魚を締める・血抜きする科学的理由と脳締め・中締め・神経締め・血抜き方法

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海釣りの醍醐味といえば
 
 

フィッシュ&イート

 


 

でもここは

 
 

京浜工業地帯

 
 

「釣った魚」が
 
 

美味しくない

 
 

簡単に例えると残飯触った手でこねた油粘土を醤油かけて食べてる感じ。

ケミカル臭、泥臭、ドブ臭、洗剤臭、油臭、ヘドロ臭、カビ臭……

どんなに下処理や料理法に工夫しても対処できず、口にした途端、鼻に抜けて残る。

 
 

今までは、

 
 

生活・工業排水の流れる湾岸をたくましく
食物連鎖にも負けず生きてきた濃縮の証

 
 

と言うべきか……と諦めていた。
 
 

ハーブ豚とかさ。

食べ物、運動量、ストレス度まで管理して味を変えてるじゃん?

なのに東京湾で釣った魚を「美味しい」と言ってるブロガーは味覚オンチなんだな……と。

 
 

実は最も駄目にしているのは

釣り人自身。

正直な話、スーパーや魚屋にもないほど鮮度のいい魚が必ずしも

 
 

スーパーマーケットのサバの方がおいしい

 
 

となるはずがない。

千葉湾は東京湾奥という必ずしも立地では無いから外湾から回遊した魚まで不味いのは釣り人の責任。

でもコノシロは臭い。臭みは皮に付いてるから皮を剥ぐのが良いらしいよ。蛇足だけど。

学生時代まで、締めたり血抜きをやらずにバケツに入れたまま放置していた。
 
 

瀬戸内の魚を舐めんな!腐っても鯛じゃ!

 
 

という理由でない。

 
 

ほら、僕って蚊に右腕を噛まれても

「まだ空腹では御座いませんか?」

と、そっと左腕も差し出す心優しい性格じゃないですか?

だから
 

針で刺して苦しみ・もがきを与えた上に、無情にもナイフを突き刺す

 

とか、狂気の沙汰の行動にしか映ってなかった。

 

(C)大場つぐみ/小畑健/DEATH NOTE

 

今では台所を汚すと明日の出社を断念しかねない事態にまで発展する可能性が高い。
 
 

 
 

だから泣きながら魚の頭と内臓を海の蟹様たちに献上させて頂いているよ。

ならば、せめて正しい締め方・血抜き方法を理解したい。

どんなに頑張っても60点が限界の東京湾の魚の味だが、60点ギリギリのラインを狙って、ありがたく命を頂こう。

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実は今、空前絶後の魚の締めブーム

クリスタルのような透明感を漂わせた

関さば・関あじ。

例えば、関さば・関あじ は次のような方法で味を高めている。

魚のエラ部分に包丁を入れ脊髄を切断し、海水につけて血を抜く『活け絞め』、その後、脊髄にワイヤーを差し込んで仮死状態にさせる『神経抜き(神経絞め)』という処理を行う。

 

また最近は多くの人が魚の捌き方をネットに公開している。

こんな愚痴混じりのサイトを読むぐらいなら、他のサイトを参照した方が良いだろう。

その中でも「津本式」というものがあり、YouTubeやら書籍でも見ることができ大人気。

魚食革命『津本式 究極の血抜き』完全版 (ルアマガブックス 7)

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津本光弘
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今や、

 
 

ねぇダーリン♥
脳締めにする?
それとも神経締めにする?
もしくは津本ノ・ヅ・ル?

 
 

という締め方が選び放題の状態ww

商品も大量に出ている。

逆を言えば、ホースやノズルなど特殊な道具で血抜き作業が必要だ。

今回は釣り場で締めるのが目的だから、基本のやり方を調査する。

腐っても鯛(鮮度を科学する)

理系だし、ちょっと難しく書いてみる。

魚は暴れたりストレスを感じる状態が長く続くほど、身の中にある

 

ATP(アデノシン三リン酸

 

が消費される。

ATPは魚のエネルギー源で旨味の元にもなる成分で、運動のエネルギー源となる物質。

このような観点から、斎藤恒行(1990)らによって提唱された

K値(鮮度判定指数)

による品質判定法が注目を集めた。

ATPは、魚の死後には次のように分解されることが明らかになっている。

 
 

ATP→アデノシンニリン酸(ADP)→アデニル酸(AMP)→イノシン酸(IMP)→イノシン(HxR)→ヒポキサンチン(Hx)

 
 

漁獲後に速やかに締められた魚にはATP、ADP、AMPが多く、時間が経つにつれてIMPが増加する。

そして最後にはHxR、Hxが増えることからK値を次のように求める事ができる。

 
 
K(\%)=\frac{(H×R+Hx)}{(ATP+ADP+AMP+IMP+HxR+Hx)}×100
 
 

すなわち

K値はATPとその分解生成物全量に対するHxR十Hx量の百分率

つまり、その値が小さいほど鮮度が良好なことを示す。

っと……この程度の事は多くのサイトで書いてある。

 
 

だから、大まかなK値の目安を調べてまとめてみた。

K値 用途
0~20% 刺身
40%程度 すし種
20~60% 焼き魚
60%以上 食不適
80%以上 廃棄(腐敗)

水揚げ、冷凍された魚のK値は次のとおり。

【マグロ】

K値 分類
0~1% 冷凍の上物
5~20% 冷凍の並
+5~10% 一日あたり冷蔵庫で保管

【ハマチ】

K値 分類
15%前後 活〆ハマチ
20~45% 野〆ハマチ
15~40% 造りハマチ

【築地の魚】

K値 分類
30~50% カツオ
20%前後 銀ザケ
35~40% シロサケ
5~10% イワシ
7% トビウオ
34~60% メバチマグロ(生マグロ)
40~60% ホンマグロ(生マグロ)
60%前後 スルメイカ

因みに、

 
 

腐ってもタイ

 
 

ということわざかあるが、冷蔵実験をしてみると

タイは4日後もK値が5%前後
(タラの場合は3日で60%超え)

だったそうだ。

本当かな……。

水槽の魚は例外なく不味い

魚は生きていれば新鮮で美味しいというのは誤解。

ストレス(狭い水槽や環境の違うところで飼育する等)が、ATPの生成に影響を与えることが知られている。

だから店の生簀はデモでしかなく、旨い魚を出す店は水槽の魚など使わない。

水槽ではATPが減少する。

ようするに「疲れた身」になれば、人間が食べても美味しくない。

なぜ魚を締めるのか?

ここまで書けば、この理由は自明。

魚をシメるのは、鮮度を保つため。

言い変えると

身が生きている状態

を長持ちさせるため。

 
 

で、具体的な締め方は大きく分けて3つある。

締め方 道具 方法
野締め クーラー 漁獲や釣り上げた魚をクーラーに入れて窒息死。苦悶死(クモンシ)
氷締め 釣れた魚を冷たい潮氷に入れて凍死
活け締め 器具 しっかり即死させ、血抜きもする魚の締め方全般

苦悶死(魚を暴れさせて死なせる)させるとエネルギーであるATPを消費するので論外。

また、活け締めの方法も大きく分けて2つある。

締め方 道具 方法
脳締め 刃物・ピック 一撃で魚の動き(暴れ)を停止させる
神経締め ワイヤー状の器具 魚を締めた後にじわじわと続く痙攣などを停止させる

全部で4つの締め方があることになるが、混ぜて書いているブログが多く最初はよく分からなかった。

 
 

なお、魚の処理方法としては、

活き締め→血抜き→神経締め

の順番が正しいらしいが、サイトによってバラバラ。

脳締め

脳締めの場所や方法は大きく分けて3つある。

場所 道具 方法
眉間(脳天) アイスピック 目と目の間の眉間位置に刺す
コメカミ ナイフ、アイスピック、ハサミ、ドライバー 魚のコメカミ位置に刺す
エラの内側からコメカミ ナイフ 中締め。エラの内側からコメカミに向かって刺す。外見を傷つけたくない場合に利用

脳締めが終わると魚の目の色が変わり、口が開く。

締め方が誤っていると、魚の体がバタバタと暴れ続けて、鮮度が落ちる原因となる。

眉間(脳天)での脳締め

眉間(脳天)というのは目と目の間。

ここにアイスピックとかフィッシュピックを突き刺す。

コメカミでの脳締め

延髄は脳と脊髄をつなぐ部位。

なので、目の後方付近に存在する。

脊髄は背骨(黄色線)を通っているので、頭と背骨の間(赤線)にナイフやハサミをいれることで断つことができる。

神経締め

最近注目を集めている魚の締め方。

しっかりと魚を絞めていても、15分ほどすると魚がピクピクと痙攣することがある。

そうすると身に血が巡り、美味しくなくなる。

それを防ぐため、神経締めを行う。

具体的には、ワイヤー状の器具を中骨上部の神経束に通して脊髄を壊すことで、魚の死後硬直が始まるまでの時間を長くする。

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こちらも2つの方法がある。

場所 方法
鼻の穴 鼻の穴から尻尾までワイヤーが達したら、前後に10回ほど動かして神経を完全に破壊
尻尾 魚の尻尾を切り、頭に向かって、大動脈の上にある穴からワイヤーを差し込む

簡単なのは尻尾の方法。

背骨の断面を見ると、背骨の上下に穴が2つある。

  • 下の穴は大動脈・・・血が通っている
  • 上の穴が神経・・・神経が通っている

神経締めは上の穴に針金を通す。

なぜ、魚の血抜きをするのか?

こちらは、今までの話に出てこなかった。

調べた限りでは次を防止するため。

 
 

身に血が回ることによる雑菌の繁殖防止(鮮度)

血液の鉄分による臭みが筋肉や脂肪に移ること(味)

 
 

ようするに味と鮮度を保つ事に効果がある。

あれ?鮮度を保つのは締めじゃないの?

 
 

スーパーマーケットのマグロなどは、血液が十分に抜けてないと血液が毛細血管中で凝固し、身肉の中に斑点・血の塊(血栓)ができる。

そのような魚は、少し生臭かったり血の匂いがする。

 
 

血抜きをする重要なポイントは、

魚が生きている状態のまま、血を抜くこと

血を押し出す心臓が止まってしまうと、うまく血が抜けなくなってしまう。

血抜きはエラの血管を切る

エラ膜に太い動脈が多くあるのでエラ膜を切る(エラにある血管をカット)。

膜の奥に太い血管が通っているので膜を背側に切り進んでいけばその血管も切れて血が出る。

また、尻尾を切れる場合は、尻尾も切っておく。

釣り場で血抜きを行う場合は、海水の中などで魚の体を振って血を抜く。

そもそも頭を落とせば締めと血抜きにならないか?

ここまで長々と書いたが、僕はそもそも頭を切断して持ち帰っている。

ヒラマサ等大型青物は兜焼きの可能性があるが、コノシロやサッパ程度だと地元広島では持ち帰ったこと無いし、頭は不要だわ。

で、締め方や血抜き方法を学んだが、

 
 

これって頭を落としたら必要なのか?

 
 

という疑問が出てきた。

頭落とせば、活け締と同じで完全に締まっている。

頭を取るとエラの部分が取れるので傷みが少ない。

 
 

良いことだらけじゃん!!

 
 

ただし、デメリットもあるらしい。

頭を切り落としてしまうと、切り口から海水を吸って身が悪くなる。

また、切り口が生臭くて一番おいしいハラミやカマ付近が台無しになる可能性がある。

また心臓も止まるから、血は十分に抜けないだろうね。

まあ、20センチぐらいまでの小魚に関しては氷締めが良いみたい。

 
 

更にサイトによっては次のように書いてある。

延髄を切るとか、頭を落とすとか、血抜きをするとか、余計なことをして身の断面を水や空気にさらす方がむしろ鮮度落ちにつながる可能性あります。

 
 

ここまでの全否定キターーー

まとめ

兎にも角にも血抜きを覚えよう。

血抜きして頭とハラワタを切り出せば完璧だろう。

血抜きを行うようにしてけば、千葉湾で釣れたボラも鯛並みに美味しいと思う日が来るのかもしれない。

 
 

いやならない自信があるな……。

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