最近の釣り場の人口密度は想像を遥かに超えている。
千葉港中央埠頭(千葉ポートパーク)(千葉市)
7:00頃に訪ねてみると既に密だった。釣る場所が無いので断念して帰ったこともあるわ……
一方で、こちらは地元「広島」。
かつてよく釣りに行っていた「パラダイスの塔」が見えるアクタスの海側「宇品波止場公園」(広島市)
当時釣っていた頃には「手すり」なんて無かった気がする。キレイになったねーー。
で、こっちも密だわ。
ここはあまり釣れなかった記憶しか無いけどね。
潜在需要3,000万人
これは1990年代、あるレジャー産業に対して使われた言葉。
3,000万人といえば、日本人の4人に1人がそのレジャーを楽しんでいた計算となる。
この言葉が使われていたレジャー産業とは
ズバリ「釣り」だ
ただし学校を見回しても4人に1人が釣りをしていたとは到底思えない。
そして今、釣りがブームが再来しており「釣りガール」なる言葉をニュースで幾度となく見聞することがある。
新規記事はこちら。
世はまさに空前絶後の第4次 釣りブーム?
このブログでも18年前に第3次釣りブームを紹介した。
そして今、空前絶後の釣りブームが再来している!……らしい。
コロナ禍で野外レジャーが見直されたらしく、日テレでもニュースとして取り上げていた。
仮に今の釣りブームを「第4次釣りブーム」と名付けるとすれば、次のようにまとめる事ができる。
第1次 | 第2次 | 第3次 | 第4次 | |
---|---|---|---|---|
年代 | 昭和40年代 (1970年) |
昭和50年代 (1980年) |
平成 (1990年) |
令和 (2020年) |
火付け役 | 服部善郎 釣り愛好家 |
釣りキチ三平 釣りバカ日誌 ルアーマン |
女性 木村拓哉 放送・出版 |
YouTuber/SNS 放課後ていぼう日誌 釣りガール |
主な内容 | 釣り愛好家によるブラックバス放流が始まる | 賞金制の「バスプロ・トーナメント」が山梨県河口湖などで始まる | バス釣りブーム肥大化。芸能界や放送・出版などのマスコミ、ゲーム業界を巻き込んだ一大社会現象が起きる | コロナの三密を避けるため、観光も兼ね備えたレジャーとしてファミリー・初心者層で人気 |
が、勝手に「第4次ブーム」と名付けたが本当に「第4次」と呼べるかは分からない。
なぜなら釣り人口は下降の一途を辿っている。
レジャー白書のデータに基づく釣り人口(1984年~2020年)
「レジャー白書2021」が10月4日に発売されたので、過去の書籍・論文も参考にグラフを作成した。
グラフを見る限り、2020年は550万人でピーク(1998年)の3分の1以下まで釣り人口は落ち込んでるじゃん。
確かにコロナになって2019年に釣り人口は20万人増えたっぽいけど、それでも過去の統計と比べると雀の涙だよ。
これでブームって笑っちゃよ。
防波堤での釣り人口は体感的には昨年より多い気がするけどね。
釣りガールは本当に増えたのか?
こうなってくると、釣りガールの存在自体も怪しい。
我々は釣りガールという幻想を見せられているのでは無いのか?
確かにメディアで釣りをする女性を見かけることも多い。
大半がYouTubeやネット・テレビ
であり、リアルで見る事はほぼない。
そもそも「釣りガール」って何だよ?
画像検索して出てきた上位は次のとおり。
こんな女性なんて釣り場で見たことないわww
なんで船の上でライフジャケット付けずにビキニ着て釣りしてるだよww。
最近は女性向けの可愛い釣りグッツも販売されているらしい。
それでも、女性にとって釣りは「4K」そのものだ。
気持ち悪い・臭い・汚い・キツイ
餌付け・撒き餌の匂い・釣り場の汚さ(トイレ事情)・早朝の行動……と嫌な人は嫌だろう。
釣り人の男女比を「レジャー白書」で確認
「釣りガール」という用語は2010年頃から釣り業界やアウトドア市場において登場していた。
たとえば「アングラーズアイドル」選出は今年で11年目なので2010年から開催されている。
テレビ大阪「ザ・フィッシング」の出演者は、2001年の総出演者数は94人で全て男性だったのに対し、2011年では総出演者数93人のうち18人(19%)が女性だった。
また、2010年12月「日経トレンディ」が選定する「2011年ヒット予測ランキング」の4位には「釣女ギア」が入り、女性向けの釣り用品、衣服が2011年の市場にインパクトを与えると予測をしていた。
全く流行らなかったけどねww
「レジャー白書」を確認し、各年の男女比の統計データを作成してみた。結局、図書館に入り浸り……。
女性比率は近年では23%前後をキープしており横ばいだ。
全体的に見れば正の相関(相関係数:0.54)がある……と言える。
ただ、釣り人口が減っている(相関係数-0.64)から、釣りガール人口は毎年減少の一途を辿っているのは紛れもない事実だ。
【参考】
強さ | 関係性 |
---|---|
0~0.3未満 | ほぼ無関係 |
0.3~0.5未満 | 非常に弱い相関 |
0.5~0.7未満 | 相関がある |
0.7~0.9未満 | 強い相関 |
0.9以上 | 非常に強い相関 |
事実︰釣りをする女性数(割合)は増えてない
そんな中、次のような記事を見かけた。
釣り人口に占める女性の割合は、2006年に14.2%だったのに対し、17年は20.4%と増加傾向にある。
これ…嘘は言ってないが、
作為的な都合の良い部分の切り出し
なんで、2006年を選択したんだよww
都合の良いデータ引っ張ってきて説明するんじゃないよ!
釣りガール(10代・20代)の女性比率を確認
先程の女性人数は15歳から75歳まで含んでいた。
「ガール」って、そもそも何歳までを指すのか?
Wikipediaでは
ガール(girl)は「通例9-12歳まで、大きくても15歳以下」とされる
となっているが、30歳未満を「釣りガール」と定義してみよう。
レジャー白書から女性の10代と20代だけ抽出しグラフを書いた結果が、こちら。
2013年からは釣りガールは増えているようには見えるが……。
ただ「釣女」「釣りガール」と言葉ができた2009年頃からは逆に減ってるし、昨年2020年は過去最低の人数となっている。
釣りボーイ(10代、20代の男性)と釣りガールの相関係数も求めてみた。
相関係数0.68なので、正の相関がある。
事実:釣りをする若者の比率は横ばい
そして、釣り人口が増えていない。
因みに、単調に増えている釣り人の年齢層は男性70代だよww(2012年より統計が取られ始めてる)。
我々はマスメディアの作為的な情報に踊られ過ぎだと思う。
まとめ
釣りが盛り上がっているように傍目から見えるが、統計データ上は、釣り人口は増えてはいなかった。
釣り人が増えたと感じる理由は、おそらくツイッターや釣果報告サービス(アングラーズ等)が発達し、
釣れている場所時間に釣り人が群がる
ことが原因じゃないかな?
そもそも
釣り人のマナーの悪さとSOLAS条約によって釣り場は相次ぐ閉鎖
海の汚染による湾岸魚の「ゲオスミン臭」
の状態で、釣り客が増え続けるはずがない。
釣り場所も年々減っているのだから、そりゃ混雑するよね。
そして、インフルエンサーや釣りガールよりも子どもを囲い込む。
それが釣りのレジャーを未来に残すための解だと思う。
今回作成したグラフのデータ
各年代のレジャー白書を読みながらCSV化にした。