無料システムトレードソフト「Protra」「Omega」を利用している人々は
- 証券コードに英文字が組入れられた
- 接続不調が続くOSDNによりindex.txt(銘柄一覧)がダウンロードできない
などの問題が発生し引退を余儀なくされている。
そんなこんなで、あるシステムトレーダー仲間は新NIISAで大流行中の「インデックス投資(オルカン)」を中心に進めつつFIRE計画中らしい。
あれ?そんなに稼いでたっけ?システムトレードはトントンと聞いてたけど?
僕「今、金融資産はいくらあるの?」
唐突な質問への返答。
2億……
二億……
弐億……
におく……
© ドラえもん/藤子・F・不二雄/小学館
インデックス投資の長期投資で既に利益が400%になっている商品もあるそうだ。
山崎元氏と水瀬ケンイチ氏の『ほったらかし投資術:インデックス運用実践ガイド』の初版が2010年。
だけど、それより前から購入して保持し続けていたとか。
キッカケは橘玲氏の書籍『臆病者のための株入門」。
初版は2006年2月!
2006年に橘玲氏の書籍を読みインデックス投資を始め、2010年の山崎元氏の書籍で自分の正しさを確信する
こうした人達が、現在は億万長者となっている。
僕は2006年に何をしてただろう……と調べて見ると
個別株やって大損してフザケてネタにしてるわww
夜な夜なSkypeで大学時代の同期と繋いで、フィーリングで個別株選んで大損してた時代。
同期は大失敗してFXに転身。更に失敗して真理を追求するためにFX・株関連会社に就職したけど……今は一切投資をやってないらしい。
だから2020年頃まで僕は「投資しないことが真理」だと思ってた節もある(「絶対に損をしない」点では正しいが)。
兎に角、即座に手に入れて読んだので、そのまま重要ポイントを載せておく。
橘玲『臆病者のための株式入門』重要ポイント
あまりに素晴らしかったので、ほぼ一語一句本文から抽出している(順序は逆転している部分もある)。
はじめに
株の入門書を読んでも株のことはわからないのだ。
株の世界にはまったく相容れない考え方が3つぐらいあって、それぞれが好き勝手なことをいっている。
さらに混乱させるのがアナリストとかファンドマネージャーとかいう金融業界のエリートサラリマン集団で、彼らは
投資家を右往左往させて株やファンドを売買させる仕事に精を出している。
こんな魑魅魍魎の世界に迷い込んで、地図を持たずにちゃんと目的地にたどり着くなんてぜったいに無理だ。
株式市場はひとびとの欲望が生み出した巨大な迷宮だ。
万人に正しい投資法(まったく相容れない3つの考え方)
株式市場で富を創造するには、次の3つの代表的な方法がある。
- トレーディング(デイトレードを含む)
- 個別株長期投資(バフェット流投資法)
- インデックスファンド(経済学的にもっとも正しい投資法)
なぜこれらの方法が有効かというと、株式投資が次のようなゲームだからだ。
- 株式投資は確率のゲームである(「ぜったい儲かる方法」はぜったいにない)
- 株式市場はおおむね効率的であるが、わずかな歪みが生じている(その歪みは、有能な投資家によってすぐに発見され、消滅してしまう)
- 資本主義は自己増殖のシステムなので、長期的には市場は拡大し、株価は上昇する(それがいつになるかはわからないが)
ここから、株式投資に「勝つ」合理的な方法はふたつしかないことがわかる。
市場の歪みを利用するか、長期投資で樹から果実が落ちるのを待つか。
どちらが優れているかということはなく、いずれの投資法も資本主義の本質から生まれたものだ。
第6章 経済学的にもっとも正しい投資法
- なぜそうなるかを理解するのは難しい(少なくとも確率と統計についての基礎的な知識が必要になる)
- 「経済学的に正しい投資法」を実践するのはものすごく簡単である
そのため(1)を飛ばして(2)だけにすると、話は一瞬で終わってしまう。
インデックスファンドに投資しなさい。
終わり。
この世に効率的なポートフォリオはたったひとつしかない
ウィリアム・フォーサイス・シャープ(1990年ノーベル賞経済学賞受賞)は、以下の理由で株式市場そのものが唯一絶対の効率的ポートフォリオであると結論づけた。
- すべての投資家が持つポートフォリオを合計すると、市場に存在するすべての株式の時価総額になる
- すべての合理的な投資家は、効率的な市場では同一のポートフォリオを保有している
- となると、投資家が保有するもっとも効率的なポートフォリオは、市場に存在するすべての株式を、市場に存在する割合だけ保有したものになる
ここから数多くのノーベル賞者を排出したファイナンス理論の頂点に君臨する
経済的にもっとも正しい投資法
が完成した。
それはサンダルをつっかけて近所の証券会社に出かけ
「すみません。インデックスファンド10万円分ください」
と注文することなのである。
第8章 ど素人のための投資法
「経済学的にもっとも正しい投資法」とは
世界市場全体に投資すること
なのである。
トーシロ投資法(具体的に何を購入すべきか?)
世界市場ポートフォリオに投資するにあたっては、MSCIワールド・インデックスに直接連動するファンドがないため、
日本市場を除いたMSCIコクサイ・インデックス
と
TOPIX
を85対15の割合で組み合わせることになる。
ただし国内のインデックスファンドは信託報酬が年1%程度と割高で、それが利益の圧迫要因になる。
投資コストをより低くするならば、アメリカ市場のETF(上場型投信)を活用したい。
この場合は
S&P500インデックスに連動するスパイダーズ(SPY)
と
米国以外の主要マーケットのインデックスであるEAFE(EFA)
を50対50で組み合わせることで、世界の主要企業に分散投資できる。
これなら経費率は年0.1~0.3%。
輸出企業と同様に、あまり為替リスクをおそれると、そこからもたらせる収益機会を逃してしまう(経済学ではこれを機会損失という)。
第7章 金融リテラシーが不自由なひとたち(まとめ)
あなたのまわりにも非常識なひとが何人かいるにちがいない。
日々をストレスなく過ごすいちばんの秘訣は、彼らとの遭遇を極力回避することである。
ほんとうに大事なことは、金融機関は教えてくれない。
池に魚がいなくなれば釣りができないように、ネギを背負ったカモがいなくなれば儲けられないからだ。
おわりに
書籍のページをめくるたびに、僕の心は追い詰められ過去の自分の誤りに心が深く沈んだ。
無情にも、僕は巨万の富を手にできたかもしれない機会を逸してしまったことを痛切に感じてしまったから……。
僕は氏の事を全く知らなかった。
調べる限り本名も素顔も公開されていない覆面作家らしい。
ようやく今や常識となったが、既に20年近く前の本に具体的な銘柄含めて記載があったんだね。
ただし「あとがき」の二文が全てを台無しにしちゃってる。
最後にお断りしとくと、私自身はここで述べたような「合理的な投資法」を実践していない。
ひとには、正しくないことをする自由もあるからだ。
2009年に山崎元氏の講演を聞いても世界株投資を信じてなかったから、当時書籍に出会っても実践してない可能性はある。
僕の旅はこれから30年。30年後には僕の人生も終わりそうだが、道はようやく始まったばかりだ……。