バブル景気
1986年12月から1991年2月までの株式や不動産を中心にした資産の過度な高騰、経済拡大期間を指す
ディスコの広場にて、響くは音楽の調べ 身を包むはボディコン、踊るはジュリ扇ギャル
「CAN’T UNDO THIS !!」や「ランバダ」と共に、魅了の舞を奏でて
© 映画「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」より
一万札を握りしめるサラリーマン 必死にタクシーを捉え、振り払われる者もあり
彼らの姿、都会の金に埋もれた哀しき光景
© 映画「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」より
成田空港近くのホテルにて、乾杯の歓喜が轟く ボジョレーヌーボーを口に、華やかなる宴
銀座や新地のクラブにて、ピンドンの扉が開かれし時 一夜を彩り、忘れがたき夢の彼方へと誘う
© Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督」より
彼らの求めるは、幻想の果てにあるかのような幸福の姿……
日経平均株価、最高値更新!バブル到来!
とブログで語ったら……
発想を変えて下さい。
バブルだから儲かってるだけ
という風ではなく
どうしたらバブルを値動きで定義出来るかを考えるんですよ。
と、コメントを頂いた。
バブルって
「あの時の株価上昇は実はバブルだった」
と株価が急落すると気付けるものじゃないの?
何も知識がないので何か見つかるか……調べてみた。
バブルを値動きで定義出来るか?
分からないのでググった。山崎元氏の記事を見つけた。
益利回り6%に相当するPERは約16.7倍で、益利回りが5%なら20倍になる。これまで米国では、S&P500指数のPERが20倍を超えると、割高だと言われ始めることが多かった。
日経平均が3万円に対する現在のPER(日経新聞予想基準、3月19日現在)は概ね25倍くらいだ。
現状の株価はバブルの領域に「入り始めたくらい」というのが、現時点での筆者の判断だ。
そうかPER!
「PER」により今がバブルなのか確認する
日本のPERの履歴データを入手できる所は「日本取引所グループ(「マーケット情報」→「統計情報(株式関連)」→「その他統計資料」)」。
Excelで1980年からダウンロードが可能。
なんとバブル期のPERは72倍!
それに比べて今のPERは20倍~25倍ぐらい。
現在の株価水準がバブル期に近づいてきたとしても、PER指標の観点からは全く過熱感がないことが分かる。
でもバブル時期でなくてもPERが80倍とか90倍、100倍を超えた期間もあり、なんか信頼できないデータ。
「景気動向指数」で好景気なのか確認する
もう少しデータに納得感が欲しい。
例えば景気動向指数。
景気が「上向き」か「下向き」かという景気の方向性を判定するための指標で内閣府から毎月発表される。
系列 | 主な景気動向指数 |
---|---|
先行系列 | 新設住宅着工床面積、東証株価指数、新規求人数(学卒を除く)など |
一致系列 | 有効求人倍率(学卒を除く)、耐久消費財出荷指数、生産指数(鉱工業)、労働投入量指数など |
遅行系列 | 完全失業率、常用雇用指数、家計消費支出(前年同月比)など |
景気動向指数には、コンポジット・インデックス(CI:景気変化の大きさ)とディフュージョン・インデックス(DI:景気変化の方向)があり、今回はCI指数(Composite Indexes)を使う。
【CI指数の政府の求め方】
- 採用する経済指標を前月と比較する
- 経済指標の変動を基準化して1つの指数に合成する
- 景気の変動のテンポや強さを表す
2020年を100として前月の指数が大きく増えているようであれば景気回復が急ピッチであると判断できる。
内閣府の「統計表一覧:景気動向指数 結果」からExcelで1980年1月から手に入った。
CI指数(Composite Indexes)の一致指数をプロットすると次のようなグラフが描ける。
景気動向指数で判断する限り好景気
これは直感的な「景気」「不景気」と一致している。
2021年から現在はCI指数が100を超えて上がりつつあるため、「◯◯景気」と名前が付いてもオカシクない好景気を迎えている事が分かる。
そもそも「いざなみ(小泉)景気」の時代って、非正規雇用、ワーキングプア、市場原理主義、低金利、円キャリートレード、証券化、レバレッジ、ヘッジファンド、格差社会・勝ち組・負け組、りそな銀行への公的資金注入、郵政民営化、規制緩和、行政改革……
就職活動の氷河期で苦しんだ時代だよ?
日経平均株価もプロットしてみた。
相関係数=0.179
であり相関はない。
1980年~2000年ぐらいまでは相関係数が0.7程度で強い相関があるが、最近20年は株価と景気動向指数は無いに等しい。
【参考】米国株価をPERを使って比較する
S&P500のPERの時系列データーを収集できるサイトはmultpl。
今はPER25を超えており過熱気味。大きな下落しなきゃ良いけど……
心臓に悪い。
おわりに
景気動向指数はシステムトレードの指標として使えるかもしれない。好景気/不景気に基づいて逆張り/順張りの優先度を変えるとか。
株価が好調でテスタ氏(2024年2月16日に100億円達成)、マサニー(2024年3月4日に50億円達成)、その他年収の億トレーダー達……
の話題を毎日聞いてると、感覚が麻痺して僕も何だか金持ちになった気持ちになり贅沢するようになった。
昼と夜の社食費を50円アップ!
これでカレーライス食べる時でも納豆(44円)を付けれるようになった。
僕は100万単位で毎日損したり得したりの状態だけどね……
結論として
- 株高といっても、PER的には過熱感等なく単純にあるべき水準になっただけ
- 企業のEPSは高くなっているので、上場企業は間違いなくバブル期よりも利益は出してる状況
- 当時は、投資主体が個人と日本企業であり、日本株、土地、美術品位しか投資をするものがなかったので殺到しバブルを形成した
- 今回は、海外投資家が売買の主体であり、今の日経平均株価は日本に対する世界の正当な評価
要するに私は「バブル」と「相場の過熱」を混合して使っていた。また同日に日経新聞で同じ話が取り上げられていた。
ソースコード
「日経の指数公式サイト」からもデータを取得した。そのコードを公開しておく。
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import requests from bs4 import BeautifulSoup import csv import functools print = functools.partial(print, flush=True) # ベースURL base_url = "https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/statistics/dataload" # 出力ファイル名 output_file = "output.csv" # CSVファイルを書き込みモードでオープン with open(output_file, 'w', newline='', encoding='utf-8') as csvfile: writer = csv.writer(csvfile) # ヘッダー行を書き込み writer.writerow(['日付', '加重平均', '指数ベース']) # 2004年9月から2023年3月までのデータを取得 for year in range(2004, 2024): for month in range(1, 13): print(f"{year}/{month}") # 年と月を指定してURLを構築 url = f"{base_url}?list=per&year={year}&month={month}" # リクエストを送信してHTMLデータを取得 response = requests.get(url) html_data = response.text # BeautifulSoupを使用してHTMLを解析 soup = BeautifulSoup(html_data, 'html.parser') # 表からデータを取得してCSVに書き込む for row in soup.find_all('tbody')[0].find_all('tr'): cols = row.find_all('td') writer.writerow([cols[0].text.strip(), cols[1].text.strip(), cols[2].text.strip()]) # 終了メッセージ print(f"CSVファイル {output_file} が生成されました。") |