前回までのあらすじ。
「課題は何か?」
「論点は何か?」
「イシューは何か?」
色々な言い方がありますが、ビジネスシーンで上記の質問された時は
解決すべき真の原因(真因)は何か?
と聞かれています。
つまり、こういうこと。
よし!
我ながら素晴らしいロジックだ!
と、「課題」について15年間自問自答しているえら~い方に私の解釈を伝えました。
多次元問題を二次元の図で表せるはずがない!
イシュー(課題:ISSUE)を質問して、イシュー(一蹴)されました・・・。
今回の内容は「パワーポッター」らしくスライドにまとめた。
前回も書きましたが、言葉の定義は人によって異なります。
このため、組織としての「言葉の定義」を行い、共通認識を持たせる必要があります。
ここで記載している記事は、あくまで我々の言葉の定義です。
チェックリストは作れるかもしれない
ただし、えら~い方が「課題」を定義しようとしている努力を認めてくれ、色々なヒントをもらいました!
チェックリストは作れるかもしれない
※課題であることは分からないが、課題でないことは定義できる
なるほど、ちなみにチェックストの例はどんなものですか?
- 因果関係があるか?
- 筋がよいか? 簡単に解け容易に実行できるか?
- 今までやっていないことか? 新鮮さ、ユニークさ
- 一点投資する際にそれを本当に選ぶか?
- しずる感があるか?
[チェックリスト1] 因果関係があるか?
「XXXに対する因果関係を特定しているかどうか、という感じです。」とのことです。
一例を示します。
【現状】
レストランの売上が減った
【原因】
- 価格が高いので、レストランの売上が減った
- 駐車場がないので、レストランの売上が減った
- 味がマズイので、レストランの売上が減った
- 従業員のサービスが悪いので、レストランの売上が減った
頑張って色々と「原因」を出しました。
これは、筋の良い「原因」のように見えますが、「真因(真の原因)」ではありません。
つまり、ここから「課題」は導けません。
なぜなら、
- 価格が高くても、儲かっているレストランはある
- 駐車場がなくても、儲かっているレストランはある
- 味がマズくても、儲かっているレストランはある
- 従業員のサービスが悪くても、儲かっているレストランはある
ようするに、因果関係がありません。
事実は何で因果関係は何で、持っていきたい話(狙い)は何で・・・
を連立方程式に持っていく・・・・と答えが見えてきます。
[チェックリスト2] 筋がよいか?(簡単に解け容易に実行できるか?)
「それを解くことが上位の課題の解決に繋がるかどうか、という意味です。」とのことです。
・・・・まぁ、なんとなく分かります。
[チェックリスト3] 今までやってないことか?
通常、課題を見出す作業は、なかなか解けなくて困っている問題を対象にします。
なので、今までと同じことが課題なのであれば、その問題は既に解けているはずなので、課題になり得ないという論理で、もはや価値のない課題をはじくためのチェックポイントです。
[チェックリスト4] 一点投資なら、それを本当に選ぶか?
これは、[チェックリスト1]の因果関係とセットで考えると良いです。
因果関係というのは、無数に存在していますが、どの因果関係が急所(ネック)なのかを見出すことで、少なくとも、それさえクリアすれば前に進ませることができる、ということが説明できます。
ほんとに解決しようと思って考え抜いたか?が大事で、あらゆる手を使って解決しようとしていますか?
[チェックリスト5] しずる感があるか?
顧客(風味園)「もっとさぁ、広告にシズル感が欲しいんだよね。」
先輩(佐藤隆太)「おまかせ下さい!」
・・・
先輩(佐藤隆太)「なんだよー!シズル感って!!(怒」
[引用] 映画『劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』(2019年6月21日公開)
「シズル感」とは広告代理店などでよく使われる言葉です。
「シズル感」を単に「瑞々(みずみす)しさ」だと勘違いする人が多いです。
ですが、上記の書籍で、ホイラー氏は「シズル感」の本質を次のように定義しています。
お客さんの視点になってベネフィットを発見すること
要するに、発見のためには他の「チェックリスト」が役立ちそうです。
因みに、課題がなんたるかが分かったうえで、課題としずるの共通性が見えてくると、より理解が深まります。
そもそも、人間がそれを見てなんと感じるか?は人によって違います。
なので、課題とは多次元問題ですが、その次元は調整する必要があります。
「課題らしら」「シズル感」を感覚的に理解する
「課題らしさ」「シズル感」を理解するには、
- 「スイカがスイカらしく見える」とはどういうことか?
- 「台湾が台湾らしい」とはどういうことか?
を理解する事に等しいと言われました。
例えば、台湾であれば「八角?」「におい?」「気温?」・・・・・決定づける「本質」ってなんでしょうか?
残念ながら、私には、その言葉の奥に秘められた「本質」が分かりませんでした・・・。
という事で、「課題」を理解するために、幾つかの質問が出されたので共有します。
ケーキの分け方
【質問】
AさんとBさんの前にケーキが1つある。
2人とも納得するように2つに分けたい。さて、どのように分けたら良いだろうか?
正確に二等分することは課題(本質)ではありません。
大切なのは「二人が納得すること」です。
言い換えれば厳密に二等分されていなくてもよいのです。
どうしたら二人が納得できるか?
というのが解くべき課題です。
【答え】
ジャンケンで勝った方が、好きな大きさに分ける。負けた方は選ぶ。
ドリルを買う人①
【質問】
ドリルを買いに来たお客さまに、各種あるドリルの中から最適な1個を提供するには、
どんな質問をしたら良いだろうか?
これと似た質問を聞いたことがあるかもしれません。
ですが、ここでは「最適な1個を提供すること」が課題です。
【答え】
- 「どんな材質に穴をあけますか? 」(木/コンクリート/鉄)
- 「どれくらいの大きさの穴をあけたいですか?」
- 「電源は近くにありますか?」
- 「誰が使いますか? 」(屈強な男/女性/子供)
- 「数個の穴をあければ良いのですか? それとも毎日多くの穴をあけなければならないのですか?」
こちらの答えを間違った人は、次に出す質問と勘違いしています。
要するに、単なる記憶は経験に頼っており、
課題と問題の理解が足りません
ドリルを買う人②
【質問】
ドリルを買いに来たお客さまに
最適なソリューションを提供するには、どんな質問をすべきだろうか?
答えを知ってる人も多い質問です。
【答え】
「それは何をするための 穴なのですか?」
ドリルを買う人が欲しいのは穴である
1968年 T・レビット博士の著書「マーケティング発想法」
お客さんの視点になってベネフィットを発見すること
が大事という典型的な質問でした。
要点つまり解決すべき課題・問題を正しく理解してはじめて必要なソリューションが見えてきます。
上記の①②の問題は「解くべき課題が変われば施策が異なる」ことを意味しています。
何が大切かを見抜く力= 課題設定が大事
です。
視座と視点
これは課題を見つける・・・ための頭の体操です。
【質問】
トランプ以外は使わずに
3分以内に3段タワーを作ってください
【答え】
トランプは折ってはいけない/切ってはいけないという固定概念を捨てて問題解決できましたか?
課題(本質)にたどり着くには、
- 視野:あまり見ていない方向に眼を向ける
- 視点:切り口を変えてみる
ことが有効です。
まとめ
他社・上司を納得させるには本質の課題解決が重要です。
ただし課題解決には、答えはありません。
10人中過半数が腹落ちする、実現可能な課題を定義できるかどうか?が大事です(課題はメンバー、時期によっても異なります)。
そのために、
- 視野 普段あまり見ていない方向に眼を向ける
- 視座 二つ上のポジションに就いているつもりで仕事をする
- 視点 切り口を変えてみる
を意識しつつ、提案を行い続けてください。
異動となった課長が、最後に皆に送った言葉です。
たった10分の説明のために、土日を費やして考えて、考えて、これ以上考えきれない・・・
と思ったところで、更に考える。
この繰り返しが辛かった。
それだけ考えても指摘されて気づくことも多く、力及ばなかったと反省しています。
このページは、
このような現状を打破しようと、社内に向けにセミナーを開きました時の記事です(主に新社会人向け)。
「なんちゅー説明を新人にしているのか!」
と部門長から怒られたけどね☆(*ノω・*)テヘ