システムトレードのために定期的にファンダメンタルズ指標を取得

J-Quants データ分析コンペではファンダメンタルズ指標を使った機械学習による株式売買が行われていた。

J-Quants データ分析コンペ上位者が利用した株式特徴量まとめ
おれの財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ探してみろこの世の全てをそこに置いてきた世は大海賊時代を迎える……© ONE PIECE/尾田栄一郎/集英社/東映アニメーション...

株価は、過去の実績よりも将来の業績を織り込んで動くことが多いので当然必要な指標だと思う。

以前、ファンド務めのプロのシステムトレーダーにヒントを頂き、信用倍率を株価上にマッピングしてみた事がある。

 

週の信用倍率(需給)の欠損値処理を行い株価と比較分析する
千葉県知事選が話題になっている。前千葉市長の熊谷氏とは子供の学校同じなんだよな……。運動会などで見かける事があるんだけど、とした姿を見るたびに、自分のちっぽけさに嫌気が指し...

 

企業業績や財務内容

に注目することで、

今の株価は割高か?割安か?

などを見ていくのがファンダメンタルズ分析。

 

そして、ファンダメンタル指標を使ったシステムトレードも増えつつある。

たとえばニッパー氏の記事。

ニッパーのシステムトレード研究所 : [勝率高すぎ]KABU+ × バフェット・コード × イザナミ最強伝説

2017年からのバックテストで「取引回数:397回、勝率:77.33%、期待値:9.24%」程度になったと書かれている。

グレアム銘柄は

「PER≦15倍」「PBR≦1.5倍」「PER×PBR≦22.5倍」「ROE≧12%」「自己資本比率≧50%」

で選定された銘柄を指す。

優良小型株の銘柄は

「時価総額≦100億円」「自己資本比率≧60%」「PER(会予)≦30倍」「ROE≧12%」

で選定された銘柄を指す。

テクニカルな指標で売買銘柄を絞った上で、このようなファンダメンタルズ指標により購入判断を行えば、期待値が上がるのでは?

何はともあれ過去含めたファンダメンタルズ指標をどこかで手に入れないといけない。

 

個別銘柄の決算日、営業利益、PER、PBR といったファンダメンタルデータを入手するには「Kabu+」が便利らしい。

でも有料。

 

そもそもファンダメンタルズ指標って毎日公開されて無料なんだよね。

あれ?だったら毎日 保存すれば良いんじゃない?

要するにファンダメンタル指標のスクレイピングするってことだ。

スクレイピング禁止時代……どうする?

Yahoo!ファイナンスのサイト仕様が、2021年3月16日(火)から変更され、信用倍率のスクレイピングが出来なくなった。

そもそもYahoo!ファイナンスでのスクレイピングは禁止行為だしね。

 


 

WebページがスクレイピングOKか確認するには、robots.txtをチェックする。

robots.txtとは、ページのコンテンツをスクレイピングされないようにするファイルのこと。

robots.txtの内容がAllowの場合、スクレイピングが許可されている。

robots.txtの内容がDisallowの場合、ツールなどを使ったアクセスを禁止している。

 

命令 説明
User-agent 命令を与えるクローラーを「ユーザーエージェント」を使って指定する
Disallow クロールをブロックするディレクトリやページを記入する
Allow クロールを許可するディレクトリやページを記入する(基本的に使用しない)
Sitemap sitemap.xmlのURLを記入する事で、sitemapの場所をクローラーに知らせる
スクロールできます

例えば、株探のrobots.txtにアクセスして確認したところ、Disallowは特定のフォルダだけだった。

User-agent: *

Sitemap: https://kabutan.jp/sitemap-index.xml

Disallow: /94446337/

なら、パースしてファンダメンタルズデータが取得可能だ!

トヨタ自動車(トヨタ)【7203】株の基本情報|株探(かぶたん)
トヨタ自動車(トヨタ)【7203】の基本情報。株価四本値、出来高、売買代金、VWAP、約定回数、時価総額などの株価情報、会社概要、ヒストリカルPER、過去3年平均PER、株価トレンド、移動平均からのカイリ率、信用取引残高、業績推移の早見表、業種、投資テーマを記載しています。

 

PER,PBR,利回り,信用倍率,時価総額

 

無事、取得完了!

代表的なファンダメンタルズ指標

以前「バリュー投資家」の一般的な手法を一覧にしたことがある。

「バリュー投資」を実例(大平洋金属 5541)で学ぶ
前回「ファンダメンタル分析「バリュー投資」の入門」をまとめた。簡単に説明すると、次のようなスクリーニングが「バリュー投資」の一歩とのこと。株価から「グレアムのミックス係数」を確認決算短信で「ネットネット株」か確認...

今回の取得したファンダメンタルズの指標と、それから作り出せる指標を確認してみる。

PER(株価収益率:Price Earning Ratio)とは

株計算式は以下のとおり。

 
 

PER = 時価総額 ÷ 純利益

もしくは

PER = 株価 ÷ 一株当たり利益(EPS)

で算出

 
 

PERは取得しているのでEPSを求める事が可能だ。

また時価総額も取得しているので、純利益も求まる。

EPS(1株当たり利益:Earnings Per Share)

当期純利益を発行済み株式数で割って求める。

 
 

EPS(円) = 当期純利益 ÷ 発行済株式総数

もしくは

EPS= 株価 ÷ PER

 
 

EPSが上がれば株価も上がり、EPSが下がれば株価も下がる。

純利益が求まっているので、発行済株式総数も分かる。

PBR(株価純資産倍率:Price BooK-Value Ratio)とは

企業が保有する純資産の何倍の価格で株が取引きされているかを示している。

 

PBR=株価÷1株当たりの純資産

 

PBRは手に入っているので、ここから1株当たりの純資産が分かる。

ROE(自己資本利益率:Return On Equity)とは

一般に、ROEが高い企業の株価は上昇しやすいと言われる。

 

ROE = PBR ÷ PER

もしくは

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本

 

純利益が求まっているので、自己資本が求まる。

PBR・PREと株価の相関関係

期間は短いもののグラフ化することができた。

そしてパッと見る限り、株価とPBRには相関があるように見える。

  始値 PBR
始値 1 0
PBR 0.807674 1
スクロールできます

この結果は強い相関があると言ってよいだろう。

続いてPRE。

  始値 PRE
始値 1 0
PRE -0.622583 1
スクロールできます

こちらも相関はあると言えなくもない。

  • 0~0.3未満:ほぼ無関係
  • 0.3~0.5未満:非常に弱い相関
  • 0.5~0.7未満:相関がある
  • 0.7~0.9未満:強い相関
  • 0.9以上:非常に強い相関

 
 

と検討したことがあるが

株価で乗除しているから当たり前

 
 

この相関検討には意味がなかった……

まとめ「PER、PBR投資は有効か?」

ファンダメンタルズ指標が十分に貯まるまでに、何か知る方法が無いかとググって見つけた情報。

「日経マネー」という投資雑誌の2019年7月に次のようなタイトルの記事があった。

 

PER、PBRの正しい使い方

 

低PER、低PBR投資の効果は09年以降、低下

 

システムトレードを2009年ぐらいから、どちらの指標も有効性が薄れているらしい。

利用する前から絶望的……

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