千葉市には懸垂型モノレールとして営業距離世界最長を誇る「千葉モノレール」が走っている。
モノレールの車両のデザインは実に豊富で、このような痛車も走ってる。
土日に乗車すると声優の声で各駅の説明アナウンスもしており、気になったので漫画とアニメを見てみた。
タイトル「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」
軟弱極まりない今どきな萌タイトル……
どうせ主人公のご都合恋愛漫画だろ?
と思っていたが、
なかなかな論理的思考、問題解決な漫画だった。
© やはり俺の青春ラブコメはまちがっている/渡航/佳月玲茅/小学館
その要素は1割にも満たないけどね。
問題解決で大事なのは、
- 本当に解決しようと思って考え抜いたか?
- あらゆる手を使って解決しようとしているか?
だ。
問題解決の基本手順
基本的な手順は図示化すると次のようになる。
手順段階 | ポイント |
---|---|
問題の認識(問題) | 問題であると認識すること。解決すべきテーマであると捉え、解決目標を決める |
課題形成(課題) | 問題を起こしている原因を調査する。また解決目標との間にある諸課題を探り出し、関係付けをする |
解決策の立案(施策) | 問題の原因を除去する解決策を考える。または原因となっているものに影響されない解決策を考える |
実行 | 解決策を実行する計画を立てる。確実に実施する 進捗確認:期待した結果と比較しての評価。解決しなかった場合の分析と新たな対策 |
問題認識(理由)
そもそも「問題」とは一体何か?
問題とは、「現状」と「あるべき状態」とのギャップである
つまり、問題は問題として認識されない限り、問題にはならない。
© やはり俺の青春ラブコメはまちがっている/渡航/佳月玲茅/小学館
同じ「問題」でも状況や見方によりタイプが異なるので一意には決まらないが、大別すると2種類に分けられる。
【原因のある問題】
問題タイプ | 問題の識別 | 具体例 |
---|---|---|
現象型 | 現象として見えている多くの良くない状況 | 組織風土・モラル/トラブルが継続する状態など |
発生型 | 特定化された困った問題または予定と異なる事態 | 故障・事故/トラブル/販売不振/計画遅延など |
構造型 | 原因と結果が絡み合って生じている良くない状況 | 悪循環の状況/力関係、順序により生じる状況など |
【原因のない問題】
問題タイプ | 問題の識別 | 具体例 |
---|---|---|
設定型 | 実現すべきこと,達成すべき課題 | 組織改革/技術確立/売上倍増/スピードアップ/計画立案など |
創造型 | 新たなことを創出するような創造的課題 | ビジョン構築/新技術の開発/ビジネス創出/戦略立案など |
「問題」によっては「あるべき状態」をゴールや目標などと置き換えることも可能。
このように「問題」を定義してみると、我々が行っている仕事の大半は「問題解決」だと分かる。
課題形成(問題の設定)
詳細は「課題とは何か?」で説明済。
MBAの定義では次の通り。
課題(イシュー)とは、論理を構造化する際に「考え、論じるべき」こと・状態
課題化を間違えば、そもそも解決すべきことが分からなくなる。
© やはり俺の青春ラブコメはまちがっている/渡航/佳月玲茅/小学館
なお、私の「課題」の定義には「真因が解決された状態」であり「短期的な達成目標」も含んでいる。
課題化に必要なスキルは、みんな大好き「クリティカル・シンキング」「ロジカル・シンキング(和製英語)」。
© やはり俺の青春ラブコメはまちがっている/渡航/佳月玲茅/小学館
何回考えちゃうんだよww
と笑う必要はなく、とことん考えるべきだ。
私の事業部のマネージャが異動する際に言った送別の言葉がこれだった。
たった10分の説明のために、土日を潰して考えて、考えて、これ以上考えきれない……と思う時点まできたら、更に考える。
この毎日が本当に辛かった。
アインシュタインだって言ってるよね。
私は地球を救うために1時間の時間を与えられたとしたら、59分を問題の定義に使い、1分を解決策の策定に使うだろう
言ってないっぽいけどねww
ただし、その教授の名前は分からない。
ジョンズ・ホプキンズ大学のコンピューター科学者、グレゴリーFサリバン博士が運営する「Quote Investigator)」より
解決策の立案(手段・施策)
前述したアインシュタインの嘘名言を引き出して来て「施策(解決策)の策定」を疎かにする頭の先まで論理的思考啓蒙者がたまにいる。
手段は「課題」が出てきたら自明/一意的に定まる
とかね。
そのような人が最終的に導いた施策(解決策)入りのプレゼン(プレゼンテーション)を聞くと
はっきり言って「糞」
例えば5年前に論理的思考啓蒙者含めたリーダー・マネージャー陣で「中長期で取り組む事」をテーマにコンペをしたことがあった。
論理的思考啓蒙者の問題発見、課題化までの説明は非の打ち所がなく完璧。
にも関わらず施策(解決策・手段)は
- 「オタク向けアプリケーション」
- 「新技術を使った次世代アプリケーション」
など、何も語ってないじゃんww
課題化までの説明が台無しww
終いの果てには
時間がなく思い付かなかった
ww
お前がアインシュタインだったら、世界滅亡してるじゃんww
「ビジネス創出」のような「原因」が無い問題解決の場合は、ロジカル崇拝者は単なる社内野党で邪魔な存在だ。
一方で、アーティスト、漫画・小説家のアイデア(解決策・手段)の素晴らしさには、魂が揺さぶられる気持ちになることがある。
© やはり俺の青春ラブコメはまちがっている/渡航/佳月玲茅/小学館
要するに、施策(解決策・手段)の策定にも十分な時間を費やす必要がある。
そして、その策定スキルは「創造思考(クリエイティブ・シンキング)」と呼ばれている。
「クリティカル・シンキング(ロジカル・シンキング)」と「クリエイティブ・シンキング」の2つの思考法でよく使われる言葉を載せてみた。
周りの人がどちらの言葉をよく使うか?でタイプが分かると思うよ。
クリティカル・シンキング | クリエイティブ・シンキング |
---|---|
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で、施策/アイデアの出し方は以前まとめているので割愛。
大事なことなので何度も言うが、余った時間で策定できるようなものではない。
人気なのはブレスト(ブレインストーミング)。
出たアイデアを発展させたり収束させたりしながら候補を絞っていく。
© やはり俺の青春ラブコメはまちがっている/渡航/佳月玲茅/小学館
もう一つ大事なことは、選択された解決策(アイデア・手段)は行動が可能なレベルまで具体化しておくこと。
要するに机上の空論にならないように、現実性・工数・効果などを繰り返し検証し試行錯誤する。
ここ、論理的思考啓蒙者はマジで興味持ってないww
実行
検証し「行動が可能なレベルの解決策」にまで具体化したら、次は解決策の実施計画を立案する。
実行の段階で重要なことは、関係者が解決策を単に認識レベルで理解するだけでなく
できれば共感、少なくとも感情レベルで同意し納得
して貰わなくてはならない。
© やはり俺の青春ラブコメはまちがっている/渡航/佳月玲茅/小学館
そうでなければ関係者が解決策の実施に際して本気になって取組むことが難しい。
この話は「合意形成/コンセンサス」などの話が必要出なので、また今度。
まとめ
ちょこちょこライトノベルのネタを入れてるのはPV稼ぎの釣りでしたww
「問題解決の手順」って多くのサイトで紹介されてるし、「俺ガイル」のアニメ放送も数年前に終わってるしさ。
かたっ苦しい内容などでライトに書こうと思ったけど、フザケた雰囲気になってしまった……
とはいえ、内容は重要な見落としポイントは入れ込んだ。
手順に従って考えていくだけで問題解決能力は大幅に伸びる。
苦手な人は是非ともお試しを!