自分と同じ干支の肉は共食いだから食べない?は誰が言い出したか?

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相方の母親と祖母は

 

鶏肉を食べない

 

どうやら自分の干支が酉年だから、食べると共食いになるから食べないらしい……

 

だったら、丑年だったら牛食べないの?

 

共食いなんて自然の理。至極当然の道理でしょ?

 

よく分からない理論だよね?

名古屋コーチンとか手羽先とか、チキン南蛮とか食べれないって可哀想。

鶏肉ってコラーゲン含まれていて、むしろ肌にも良いよね。

誰だよ言い出したヤツは?

ネットで調べると、同じようなことをいう人は一定数いるようだった……。

でも誰も出典を知らない。

出典も知らず食べないって、すぐ人に騙されそうだよね、意味不明。

なお酉年の場合、共食いが駄目なのに卵は良いらしいよ。独自ルールじゃん。

 

戦時中とか食べるものが無い時代もあったのに、体質的な問題でない偏食はマジ糞。

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3世紀の漢方原本「金匱要略」に記載を発見

今回も調べました。ここまで辿り着くのに時間はかかったが出典は中国の書籍

 

金匱要略きんきようりゃく

 

原著・張仲景ちょうちゅうけい(3世紀)

 

金匱要略きんきようりゃく」は別名「金匱玉函要略方論きんきぎょくかんようりゃくほうろん」とも言われる。

元来は後漢の張儀(張仲景)が書いた「傷寒雑病論しょうかんざつびょうろん」の一部(「雑病」部)。

内科・外科・分類不可の病気・方剤・婦人病・救急法及び食物禁忌について書かれている。

張儀(張仲景)は建安の頃(196年 – 220年)、江南長沙の地方長官をしていた人物。
流行病のために一族含めた村人200人の2/3を失い、人々を救うために古来の経験方を集成して、医書を編成した。

 

「傷寒論」の姉妹編といわれる本書に記載された内容は、日本の漢方で最も使用頻度の高い古典といわれているらしい。

 

で「金匱要略きんきようりゃく」の

「禽獸魚蟲禁忌并治第二十四(第二十四章 禽獣魚蟲の禁忌と治療)」

という章に次のように記載されている。

凡飮食滋味.以養於生.食之有妨.反能爲害.自非服藥煉液.焉能不飮食乎.
切見時人.不閑調攝.疾疢競起.若不因食而生.苟全其生.須知切忌者矣.
所食之味.有與病相宜.有與身爲害.若得宜則益體.害則成疾.以此致危.例皆難療.
凡煮藥飮汁.以解毒者.雖云救急.不可熱飮.諸毒病得熱更甚.宜冷飮之.
肝病禁辛.心病禁鹹.脾病禁酸.肺病禁苦.腎病禁甘.春不食肝.夏不食心.秋不食肺.冬不食腎.四季不食脾.辯曰.春不食肝者.爲肝氣王.脾氣敗.若食肝則又補肝.脾氣敗尤甚.不可救.又肝王之時.不可以死氣入肝.恐傷魂也.
若非王時即虚.以肝補之佳.餘藏準此.
凡肝臟自不可輕噉.自死者彌甚.
凡心皆爲神識所舍.勿食之.使人來生復其報對矣.
凡肉及肝.落地不著塵土者.不可食之.
猪肉落水浮者.不可食.
諸肉及魚.若狗不食.鳥不啄者.不可食.
諸肉不乾.火炙不動.見水自動者.不可食之.
肉中有如朱點者.不可食之.
六畜肉.熱血不斷者.不可食之.
父母及身本命肉.食之令人神魂不安.
食肥肉及熱羮.不得飮冷水.
諸五藏及魚.投地塵土不汚者.不可食之.
穢飯餒肉臭魚.食之皆傷人.
自死肉口閉者.不可食之.
六畜自死皆疫死.則有毒.不可食之.
獸自死北首.及伏地者.食之殺人.
食生肉.飽飮乳.變成白蟲.
疫死牛肉.食之令病洞下.亦致堅積.宜利藥下之.
脯藏米甕中有毒.及經夏食之.發腎病.

 

こんなのをゼロから読むことに何の魅力も感じてない。

僕は現代技術というチートを使う。

 

そもそも「金匱要略 : 全訳」(著者:張仲景 著、丸山清康 訳註、出版者:明徳出版社、出版年月日:1967)という本がある。

その現代語訳を引用する。

国立国会図書館デジタルコレクション

大事な一文はこれ。

 

父母及身本命肉ふぼ および、しんほんめいのにくは 食之令人神魂不安これをくらへば、ひとをしてしんこんやすからざらしむ

 

現代語訳は次のようになる。

 

すべての肉と肝臓との、地に落としして土の著かぬものは、これを食べてはならぬ。
猪の肉の、水に落として浮ぶものは、食べてはならぬ。
すべての肉類と魚との、もし犬が食わず、鳥がついばまぬものは、食べてはならぬ。
すべての肉類が乾かず、火に炙って動かず、水にあって自ら動くものは、食べてはならぬ。
肉の中に赤い点のようなもののあるのは、これを食べてはならぬ。
六畜(馬、牛、羊、豚、犬、雉)の肉で、熱い血がえぬものは、これを食べてはならぬ。
父母と自分の本命にあたるものの肉は、これを食うと、人の心を落付かなくさせる。
肥えた肉と熱いコウを食べたあとは、冷水を飲むのはよくない。
すべて(獣類の)内臓と魚とは地に投げて土のつかぬものは、これを食べてはならぬ。
よごれた飯、すえた肉、臭気のある魚は、これを食べると皆人を痛ませる。
屠殺とさつでなく)自ら死んだ獣魚で、口を閉じているものの肉は、これを食べてはならぬ。
六畜が自ずから死ぬのは、皆病死である。すなわち毒があるゆえ、これを食べてはならぬ。
獣が自死し、頭を北に向けて倒れているもの、それと地に伏したものとは、これを食うとその人は死ぬ。
生肉を腹一杯食べて乳汁を呑むと、それが変じて(腹中に)白虫を生ずる。

※ 本命、生まれた年の干支。例、丑年生まれは牛の肉を食わぬ。

全体の内容としては冷蔵庫のない時代、腐った肉やカビの生えた肉を食べるのは普通だけど、何を何処までは食べても良いのかを丁寧に記載している。

肝心の干支の肉に関しては……

 

 

自分の両親、及び自分の干支の肉を食べると、イライラしたり落ち着かなくなったり 気持ちが安定しなくなる

 

 

と書かれている。

 

他の項目を見ると「生で食べる、腐ったものを食べると腹を壊したり死ぬ」と書かれている。

ここだけ精神的な症状じゃない?

そして自分どころか、自分の両親の干支の肉も駄目らしい……

これ、禁忌として守ってる皆さんは知ってるのかな?

そもそも西洋では干支はあるの?干支の歴史

干支はすでに商(殷)代に現れており、中国発祥のアジア独特の文化である。

 

十二支に対して十二獣を充当することは秦代にも見られるが、文献における初出は後漢代から。

 

 

東洋には日本や中国以外にも干支はある。

国、地域、民族
中国 山羊
台湾 山羊
日本
韓国
タイ 牛/水牛 ナーガ 山羊
ベトナム 牛/水牛 山羊
タイー族
(ベトナム)
水牛 ナーガ 山羊
クメール人
(カンボジア)
水牛 ナーガ 山羊
チャム族
(カンボジア/ベトナム)
水牛 山羊
マレー人
(マレーシア/シンガポール/インドネシア等)
マメジカ ナーガ 山羊
タイ・ルー族
(中国/ラオス/タイ)
山羊
グルン族
(ネパール)
山羊 鹿
モンゴル
モンゴル民族 ヒョウ ワニ
チベット民族 牛/象 山羊 鳥/ガルダ
カザフ人
(カザフスタン/中国)
ヒョウ カタツムリ 山羊
ブルガリア民族
(ブルガリア)
虎/狼 山羊
チュルク系民族
(中央アジア/西アジア等)
ラクダ ヒョウ 魚/ワニ 山羊 ハリネズミ
ペルシア人
(イラン)
シーサーペント/クジラ/ワニ 山羊

おそらくシルクロードを渡り広まったのだろう。

 

この辺りの深堀りは必要に応じて、また今度実施する。

おわりに

調べてみたら、古代中国の医者が知識を集めた医学書が出典だった。

当時は干支の十二支も中国本土に広まり、「共食い」に抵抗がある人が一定数いたのかもしれない。

同じく、現代でも「共食い」ということに抵抗がある人、気持ち悪る感じる人が一定数いる。

そういった意味では理にかなっている。

 

病は気から

 

という言葉のとおり、

 

父母、自分の干支を食べる事に抵抗ある人は体の具合を悪くするかもしれないから、食べなきゃ良いよ。

 

と教えてくれている。

ただし他人に強要すべき内容ではない。

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