「英語が得意」と胸を張って答える人は日本人には多くない。
EFという教育機関が2022年に発表した「英語を母国語としない人の英語力ランキング」を見ても、周辺諸国と比較して日本人の英語コンプレックスがよく分かる。
でも、そもそも「英語が得意」ってどゆこと?
「日本語が話せます」は分かるけど「日本語が得意ではない」って言い方は変じゃない?
英語なんて言葉!やれば誰だってできる!
アメリカに長年住んでたら浮浪者やフリーターだって話せてるよ!
って思うよね?
10年アメリカに住んでいても「チャイナタウン」に住んでるようなシニアの中国人はマジで全く聞き取れず話せない。
そして確かにアメリカのネイティブならGoogleの社員だって浮浪者だって英語は話せる。
が、優秀でない社員や学がないネイティブの会話は日本人以上に話の趣旨が分かりにくく、こちらの質問にも的外れな返答のためにイライラする。
大事なのは「話す内容に対するスキル(論理展開と課題解決)」
アメリカ帰任後も日々の仕事の半分が英語を使う仕事だ。でも語学力は全く伸びた気がしない。
ただし度胸だけはついた。
以前は「英語の議論」というだけで、恐ろしさのあまり「靴の裏を舐めてでも話しかけないで」と思うほど、とりみだしていた事もあったけどね。
© 幽☆遊☆白書/冨樫義博/集英社
僕と英語教材の軌跡
昭和・平成時代の教育は単なる「詰め込み型の英語学習」だった。
にも関わらず、就職時にはTOEICスコアが必要だったり、そもそも入社時に社長が外国人になったからね。
そのために多くの英語教材に手を出してきた。
結果は前述通り リスニング・スピーキング力は全く身につくことは無かった……。
試した教材は数多く、中には
何それ!インチキ!
© 藤子・F・不二雄/「チンプイ」第一話/中央公論社
と言いたいものが沢山ある。
今回と次回で有名なものを幾つか紹介。
スピードラーニングを試してみる
この教材は有名だから知ってる人は多いと思う。
「1回5分から、聞き流しで英会話が学べます」
新聞やテレビ、ラジオなどで多くの広告を出稿してたし、プロゴルファーの石川遼氏や女優の米倉涼子氏を愛用者として起用してたからね。
僕はこの教材を大学院生時代から社会人になってからも続けた。
寝ている間も流し続けた。
更には、就職活動中の夜間バスの中でも聞き続けた。
内容はクラシック音楽をBGMにして、英語⇒日本語を切り替えながら日常会話から結婚や伝統行事、最後辺りには仏教等の宗教会話などが展開される内容になっている。
試した結果どうなったか?
さすがに、これだけ聞いたら多少は頭に残るよ……
英語の構文が。
って思うよね?
この教材、
日本語⇒英語
の順番に文が読まれるとは前述したが、日本人の方が音量が大きく声優も上手だったので、頭に残ったのは
日本語の文章
幾つかの文章はそらで言える。全部日本語だけどね。
もしかしたから英語も日本語も音量は同じなのかもしれない。
そして外国人の声優も表現豊かだったのかもしれない。
でも、英語の分からない僕達が聞いてるんだよ……
因みに同じクレームが多かったのか、後に日本語無し版もリリースされた。
僕は今度は その教材を使い続けた。
その結果、一時期は「G線上のアリア(1巻、8巻、15巻で利用されてる)」を聴くと
就職活動の夜間バスや辛かった思い出・トラウマが蘇り、
吐き気がする
ようになっていた……。
この教材はBGMにクラシック音楽が流れる。
英語とクラシックを聞き続けた結果、
今度はクラシックだけが頭に残り続ける
結果となった。
それでも聞き流すだけなので10年間ぐらい毎日5時間ぐらい聞き流していた。
でも英語が身につくことは全く無かった……。
断言する。
聞き流しで頭に残ることは絶対ない。
同じ事をアラビア語とかでやってみたらよいよ。
単なる呪文でしかないから、頭には「ゴニョゴニョ」としか残らない。
そもそも外国語に対する基礎力が足りないんだから。
そんな1989年から発売していたスピードラーニングだけど、「諸般の事情」で2021年8月31日で終了。
広告の出しすぎで儲けが出なかったとか。
因みに、女優の米倉涼子氏は母親が英語の教師とか帰国子女とか噂もあるし、スピードラーニングで英語力アップした訳では無い。
英会話スクール「NOVA」に通ってみた
社会人になり200万円以上の授業料を払って本気で取り組もうとしたのがNOVA。
いっぱい聞けて、いっぱいしゃべれる
って思うよね?
結果、
対面授業の予約は取れず、オンライン教材を買わされ、
講師陣はストライキ、
NOVAは倒産し、
僕は授業をほとんど受けることなく、
200万円は返金も無く消えていった……。
そして、関東でトップ(全国で5番目)の
損失王
に輝いた。
(By NOVAの受付嬢)
全く 笑えない話だから!!!
この辺りの話は過去の日記で詳しい。
まだ家に大量の未使用教材があるわ、くそったれ!!
おわりに
英語教材や英語教室って、なんか怪しさマックスなものが多い。
ビジネスで使う英単語は限られている。
特にIT業務の専門用語はそもそも英語だったりするので、エンジニア力さえ高めれば英語での議論は困ることは減るはずだ。
あとは度胸。
日本人は「英語できる人」を崇高だと思いがちだけど、台湾出張した時には店員の多くには日本語も英語も全く通じず
Google翻訳が最強
だったからね。英語が全てじゃない。
そして、海外赴任を希望して現実を見たほうがよいよ。
海外は日本以上に貧富の差が激しい。
学が無い人も多く、底辺の人が話す英語は言い訳や遠回り過ぎて何言いたいか分からない。
話す中身が全て。ビジネスにおいては遠回しな英語表現とか全く不要。
つづく。