国立国会図書館がデジタル化した資料は、国立国会図書館デジタルコレクションに収録して提供されている。
このため、著作権保護期間が満了した資料等は、インターネットを通じて個人のパソコン等から閲覧・ダウンロード可能。
用途は多岐にわたり、過去には画像の中から先祖名を抽出した事もある。
ただインターネットに公開していないデジタル化資料も存在する。
これは、
図書館内のみ閲覧可能
なため、自宅に持ち帰ってゆっくり時間をかけて調べることは難しかった。
が、2022年5月19日に「個人向けデジタル化資料送信サービス」が開始された!
これで先祖調査や語源調査、郷土史調査がより進みやすくなった!
……最近、やる気が無くなってるけどね。
相互貸借・図書館間相互協力って知ってる?
図書館には、所蔵していない図書や雑誌を貸し借りする図書館ネットワークがある。
このネットワークに所属する図書館は、絶版や品切れなどの理由で手に入らない資料の貸出しも受ける事が可能となる。
- 相互貸借制度
- 図書館間相互協力 = Inter Library Loan(ILL)
県内の図書館での貸し借りは無料……だったりするけれど、国会図書館からの貸出は輸送費は実費だったり無料だったりと、図書館によって異なる。
広島に住んでいる時には活用してないけど、都内に引っ越してきて中央図書館が近くにあるおかげで、この制度にはお世話になりっぱなしだ。
図書館向け「デジタル化資料送信サービス」が個人向けにも拡大
本題はこっち。
前述したけど、国立国会図書館のデジタル化のうち「絶版等の理由で入手が困難な資料」を全国の公共図書館・大学図書館等の館内で利用できるサービスがある。
これが、今年に入って利用者のPC、タブレット、スマートフォンなどからインターネット経由で閲覧できるサービスに拡大された。
背景としては、著作権法の一部改正(令和3年法律第52号)があったから。
要するに「国立国会図書館/図書館送信参加館内公開」と書かれていたデジタル書籍は個人のパソコンで読むことが不可能だったが、それが可能になるということ。
これ超朗報じゃん!
申込み方法
閲覧するには「本登録」が必要で、本人確認書類も必要となる。
詳しくはこちら。
私は2022/05/23に申し込みを行った。
申込み完了
登録後、二週間後(2022/06/06)に国会図書館から次のようなメールが届いた。
【国立国会図書館】本登録完了のお知らせ
本登録が完了しました。
来館時の書庫資料の利用、関西館所蔵資料の閲覧予約、取寄せ閲覧、遠隔複写、記事掲載箇所調査、個人向けデジタル化資料送信サービスなど、国立国会図書館のサービス全般を利用できます。
国立国会図書館への入館や館内での各種サービスの利用には、ご来館時に別途カード発行の手続が必要です。本人確認書類と利用者IDをお持ちください。
https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/user/━━━━━━━━━━━━━━━
国立国会図書館 関西館 文献提供課 複写貸出係
で、ID/パスワードを入力した後に1825年に発行された広島(安芸国)の歴史書「芸藩通志」を開いてみた。
おお!
閲覧できるじゃん!!
OCRのサービスも公開されていた
同じく国立国会図書館が2022年4月25日、新たに開発した「NDLOCR」をオープンソースとして公開したらしい。
NDLOCRとは、書籍や雑誌などの画像データから本文のテキストデータを作成できるOCR(光学的文字認識)処理プログラム。
明治~昭和期の独特なレイアウトにも対応しているのが特徴。
古い資料でも本文検索ができるようになる。
これ、以前画像マッチングを使って先祖名を調査していたけど、文字検索でできるようになるって事?
凄すぎる。
まとめ
とうとう、長年待ち望んでいたサービスが作られた。
調べてみると書籍のデジタル化は手作業で大半が外部業者に委託されているらしい。
この活動のおかげで研究が更に加速し歴史的な発見が見つかる可能性が増えると思う。