イベント投資「12月30日に買って1月4日に売る」の期待値検証(システムトレード)

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東京証券取引所では、1年の最後の取引日である「大納会」が12月30日、1年の最初の取引日である「大発会」が1月4日。

これを利用したイベント投資に関する記事が昨年の年末に公開されていた。

 
 

年内の最終日の12月30日にに連動する商品を買って年始の1月4日に売るのも勝率が高くなります。

年末年始は長い休日になるため、何が起きるかわかりません。リスクを回避するために保有している株式をいったん売却して、年が明けてから買い直す投資家が多いことが影響していると思います。

「12月30日に買って1月4日に売るだけ」30代で1億円つくった人が本当は教えたくない"ある投資手法" | PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン)
※本稿は、まつのすけ『33歳で1億円達成した僕が実践する一生モノの億超え投資法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。イベント投資は定期的に起こる出来事に対して、今後も同じことが起きると考えて投資を…

これ本当なのかな?

ググれば色々な似た記事があるけど、バックテストしてみたら良いんじゃない?

【投資の着眼点】検証してみた! 「年末年始は株価が上がりやすい」はホントか?
2019年も残すところ、あと1か月である。今年の株式市場を振り返ってみると、日経平均株価は年初から4月にかけては前年の10月から12月にかけての世界的な株価急落に見舞われた後の反発もあって、堅調に推移していた。しかし、5月から本格化した米中関税戦争、6月から始まった香港民主化デモなどの影響を受けて、今夏の株価は不安定な...

年末年始でボケた脳みそをフル回転できるように、数式交じりになっている。

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「12月30日に買って1月4日に売る」期待値検証

説明を読んで次のように定義した。

【基本条件】

  • 1) 初期費用 300万円
  • 2) 単利運用
  • 3) 現物取引:1銘柄当たり仕掛け金額50万円
  • 4) 買い
  • 5) 売買対象:日経平均株価に連動する銘柄
  • 6) 終値が100円以上
  • 7) 20日平均売買代金 20億以上

【買い条件】

  • 1) 大納会(12月30日)の終値で買い

【売り条件】

  • 1) 大発会(1月4日)の始値で売り

【仕掛けの優先順位】

  • 1) 5日移動平均線乖離率 昇順

「日経平均株価に連動する銘柄」はググったところ「36か月β値(ベータ値)」というもので求めるのが一般的のようだ。

対日経平均β値(ベータ)とは何か?

対日経平均β値とは、日経平均株価が一定割合で動いたときに、その何倍動くかを表す数値。

過去の取引日において、当該銘柄の値動きが日経平均の値動きと、どの程度連動していたかを表す指標として利用される。

 

○○銘柄のβ値 = ○○銘柄株式のリターンと日経平均株価のリターンの共分散 ÷ 日経平均株価のリターンの分散

 

ある銘柄の対日経平均ベータ(36ヶ月)が1.2だとすると、平均的には日経平均が10%上昇したときには12%上昇し、日経平均が10%下落したときには12%下落する傾向があることを意味しています。

つまり、ベータが1の株式の株価は、株式市場と同じように変動するため、株式市場(インデックス)の期待リターンと同じだけ、その株式に投資するとリターンが期待できると考える。

例として、JR東海とTOPIXの月次のリターンを計算する。

 

※ リターン = 当月の株価 / 前月の株価 – 1

 

企業価値評価におけるベータ(β)値の計算例
企業価値評価で割引率を計算する際に必要なベータについて解説しました。読者の皆様がベータをエクセルで計算できるように、データ取得から実際の算式までステップバイステップで解説しました。

ExcelならLINEST関数を使うらしい。

LINEST 関数は、”最小二乗法” を使って「係数(直線の傾き)」と「定数項(切片)」を求めている。

最小二乗法(一次関数)の係数を決定する手順

はい、みんな大好きな数学の時間。

最小二乗法は近似式との差の二乗の総和が最小になる近似式を求めること。

近似式である直線の方程式が y = ax + b と表されるとすると、データ点との二乗の差の総和Sは次のようになる。

    \[S(a, b)= \sum\limits_{ i = 1 }^{ N }\{y_i - (ax_i + b)\}^2\]

解き方は色々ある。

主成分分析が固有値問題となる理由
行列には「固有値」や「固有ベクトル」、統計には「分散」や「共分散」があるというのは、理系の大卒なら誰でも知っている。しかし、数学として固有方程式を解く方法だけ学んでも、結局何のためにあるのかわからないまま終わってしまう。...

直感的なのは Sが極小を取るようにするために、abの各々で偏微分してどちらも0にする方法だ。

    \[\frac{\partial S (a, b)}{\partial a} = 2 \sum\limits_{i=1}^{N} x_i (ax_i + b - y_i) = 2 \sum\limits_{i=1}^{N} (a x_i^2 + b x_i - x_i y_i) = 0\]

    \[\frac{\partial S (a, b)}{\partial b} = 2 \sum\limits_{i=1}^{N} (a x_i + b - y_i) = 0\]

これらより、次の連立方程式が得られる。

    \[a \sum\limits_{i=1}^{N} x^2_i + b \sum\limits_{i=1}^{N} x_i = \sum\limits_{i=1}^{N} x_i y_i\]

    \[a \sum\limits_{i=1}^{N} x_i + N b = \sum\limits_{i=1}^{N} y_i\]

N は測定データ数で、上の 2 式より、ab を決定できる。

    \[a = \frac{ N \sum\limits_{i=1}^{N}x_i y_i - \sum\limits_{i=1}^{N} x_i \sum\limits_{i=1}^{N}y_i }{N \sum\limits_{ i = 1 }^{N} x^2_i - (\sum\limits_{ i = 1 }^{N} x_i)^2}\]

    \[b = \frac{ \sum\limits_{i=1}^{N}x_i^2 \sum\limits_{i=1}^{N}y_i - \sum\limits_{i=1}^{N} x_i \sum\limits_{i=1}^{N} x_i y_i }{N \sum\limits_{ i = 1 }^{N} x^2_i - (\sum\limits_{ i = 1 }^{N} x_i)^2}\]

 

その他、解法には「直接解法 (Direct Method)」と「反復解法 (Iterative Method)」の2つの方法が存在する。

解法 具体的な解法
直接解法 Gauss-Jordan法、Gauss消去法、LU分解、QR分解、特異値分解
反復解法 ヤコビ法、ガウス・ザイデル法、SOR法、共役勾配法

バックテスト結果

バックテスト時間は全銘柄で15分。

利益曲線は次の通り。

あれ?

想像していたより利益率が低い……。

そして「日経平均株価に連動する銘柄」を選んだので、候補として選ばれた銘柄が次のようなインデックスばかりだった。

  • 1306 NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信
  • 1348 MAXIS トピックス上場投信
  • 1320 ダイワ上場投信-日経225
  • 1308 上場インデックスファンドTOPIX
  • 1591 NEXT FUNDS JPX日経インデックス400連動型上場投信
  • 1329 iシェアーズ・コア 日経225 ETF

……。

何だよこれ!

やる前から分かってたよね……。

年始にやるようなプログラミングじゃねーだろ!!

まとめ

【結論】

「年内の最終日の12月30日に日経平均株価に連動する商品を買って年始の1月4日に売る」では、30代で1億円は作れない

 
 
 

© デスノート/大場つぐみ、小畑健/集英社

 
 

記事に騙されてバックテストして時間を無駄にしたわ。

 

分かったことは「最小二乗法の実装は間違っていなかった」だけ……。

こうやって、また一年を無駄にして過ぎていくんだろうな……。

 

 

中学校・高校の数学の教員免許の専修過程(校長になれる資格)まで取得した建前、無駄に数学を使うようにしてるけど意味ねーー。

ソースコード

バックテストには無料OSSの「Protra」を利用した。

TIlib、Utility、TrendCheck、TOPIXライブラリはGitHubに置いている。

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