ヴィーガンは魚を食べない。
魚を食べない理由は「環境破壊を防ぐ」ため。
要するに底引き網漁は巨大な網で海底を引きずる。
もうひとつは「飼育施設の倫理的問題」。
要するに人間に食べられる為に飼われることの残酷性
だったら、自分で素潜りして捕まえればエエんちゃうの?
そもそも縄文時代から、やってる事じゃん!!
魚同士だって食べあって生きてるよ?
あんたらは、何万年もかけて進化の中で生み出された生物の食物連鎖から目を背けて、良い部分だけしか見ようとしない偽善者だよ!!
とアメリカ・カルフォルニアに住んでた時代に、ネイティブのヴィーガンと言い争った事があった。
でも、彼らなりの思想があり彼らなりの手段で社会に必死に抵抗しているのだ。
そこに対して第三者が文句言うべきじゃなかったな・・・・と今では思う。
そして、その時に一つ納得できる主張もあった。
ヴィーガンが魚を食べない理由は化学物質を大量に含んでいるから。
要するに、自分の身体を守るため、化学物質に汚染された海に住んでいる魚は食さない。
今、海の汚染が深刻な問題になっている。
その元凶が「マイクロプラスチック」。
ポイ捨てされたプラスチックごみが、風や雨によって川に入り、海に流れ込んで小さな破片のことをさす。
他にも、肉眼で分らないダイオキシン、PCB、重金属などで今や海は汚染物だ。
今更だが「SDGs(エスディージーズ)=Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」という国際社会の目標(2015年9月採択)がある。
その中に
14 海の豊かさを守ろう
というものがあり、更に10個のターゲットが掲げられている。
その一つ。
14.1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。
このままでは、
海のプラスチックの量は、2050年までには魚の量を 上回る
と言われており、今や一刻を争うほど非常に深刻な状態なのだ。
以前、海の汚染状況から魚を食するべきかを検討した。
今回は、ダイオキシン、PCB、重金属などの観点から調査していく・・・つもりだったが・・・。
調べれば調べるほど悲観的な気持ちになってきたので、概要レベルだけ記載しておく。
マイクロプラスチック問題とは何か?
実は2,3年前に知った問題で、それまで全く知らなかった。
海で捨てられたプラスチックゴミを魚が食べて、その魚を私たちが食べる。
このような食物連鎖が人体にも悪影響を及ぼしていることを知っているだろうか
[引用]知らずに「魚」と「プラスチック」を食べ続ける愚かな人間たち
以前、長浦港の釣り状況を散策したことがあったが、防波堤のゴミ状況見て鳥肌が立ったのを覚えている。
5mm以下の微細なプラスチックごみになると「マイクロプラスチック」と呼ばれる。
そして、それらはもともとはペットボトルやレジ袋などのプラスチック製品などであり、長い年月をかけて太陽光による熱や紫外線、海洋での波の力などの影響で小片化、細分化されることでマイクロプラスチックとなる。
ベルギーのゲント大学の研究によると、魚介類を食べるヨーロッパ人は年間に1100個ものマイクロプラスチックを食べているそうだ。
もちろん日本人も例外ではない。
日本人を含む世界8か国の便からプラスチックを検出
by オーストリアの研究グループ
1週間に1人平均5gのプラスチックを体にとり入れている
by WWF(世界自然保護基金)
そして、水質ワースト爆進中の「東京湾」。
「東京湾は綺麗になった」アピールをテレビ「Dash海岸」でしているが昭和50年代と比べているだけの妄想だ。
であれば、東京湾の魚がマイクロプラスチックを保有している事は想像に難くない。
京農工大の高田秀重教授らのチームは2015年8月、東京湾で捕ったカタクチイワシ64匹の消化管を調べた。この結果、49匹から計150個のマイクロプラスチックを検出し、0.1~1ミリの大きさのものが約8割を占めた。
えーー!!
カタクチイワシのような表面を泳いで寿命の短い小魚も検出されるのーーー?
やばいよやばいよ~
プラスチックの排出量は、中国やインドネシアなどが圧倒的に多い。
だが人口比で計算すると、悪いのはアメリカや日本、ヨーロッパ諸国など先進国だ。
人間は、自分で捨てたゴミを、自分で食べる羽目になってしまった・・・・。
なんとも皮肉な話だ。
海を汚してきた、そのツケが遂に自分たちに戻ってきのだ・・・。
マイクロプラスチックを食べると人間はどうなるの?
プラスチックを食べた動物に悪影響が及ぶことはわかっている。
海鳥の場合、栄養失調に陥ったり脂肪に有害物質が濃縮されていたりいるのだ。
でも、マイクロプラスチックが人間にどのような影響を与えているかはまだ完全にはわかっていない。
劇症型の症状が出ることはないかもしれない。
でも、知らず知らずの間に人体に影響が出ているかもしれない。
さらに、摂取した本人はなんともなくても、産まれてきた子どもに異常が見つかるかもしれない。
実際に研究結果がある。
母親のマウスにビスフェノールAを一定期間、曝露させる実験で、母親には異常はなかったが、産まれてきた子どものマウスに過度な攻撃性など、脳神経系の異常に起因する行動が確認された
Effects of maternal or paternal bisphenol A exposure on offspring behavior, Erin P Harris,2018 May
さらに問題がある。
海水中に漂うマイクロプラスチックから次のような環境ホルモンが検出されているようだ。
残留性有機汚染物質 | 使われた製品 | 及ぼす影響 |
---|---|---|
PCB(ポリ塩化ビフェニル) | 工業・家電製品、インクなどの溶剤 | 発がん性、免疫機能低下、知能への影響 |
ダイオキシン | 除草剤、ごみの焼却後の灰 | 発がん性、免疫機能低下、生殖機能障がい |
DDT(DDE) | 殺虫剤(マラリアなど)、農薬 | 発がん性、動物における奇形 |
ディルドリン | 農薬、殺虫剤、シロアリ駆除剤 | 発がん性、中枢・抹消神経系への影響 |
ノニルフェノール、オクチルフェノール | 洗剤などの界面活性剤、プラスチックの添加剤 | 内分泌かく乱作用全般 |
ビスフェノールA | プラスチックの原料および添加剤 | 胎児、乳幼児の発達・発育異常 |
え?なんで??
マイクロプラスチックはPCB(ポリ塩化ビフェニル)などの有害な物質を吸着する性質があるため。
えーーーーー!!
まじかよ・・・・。
ダイオキシン
世界中で排出されるダイオキシンの約半分を日本一国が排出している。
ここで言うダイオキシン類とは、次の3種類を示す。
- ポリ塩化パラジベンゾダイオキシン(PCDD)
- ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)
- コプラナーPCB
排ガス、焼却灰、飛灰、排水を問わず焼却炉から排出されるダイオキシン類は、大気、土壌、水路などを通じ、最終的に河川そして海に流れ込む。
こうして魚介類に吸収、濃縮され蓄積されることになる。
その結果、東京湾などの内湾に生息する近海魚介類に、ダイオキシン類、PCB、重金属類などの有害化学物質が蓄積される。
ダイオキシンが肉などの脂肪に蓄積され、脂肪分の多い食事をする人は、がんになる危険性がこれまでの推定より10倍高い
米環境保護局(EPA)の報告書案によると次のように書いてある。
- (1)省庁、東京都の調査結果を見ると、一部を除き平均濃度で、すでに米国環境保護庁(EPA)の魚類摂取の警報指針値を超えていること、
- (2)東京湾、大阪湾のような内湾の魚類、スズキ、ボラ、コノシロなどの近海、沿岸魚類の濃度が著しく高いこと、
- (3)瀬戸内海などの半閉鎖性水域の魚類、たとえばタチウオ、ボラ、クロダイなどの近海、沿岸魚類の濃度が高いこと、
- (4)アナゴやウナギのように湾内や汽水域の底に棲む魚類の濃度が高いこと、
- (5)さらに 食物連鎖の上位にある遠洋のクロマグロ類が高いこと
コノシロ、ボラ、スズキ、クロダイ、アナゴ・・・・って、思いっきりメインの釣りのターゲットだよ。
死にしたくない・・・・。
塩化ビフェニル(PCB)
塩化ビフェニル(PCB)は体内に残留する有害物質。
長期的な摂取により脂肪に蓄積されて、皮膚障害、肝障害、浮腫、視力低下、手足のしびれなどを引き起こすといわれている。
で、ヨーロッパ諸国が圧倒的に検出率が高いが日本も高い。
こう見ると、ヨーロッパ諸国で魚食えたもんじゃないな。
地中海とか汚染の宝庫な気がする・・・・。
まとめ
せめて、次のルールを守ろう。
- 内蔵は必ず取り除いて食べないこと(ハゼやカレイ、白身魚ではダイオキシンが内蔵にくっついている脂に蓄積する)
- 障害のある魚は食べない(ヒレやエラのできものや、背中がへんに曲がっている魚は即海に戻す、又魚を捌いて身の中や中骨につぶつぶしているものとか、へんな色している筋肉のものは食べない)
- 料理して魚を口にする時に強烈な化学物質や石油の匂いをする魚は食べるのをやめる。特に湾奥のクロメバル
それにしても、近海の魚ヤバいな・・・・。
外洋のマグロなどは水銀含有量が問題になっているが・・・。