親族が1910年代アメリカのサンフランシスコ港に到着し、「サクラメント」や「ルーミス」に移住していたという話は以前の日記で触れました。
住所だけ分かった状態で現地に赴きましたが、現地では何の情報も得られませんでした。
[参考] Japantown Atlas – Northern California – Placer County
当たり前です。何も知らずに行けば何も得られません。
私は単なるファッションとして先祖調査をしてただけです。
徹底的に周辺知識を高めて調査しないと何も見つからないです。それにより「直系の家族の調査」も前進しようとしています。
まず、同じ穴のムジナと思われる方にメールしてみましたが返答は次のようなものでした。
現状、日本へ発送した記録しか情報が無く、私も知りたいと思っていますので逆に教えて欲しいです。
10年間も調査しているようなサイトを持っていたからメールたけど、なんだかな・・・。
先祖調査はライフワークのようなもので、「やれる事を書き出す」とキリがない。
とはいえ「先祖供養」「後世・子孫のため」と大義名分を言ってみても、
先祖調査は個人的趣味・興味以上の何ものでもない
ので、やり方は人それぞれでも良いけど・・・。
自分の調査方法を載せておきます。
Countyから出生記録を取得する
Countyというのはstate(州)の下位の行政区画で「郡」のことです。
アメリカでは郡単位で戸籍情報を管理しています。
日本でも先祖調査する際に「戸籍謄本」や「除籍謄本」を入手するように、アメリカでも同じように行います。
ただし、次のように申請書類が分かれており家族全体が一度に分かるわけではありません。
- Birth Records(出生記録)
- Marriage Records(婚姻届)
- Death Records(死亡記録)
- Grave Records(墓記録)
さらに、調査するにあたり良い面・悪い面もあります。
- 誰でも入手可能(身分証明書は不要)
- 返信用封筒は不要
- 値段は一人につき $28と高い
取り寄せる前に、あれこれ言っても仕方ないので、とりあえず依頼を行いました。
親族の祖母がルーミスで生まれたことが分かっていたので「Placer County」に依頼。
一週間程度で書類が届きました。
分かることは次のようなことです。
- City or Town(住んでいる街)
- Full name of child(子供のフルネーム)
- Date of Birth (誕生日)
- Full name of Father and Mother(両親のフルネーム)
- Color or Race(人種)
- Age at last birthday(両親の年齢)
- Birthplace (両親の出身国)
- Occupation(職業)
- Was a prophylactic for ophthalmia neonatorum Used(新生児眼炎のために予防薬を使ったか?)
- Number of children born to this mother(トータルの子供の数)
- Number of children of this mother now living(一緒に住んでいる子供の数)
- Date(日付)
- Adrees of Physician or Midwife(医者か助産師の病院住所)
先祖の住んでいた場所が知りたいけども、残念ながら病院の住所しか分からない。
とは言え、大正時代くらいまで「自宅でのお産」する女性が多かったので、1924年に出産したのであれば自宅の住所かもしれない。
で、住所を見ると(読めないのでジャーナリスト志望のネイティブに確認してもらう)、、、
RFD 16, Loomis, Calif.
RFDは「地方地区無料郵便配達(rural free delivery)」の事で Califはカルフォルニアのこと。
RFDとは何か・・・とネットで調べると、農村グループ単位での郵便物配達用の住所みたいなものらしい。
1896年から開始されたサービスで、それ以前ではアメリカの農村地帯では郵便物を遠い郵便局まで取りに行く必要があったとのこと。
なんだよ・・・結局、本当の住所は分からないじゃない・・・。
この後、本当に「住所」を知りたい場合は、
- 土地所有権の調査
- 当時の郵送の道順の調査
という事を行うことになります。
どちらも、Placer Countyの Records Officeに平日に行って確認する必要があります。
墓地等の墓参りのために住所を探しているならともかく、単に数年間滞在した場所の調査だからなぁ・・・・。
オンラインから調査する
先祖調査は幾つかを並列で進めた方がよい。大抵、行き詰まりになりヤル気がなくなります。
出生届を待っている間に、オンラインで親族情報の調査を行いました。
日本なら「個人的興味や趣味ではお見せできない」と断れそうな記録も、アメリカではオンラインで閲覧・入手可能です。
- Birth Records(出生記録)
- Marriage Records(婚姻届)
- Death Records(死亡記録)
- Grave Records(墓記録)
- Grave Records(渡航記録)
- World War I Draft Registration Cards(第一次世界大戦登録カード)
- 家の購入・売却情報
- 国勢調査結果
しかも原本のコピーも見れる場合がある。しかも大半が無料!!
出生記録や死亡記録の詳細情報は、既出のCountyから$28払って取得すればよい。
そのために、まず、どこのCountyで生まれたのか調べるのにも非常に役にたつ。
無料で閲覧可能なサイトは幾らでも存在するけど、日本語で分かりやすのは「無料の家族歴史と系図記録」かな。
ここで大まかな情報を入手して、その情報を元に他のサイトでも調査を継続すればよい。
前回の日記で
「直系の父から「高祖父はロスに渡って先生をしていた。曽祖父の妹はロスで生まれた。」と聞かされていた。」
と書いた。
で何気なく直系の調査も行ったところ、この話は若干違うことが分かった。
オンライン上で当時の「渡航記録」が見つかるのが何気に凄い。
1917年に神戸港からサンフランシスコ港に豪華客船「天洋丸」に乗って2週間かけて渡米した・・・などと言うことが分かる。
そして、その年に「第一次世界大戦徴兵登録」をした記録も見つかった。
ここで、「Home Adress」が書いてあるけれど、
P.O Box 524 Penryn, Placer County, CA
と、Placer County(プラサー郡)Penryn(ペンリン)という街だった。
また、曾祖母は1920年に国勢調査を受けていた。その土地もPlacer Countyになっている。
Township 14, Placer, California
ペンリンは、かつて日本人村があったとの事で、「ルーミス・ペンリンの旧日本町で戦前の日本人の足跡を調査する」で足を運んで調査した地域。
「ルーミス」も「ペンリン」も小さな街だけど、当時は日本人が溢れていて「小さな日本」と呼ばれていたようです。
親族の渡米地域は「ルーミス」だったので、何処かで会ったことがあったかもしれない。
親族側も調査するまでは「ロスに渡米した」と聞いていたらしい。
「アメリカに赴任=ロサンゼルス」と思ってしまうのは、何となく今でも一緒だね。。
ちなみに・・・
日本郵船博物館の人の話では乗船簿は「直系なら見ることができるかも・・・」程度で基本的には見ることができないようです。
基本的に日本では「何でも禁止」、でも同じ資料がアメリカでは誰でも閲覧できる。
だから、日本ではGoogleのような会社は生まれるはずがない。アイデア・サービスそのものを出来なくしている。