S&P500投資の統計的真実:7年で74.2%の収益確率を証明(235年間 N=30)

個人投資家の7割は「元本割れでも様子見」の傾向(2024年7月6日)。

個人投資家の7割は「元本割れでも様子見」の傾向 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
2024年1月から新NISA制度がスタートし、「つみたてNISA」「一般NISA」から「つみたて投資枠」「成長投資枠」へ引き継がれ、年間投資額や非課税保有限度額が増加し、非課税保有期間は無期限となった。これにより、長期投資を考える人が増え、...

 

9割の人が元本割れを理解しつつ、長期投資なのでたとえ元本割れしていても、すぐには反応しない。

今のインデックス投資家は覚悟が違うね。

やだ……尊敬♥

 

 

と思っていた丁度 1ヶ月後……史上最大の株価下落。

 
 

 
 

そして、どうなったかというと、

 

オルカンなど主要ファンドから資金が流出(2024年8月7日)。

オルカンなど主要ファンドから資金が流出 7日の投信 - 資産運用・資産形成|QUICK Money World - 株式投資・マーケット・金融情報の総合サイト
国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETF=を除く)は7日、設定額から解約額を差し引いて1609億円の資金流出超過(QUICK資産運用研究所の推計)となった。1000億円以上のまとまった資金流出は、新NISA(少

 
 

大量の手仕舞い発生ww

 

インデックス投資の長期投資では投資してることを忘れる事。

 

と言われているにも関わらず、日々SNS見て一喜一憂して多くの人が守れていないww

 

全ファンドの平均保有期間は長期化傾向をたどっているが、解約者・未解約保有者の平均保有期間は2.7年から2.9年に延びた程度だ。

 

だったら基本的なインデックス投資の知識を身につけて統計学的に正しくで理解することが大事だろう。

統計上は、サンプルサイズ(N)として必要な数は

  • Nが30以上であることを推奨
  • 正確な推定を行う場合はNが100以上であることが望ましい

つまり、長期投資(20年~30年)は確実に儲かる

と言うための推奨値「N=30」を得るには、

 

600年〜900年の株価データが必要

 

という計算になる。

標準偏差に必要なサンプルサイズはいくらか?
"ばらつき"を扱うツール、統計学その中で最も重要な代表値が標準偏差です。しかしながら、『標準偏差を知るために適切なサンプルサイズは?』と言われると実はよく分からないという事、ありませんか?ネットで調べてるとN=30だのN

 

世界初の株式は1553年にイギリスの合資会社「ロシア会社」によって発行された。

この年からのヒストリカルデータを得られても471年分でありN=30には足りない。

 

ましてやS&P500の起源は1923年と浅い。

© 『ニッポン社会のほんとの正体』より

そもそも世界恐慌(1929年)以前からの古い履歴データーを無料で収集できるサイトが非常に少ない。

そんな中、S&P500のヒストリカルデータを手に入れた。

日経平均、S&P500、NASDAQ、オルカンの最長ヒストリカルデータ取得サイト
「長期投資はファンド買ったら気絶しろ」と耳にする。にも関わらず、X(Twitter)上は「素人占いおじさん」で溢れかえっている。リセッションおじさん二番底おじさん騙し上げおじさん最後の逃げ場おじさんもっと...

今回は、そのデータを使ってPythonで実装して確認を行った。

インデックス投資家やプロですら知らない事実。

世界恐慌からの回復期間は?

近年は多くの証券会社が手のひらを返したように投資信託の長期投資を進めている。

過去の実績から見ますと、保有期間5年間では、損をしてしまう(元本割れ)ケースが15%程度であったのに対し、20年保有した場合には損をするケースが0%

【松井証券】投資と上手に付き合うために長期・積立・分散を活用しよう! | 投資信託
「投資と上手に付き合うために長期・積立・分散を活用しよう!」をご紹介します。【松井証券】

 

20年保有した場合には損をするケースが0%

 

金儲けに絡んだ世界には魑魅魍魎ちみもうりょう跳梁跋扈ちょうりょうばっこしているので信じてはいけない。

 

例えば1929年10月24日暗黒の木曜日にニューヨークの株価が暴落し、これを境に株式市場が崩壊した。

 

俗にいう「世界恐慌」

 

この日の株価が戻るために必要だった年数は

 

25年

 

 

株価が戻るには25年かかった。

 

ほらね嘘じゃん。マジで糞。

最長の暴落期間は?

まあ5年程度なら誤差だとポジティブにとらえよう。

ただし最長の暴落期間をS&P500のヒストリカルデータ(月毎)を確認してみると、

 

元本割れを防ぐには「68年」必要

 

という期間も存在した。

  • 開始年月: 1864-02-29, 購入額: 4.58, 終了年月: 1932-05-31, 売却額: 4.47
  • 開始年月: 1864-03-31, 購入額: 4.59, 終了年月: 1932-06-30, 売却額: 4.43

 

 

つまり44歳の私が投資すると最悪112歳まで株価が戻らない……

死んでるわww

N=30となる期間での勝率は何%か?

100年間分の投資年数に対する元本割れをグラフにした結果が次の通り。

 

 

パッと見ても

 

元本割れを防ぐには40年以上の投資期間が必要

 

だと分かる。

 

では、N=30で言えることを探してみよう(統計学的にはサンプル数が30個あることが推奨)。

つまり今回のヒストリカルデータは235年分なので

 

7年間(7×30)投資した際に元本割れがどれだけあるか?

 

は信頼性高いデータとして求められる……はず。

 

7年間投資した場合は

 

25.8%(729回 / 2821ヶ月)

 

の確率で元本割れをする。

言い換えると

 

S&P500に7年投資すれば74.2%の確率で儲かる

おわりに

今後も米国市場が成長し続けるとは断言できない。

 

だから「S&P500だけでは危険」という記事はよく見かける。

「S&P500だけでいい」は危険?投資のプロが2大注意点と運用のポイントを徹底解説 |マネイロメディア|資産運用とお金の情報サイト
マネイロは、30-40代を中心とするはたらく世代のお金の診断・相談サービスです。あなたが将来いくら必要なのか、そのためにどんな投資がオススメなのかを、スマホで簡単に診断。困ったときはお金のプロに無料で相談できます。

 

お前達と比べるなら米国市場の成長の方が信じれるわww

 

今回、235年間のS&P500指標のヒストリカルデータを利用して分かったことは次の通り(一括投資の場合)。

 

  • 長期投資(20年~30年)すれば確実に儲かるは嘘
  • 儲かる確率は74.2%(7年以上の保有が必要)
  • 68年保有しても儲からない事が過去にはある

 

このような条件を提示されたら、あなたは全財産をどれだけ掛けますか?

これが235年間のヒストリカルデータで分かった新事実。

とはいえS&P500がインデックス投資先で最も投資効率が良いことは調査済。

オルカンとS&P500を両方買うべきか?(効率的フロンティアをPython実装)
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