スーパーで卵を買う時に「茶色の卵」と「白い卵」が置いてるときがあります。
あなたはどっちが好きですか?今日は奮発してちょっと高めの「茶色の卵」なんてことも…。
卵の違いをちゃんと理解していますか?
じつは栄養や味など中身に違いはなそうです。
唯一の違いは殻の色。殻の厚みも一緒なんです!
茶色の卵が高いのは、ひとつには茶色の卵を産む鶏の方が白い卵を生む鶏より大食いだからであって、餌代が嵩むぶん値段も高くなってんです。
ということで、まとめ。
- ① 茶色いニワトリは茶色い卵を産み、白いニワトリは白い卵を産む
- ② 茶色も白も同じ栄養価で同じ味
- ③ 茶色いニワトリは大食いで飼育コストが高く市場の値段も高い
- ④ スーパーではなんとなく高価なものだと思い込んでしまうが、中身は一緒
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ブログ書いてる本人が全く卵の事を理解してないww
僕の「タマゴ愛」を知ったほうが良い。
一般的に白いニワトリが白い卵を産み、茶色いニワトリが茶色い卵を産みます。
茶色いニワトリは大食いで飼育コストが高く市場の値段も高い
なんだよ、その雑な書き方ww
明らかに品種が違うだろ!だったら違いあるだろ!
最近は、糞みたいな記事ばかりトップに出てくる。
そして鵜呑みにする人との会話もツマラナイ。
ニワトリに対する基礎知識
アフェリエイト目的サイトのように長々と本題に関連する基礎知識を説明するつもりは毛頭ない。
でも「養鶏協会」のサイトすら間違ってるから載せておく
ニワトリは「キジ目キジ科ヤケイ(野鶏)属」の総称。
生物分類学上の種として「セキショクヤケイ」「ハイイロヤケイ」「セイロンヤケイ」「アオエリヤケイ」がいる。
ニワトリは、DNAなどの調査でセキショクヤケイを飼いならして作られたとされている。
……が、ハイイロヤケイのDNAも混ざっているという意見もあり実はよく分かっていないらしい。
その「ニワトリ」の品種(血統種)は世界中に250種以上いる。
- ① 白色レグホン(採卵用)
- ② ロードアイランドレッド(食肉、採卵用)
- ③ 名古屋コーチン(食肉、採卵用)
- ④ 比内地鶏(食肉、採卵用)
- ⑤ 白色プリマスロック(食肉、採卵用)
- ⑥ 軍鶏(シャモ)(食肉用)
- ⑦ アローカナ(採卵用)
- ⑧ 烏骨鶏(ウコッケイ)(食肉、採卵用)
日本だけでも45種類いるそうだ。
【参考】「日本鶏(にほんけい)のご紹介」生物工学会誌 第99巻 第12号 648?654.2021、広島大学大学院統合生命科学研究科(教授)、都築 政起
茶色鶏と白色鶏の違い
上記を前提とした上で
- ドイツのローマン社で「白色レグホン」の系統を育種開発したのが「ジュリア」
- アメリカのハイライン社で「ロードアイランドレッド」の系統を育種開発したのが「ボリスブラウン」
であり、これらの名称は「商品名」であり「種としての名称」ではない(ボリスブラウンは雑種であり血統種ではない)。
これらをまとめると、次のようになる。
ここまでが前提知識。
これが正しい分類だとすると、多くの「養鶏協会」のサイトは品種と商品名が混ざっている。
赤卵・白卵に対する栄養や味などの違い
まず、白い卵。これは「白色レグホン」や「ジュリア」などに代表されるいわゆる白い羽の色をした鶏が産む卵。
次に多いのは、茶色の卵。これは実際の飼育羽数からいえば「ボリスブラウン」などの海外種が主流。
茶色い羽のニワトリは「プロトポルフィリン」という色素の分泌によって赤っぽい卵を産む(白い羽のニワトリにはこの色素がなく白い卵を産む)。
で、「白色レグホーン種ジュリア鶏」と「ロードアイランドレッド種ボリスブラウン鶏」の産んだ卵の「栄養素」「味(食感)」を比較し、「調理用途」の研究をした論文がある。
鶏種および鶏の週齢の違いがその産卵した卵の品質および調理特性に与える影響、日本家政学会誌 Vol. ₇₂ No. ₁₀ 631~641(₂₀₂₁)、東京家政大学栄養学科・助教、小泉昌子
先に結論をまとめると次の通り。
- 1) 卵殻強度・HU は週齢の増加で低下し,外観の評価で重要視される卵黄色は週齢の高いボリスブラウン鶏の産んだ卵で高かった.
- 2) ボリスブラウン鶏が産んだ卵は,白色レグホーン種鶏が産んだ卵より,HU が高く,卵黄の粘度が高かった.したがって,生卵を用いる料理には,ボリスブラウン鶏が産んだ卵や₃₀週齢の鶏が産んだ MS玉が適していた.
- ボリスブラウン鶏が産んだ卵は,卵白泡の安定性が高かった.このことから,起泡性を利用した調理に適しているといえる.白色レグホーン種ジュリア鶏では,₃₀週齢の鶏が産んだ MS 玉で卵白泡の密度が高いため,起泡力を利用した調理に適していた
本研究により「「鶏種」および「週齢」の違いによる鶏卵ごとの調理特性を最大限に活用した効果的な利用法を推奨し、市販卵の差別化が可能であることを示した」と結んでいる。
つまり、赤白卵には明確に差がある
以下、
- ボリスブラウン鶏が産んだ卵を「赤卵/茶色の卵」
- 白色レグホーン種鶏が産んだ卵を「白卵」
と呼ぶ。
タンパク質の量は誤差程度
では栄養価の確認。
卵白と黄卵のタンパク質量(100g中)は?
黄卵の方がタンパク質は多い。
これは多くの人に知られている。
で、赤卵・白卵でタンパク質の質量の違いはあるのか?
誤差程度で違いはない
そもそも卵一個だと、50g~69gなので上記数値の更に半分程度なので誤差レベル。
卵のサイズ | 全卵 | 卵黄 | 卵白 |
---|---|---|---|
Mサイズ | 50g | 20g | 30g |
Lサイズ | 60g | 20g | 40g |
灰分や炭水化物量は赤卵・白卵で異なる
脂質 灰分 炭水化物はどうか?
この表から次のことが分かる。
脂質は赤卵の卵黄がやや多い(誤差レベル)
灰分は「赤卵の卵黄」に多く含まれる
炭水化物は「白卵の卵黄」に多く含まれる
因みに灰分とは食物中に含まれる無機物(カルシウム、鉄、ナトリウム、マグネシウム、リン、カリウム等のミネラル)のこと。
灰分が多く含まれる食品が書かれたページを見つけたが……これは赤卵の例かな。
動物性食品 | g/ 100g |
植物性食品 | g/ 100g |
---|---|---|---|
カニ加工品(がん漬) | 31.3 | 精製塩 | 100.0 |
干しエビ | 24.1 | ベーキングパウダー | 41.8 |
かたくちイワシ(田作り) | 12.5 | カットワカメ(乾) | 27.6 |
ほたて(貝柱) | 8.2 | 寺納豆 | 17.4 |
鶏卵/全卵(生) | 4.2 | 淡色辛みそ | 14.2 |
少なくとも白卵なら赤卵の半分以下の灰分だ。
ようするに栄養化的にも赤卵と白卵に違いは存在する
「卵かけご飯」には赤卵(茶色)が良い
日本では「卵かけご飯」や「すき焼き」等、生卵を食べる文化がある。
生卵の場合「卵黄の粘度の高い」方が、米飯や肉などの食材に絡みやすく食材のうま味を活かすことができる。
その粘度に関しても論文に言及がある。
で、
卵黄の粘度(ずり速度)は、全てにおいてボリスブラウン鶏が産んだ赤卵(茶色)の方が高い。
「卵かけご飯」は赤卵(茶色)の方が食材のうま味が活きる
と結果付けられている。
おわりに
Google検索で最初の1ページ目に出てくる内容は大抵がアフィリエイトサイトだ。
でいつものように数値に基づかず嘘を書く。
まとめると次のようになる。
- ① ニワトリは品種の違いで茶色と白色の卵を生むものがいる
- ② ボリスブラウン鶏が産んだ茶色の卵は灰分(無機物、鉱物質。ミネラル)が多い
- ③ 白色レグホーン種鶏が産んだ白色の卵は炭水化物が多い
- ④ ボリスブラウン鶏が産んだ茶色の卵は粘度が高く「生タマゴ料理」に向いてる
もちろん卵の色など含めて赤みのある方が美味しく感じる人間心理も勿論働いていると思う。
でも、結論として用途に応じて白/赤卵を使い分ける事が良いだろう。
なお、スーパーマーケットで各種卵を見てみると赤卵でもタンパク質の量が異なっている事が分かる。
与えた食事や平飼いなどによっても変わるので、上記はあくまで同じ環境下の場合の話だ。