アユは「魚の生臭さ」ではなく、まるで野菜や果物のような香りがする。
よく「キュウリのにおい」や「スイカのにおい」「若草のような香り」などと例えられる。
このアユの独特の香りは、摂食によって体内に取り入れた脂肪酸が代謝されることで生じるらしい。
[参考] 淡水魚の香気–アユの香りはどのようにして生成されるか(今日の話題)
餌が異なれば香りの強さも変わるため、芳香が楽しめるのは、自然環境下で川底のコケ(藻類)をたくさん食べたアユとなる。
鮎は「古事記」にも登場
古事記中つ巻 仲哀天皇の項 ≪神功皇后の新羅征討≫ の部分に年魚が登場している。
筑紫の末羅縣の玉島の里に至りその川に御食したまいしとき、四月の上旬に當き。ここにその河中の磯に座して、御裳の糸を抜き取り、飯粒を餌にして、その河の年魚を釣りたまいき。故、四月上旬の時、女人、裳の糸を抜き、粒を餌にして、年魚を釣ること、今に至るまで絶えず
[引用] 古事記 : 校定. 中巻
4月ということなので川ではなく海の稚鮎だろう。
当時は「米粒」で釣っていたらしい。
他にも豊臣秀吉もアユを食べた証拠が残っているが、この辺りの詳細はまた今度。
アユ釣りに伴う千葉県の法律
旧江戸川・江戸川放水路分岐点には次のような看板がある。
釣りを楽しむ皆様へ
アユの採捕については、資源保護のため制限があります。(1)1月1日から5月31日までの期間は、アユは採捕できません。
(東京都内水面漁業調整規則および千葉県内水面漁業調整規則)(2)体長10cm以下のアユは採捕できません。
(東京都内水面漁業調整規則)
因みに、上記に違反すると次のような罰則が適用されることがある。
6月以下の懲役若しくは十万円以下の罰金(東京都内水面漁業調整規則および千葉県内水面漁業調整規則)
忘れてはいけないが、これは海・川両方で適用されるルール。
でも、都内や6月前に稚鮎を釣りに行ってブログ公開している人が沢山いるな。
船橋港でも多くの人が釣ってるらしいわ。
みんな まとめて捕まれば良いのに……(ボソッ。
なお、漁業法改正に伴い、千葉県内水面漁業調整規則は廃止された。令和2年12月1日からは次の新たな規則「千葉県漁業調整規則」が施行。
それによると、千葉県のあゆ捕獲に対するルールは次のとおり。
- 禁漁期間・・・・・一月一日から五月三十一日まで、十月一日から十一月三十日まで
- 捕獲方法制限・・・六月一日から六月三十日まで投網禁止
- 捕獲方法制限・・・あゆかけ釣り
つまり、千葉県においては6月1日以降であれば稚鮎釣りは禁止ではない。
二級河川「村田川」に来てみた
もう一つ、一級河川でのアユ釣りには遊漁料が必要となってしまう。
僕のようにボウズばかりの釣り人には1、2000円は大金だ。
だから「二級河川」である「村田川」に来てみた。
村田川はアユの遡上する川
として地元では有名らしい。看板も立っていた。
実際に「稚鮎を釣った」という日記も公開されている。
ぴーぴー氏は10年前には足繁く通っている事が分かる。
- http://www20.tok2.com/home/pptsuri/2007/2007_06_02/
- http://www20.tok2.com/home/pptsuri/2007/2007_06_09/
- http://www20.tok2.com/home/pptsuri/2007/2007_06_10/
- http://www20.tok2.com/home/pptsuri/2012/2012_06_02w/
- http://www20.tok2.com/home/pptsuri/2013/2013_06_01b/
ただし、6月初句を過ぎると既に遡上して餌もコケに変わっている可能性が高い気がするなぁ……。
稚鮎の釣り方は?
なんと浦安方面では定番「パニックサビキ仕掛け」を使うらしい。
フラッシャーによって魚の寄りが違い、針が細軸、かつ小さいのでフッキングしやすい。
ネックは割高。1セットで300円強する。
とりあえず、これを使えば餌は何もいらない。
どこがポイントか?
2013年頃のぴーぴー氏の日記の景観を頼りに、グーグルストリートビューで事前に確認して現地に向かった。
多分、ここだと思う。
この場所に降りるにはガードレールを超える必要がある。
でも随分と景観が変わったなーーーー。
人工滝の横に「魚道」ができてるよ。
逆を言えば、つまりアユが遡上するということだ。
ただ、遡上できるようになってしまっているので、ここにはもういないんじゃない?もう6月上旬だしなーーー。
しばらく待っていると、太公望のおっさんが「延べ竿」を持って現れた。
彼は長靴を履いて対岸に渡り、6mある延べ竿で深めの場所を脈釣りで狙っていた。
1、2分間 竿を小刻みに動かした後でコンスタントに川魚を釣り上げているのが目視で分かる。
餌を付けているように見えないから、彼もハイパーパニックかな。
ただ、釣っては逃しているのでカワムツか何かが釣れているのだろう。
川釣り経験に乏しい僕には「カワムツ」だって正直構わない!
でも、ハイパーパニックのような高級仕掛けなんて常備していない。
あので、テナガエビ釣り向けに買った「半月針」に、マルキュー「アミ姫」をつけてみた。
何事も経験。
何も 釣れねーーーー。
っていうか、やっぱり生活排水が浮かんでいて、汚ない川だなぁ……
まとめ
思わずハイパーパニックをAmazonで注文したわ。
帰り際に、何か「看板」が立っているのに気づいた。
字が消えていて読めなかった事にする……。