1.損切り(ロスカット)しない
2.取引するのはわずか1銘柄
3.1日3分だけ!
4.資金を5分割にする
5.予測・分析をしない
ネオヒルズ族の土屋博嗣(土屋ひろし)氏が目をつけ、「波乗り投資法」とネーミングし多くのコンテンツを情報教材として販売しています。
無料動画を見る限り、うねり取り投資法そのものです。
ですが、分割売買の方法をより具体化し、相場師郎氏のように移動平均線を見ることすらありません。
波乗り投資法とはなにか?
予想に頼ることなく、株価の動きに応じて複数のポジションを調整することで利益をあげる投資手法です。
波乗り投資法は、あるポジションが含み損を抱えても、ほかのポジションで利益を出してトータルでプラスになればよいと考えます。
また、あるポジションが含み損になっても6ヶ月以内(信用取引の決済期限)に値を戻せばいいと考えます。
下山氏はブリジストン1銘柄で7年間連続プラスの投資法だそうです。
テクニカル分析は勝てない
株価は何らかの基準となる数値を下回ったら上向く、上回ったら下向くという単純なものではありません。
RSIを見ると買われすぎ、売られすぎという判断はある程度できますが、売られ過ぎているから株価が上がるかといえば、そうとも限りません。
ファンダメンタル分析は勝てない
バランスシートを分析し、ROEなどの指標を調べ事業計画を見て判断しても、相場全体が全面安になれば株価は下がります。
PBRがずっと一倍以下のままになってることもあるし、株価にはファンダメンタルとは離れたところで動く力学が働いていると思ったほうがよいでしょう。
波乗り投資法のルール
アナリストの予想は外れ、ファンドマネジャーがベンチマークを下回り、投資家の90%が負ける世界です。
なので「株価は上がる下がるかわかならい、予想は外れる」ことを前提に「予想する必要がない」のではなく「予想が外れてもカバーすることできる」ルールを提案しています。
- ①一つの銘柄で取引
- ②決済するのは利益を得たとき
- ③もつボジションは5つまで
- ④含み損をロストカットでなく相殺決済で対処
- ⑤資金を5分割(最低一つは売り買いの逆を持つこと)
- ⑥一つは異なるポジションを入れる
- ⑦買い増し・売り増しのときは株価を離す
なお、売り買い「引けの成り行き」で行う(終値売買)ようです。
一つの銘柄で取引
一つの銘柄に絞ったほうが勝率は高くなります。
決算発表時の動きや米国株・為替との連動など銘柄の癖が分かってくるためです。
銘柄の条件としては、
- ①世界的に実績(シェア)を持っている倒産しずらい銘柄
- ②売買代金が多い(30億を越えている)
- ③信用買い・信用売りができる
- ④値動きがある銘柄(利益が取れなくなる)
特に、注意すべき波乗りトレードができる銘柄の特徴は、次のような銘柄です。
- 制度信用の期限6カ月までに、たいていのポジションが損しないで決済できる
- たとえ個別のポジションが損をしても、トータルでは損しない
実践前に過去データでシミュレーションし、10回練習してみましょう。
もつボジションは5つまで
50万円分一括で買うのではなく、5分割で買う。
要するに50万円(信用取引で3倍の150万円)で、30万円の株を買う。
含み損をロストカットでなく相殺決済で対処
2つ以上のポジションを同時に決済することを「相殺決済」といいます。
具体例は次の通りです。
- 3000円 信用買い(株価が上がると判断)
- 2900円 信用売り(予想に反したので売り)
- 2800円 信用売り(更に下がったので売り増し)
- 2700円 信用買い(ここまで下がれば反発と買い)
- 2700円 信用売り(2800円まで上がり下落。リスク抑えで売り)
これで、5つのポジションがすべて埋まりました。
ここで株価が2800円になりました。
はずれてもよい予想ですが、株価は底を打ったと判断しました。買いポジションを持ちたいところです。
しかしポジションが埋まっているので空ける必要があります。
- 3000円 信用買い(-200円)
- 2900円 信用売り(+100円)→手仕舞い
- 2800円 信用売り(+0円)
- 2700円 信用買い(+100円)
- 2700円 信用売り(-100円)→手仕舞い
プラスマイナス0円でロスカットはしていません。
信用取引の決済期日の2ヶ月前から、そのポジションを相殺決済して消すことを意識しましょう。
含み益と不利なボジション、つまり今の値から一番遠いポジションを全てではなくて少しずつ切り崩しています。
この複数の相殺決済ポイントができる点が波乗り株投資法のキーポイントになります。
要するに、「建玉のくくり方」を変えることにより複数の相殺決済ポイントを作り出すことができ、常に上がっても下がってもいい状態にしています。
買い増し・売り増しのときは株価を離す
3000円の買いポジションを取ったあと、3010円で買いポジションををもつことは、あまり意味がありません。
株価が近いと、2つのポジションをもちながら、実質的には一つのポジションしか持たないことと同じになります。
株価を離す目安は3%以上。これにはリスク管理の意味があります。
具体的な買い方
波乗り投資法をする上で大切なポイントは「最も株価が近い買いポジションと売りポジションの差額」です。
この組み合わせで利益が固定されているセットだと考え、残った3つのポジションを使って利益を増やしていくのが基本的なテクニックです。
そのために現在持っているポジションで「利益がでる株価」を把握することが大事です。
またロスカットをしないので、含み損のまま持ち続けることになります。
まとめ
この「波乗りトレード」はいつ買っても売っても、次の一手でカバーすることは可能です。
とはいえ、筆者は、エントリー時に次のような事を考えながら決めてるようです。
- ①決算発表
- ②米国雇用統計(特に、非農業部門の雇用者数と失業数、毎月、第一金曜日)
- ③日銀金融政策決定会合(毎月1、2回)
- ④FOMC(米連邦公開市場委員会)(年8回、原則6週ごとの火曜日(と水曜日))
- ⑤NYダウ
心理的に5手目は使いたくないので、4手目では「相殺決済」によりポジションを軽くしたくなると思います。
4手目以降では、ポジションを軽くするという「守り」がメインになってくるため、予想が当たらない人は、防戦一方でやや大変かもしれません。
実行者はどんなかんじ?
情報教材が出回っているので、実行されている方のブログも見つかります。
例)株式投資を始めるに当たり、遵守徹底すべき事
- 運用資金=60万円、取引は信用取引を用い、レバレッジは最大(3倍)まで利用する
- 資金を5分割にする
- 取引銘柄は1つ(6752:パナソニック(株))とする。
- 1回の注文に充てる運用資金は最大で36万円までとする。
- 同じ注文を3つを超えては行わない(信用買、信用売のみは最大で3つまで)
- 最後の1分割分の余力は確実に残して置く。
- 1日の取引に関しては特に回数は制限しない(1日に何回注文しても、逆に見送っても良し)が、株の保有期間は制度信用取引で行う為、最長で6ヶ月までとする