うねり取り手法の神髄(板垣浩氏編)

林輝太郎氏・立花義正氏・板垣浩氏は、正統派ともいうべき相場師達です。

以前、うねり取りの概要としてまとめましたが、詳細を確認していきます。

板垣浩氏の書籍に世界共通の売買技術の基本の身に付け方(第5部10章)が記載されています。

前提として、

  • 売買(波乗り)の実行力をつける
  • 堅実な利益を重ねる
    • 平均値がわかる(平均値を下げられる)
    • 玉の厚みがわかる(玉に厚みをつけられる)
  • 五年、十年で成果をあげる

が、株式投資です。

要するに、株式売買は研究するものではありません。

知識の集積は上手下手と関係ありません。

必要な知識は「どうしたら上手くなるのか?という筋道を知る」ためのものである必要があり、周辺知識では上手になれません。

上達する筋道はただひとつと書かれています。

  • 正しい勉強の仕方を知る
  • 感覚を養う
  • やり方を覚える
  • それを身に付ける作業や動作を繰り返す

以下、具体的にまとめます。

相場をするということ

今までも多くの人が「波乗り」を試みてきたはずで、それは何かのニュースや材料をもとにしていたと思います。

つまり「波」を理屈で設定し、その設定した波に乗ろうとして失敗しています。

これは、波を設定した本人は自分は正しい予測をしたと信じ込んでいるひとりよがりな判断です(儲かるという気持ちを持たせ、興奮させる材料によって行動を起こしています)。

正しく株式投資をするには、興奮、期待、大儲けの夢、不安など感情の起伏がなく売買しなければなりません。

ようするに、次の3つを守りましょう。

  • 新聞、投資雑誌、研究書を読まずに売買すること。
  • こうなるはずという「波」の設定をしないこと。
  • ただ場帖をつけて、波の動きを見ていること。

正しく波に乗る基本的な手順は次のとおりです。

用意するもの

  • 場帖(毎日の終値と出来高を記入したもの)
  • 玉帖(売買記録と利益計算と資金管理を記したもの)
  • 月足グラフ(10年分、一色の陰陽線)、日足グラフ(2年分、折れ線グラフ)

資金

  • 一銘柄の人で現物3000株分(余裕を見て4000株分)

銘柄

  • 500円~800円の銘柄が良い。値動きが荒くない銘柄が良い。
  • 一銘柄だけ選んでも、2~3銘柄を選んでも良い(値動きや周期を比較したいので値動きの違う銘柄は選ばない)

準備

  • 銘柄を選んだら場帖をつける(ペンかボールペンで丁寧に書く)
  • 新聞が来たら記入、毎日動きを見て上げ下げを理解する
  • グラフを書く
  • 2~3銘柄を選んだ人は単位を合わせる。同じで比較をする
  • チャートクリップは見てはいけない
  • 日足は書かなくてもよい。書くなら折れ線で書く。
  • グラフ用紙はなるべく大きい方がよい

毎日見る

  • 毎日書き足して毎日見る
  • そのうちに30日、60日、90日という30日の倍数をもとにする上げ下げ(波動)が見えてくる
  • 何ヵ月かして多少波動が見えるようになってから売買を始める
  • 3年から5年で、一応の売買が身について安定し、10年、15年で成果があがる

グラフの見方

  • 感覚的なことは、何回も経験しないとわからない(形式主義になってはいけない)
  • 下降になって30日に近づいたら次の60日(下降)を注意する

売買

  • 実行意欲が出ないなら見送る(見送る代わりに買ったつもりはダメ、実行してこそ意味がある)
  • 上がったら利食いをする、利食いはいつでもよい
  • 上がってきたら30日近辺、60日近辺に注意して利食い売りをする
  • 損切りは場帖を毎日つけて「失敗だったかな?」と感じたとき(下げは一時的、と自分を言い聞かせるのではなく、おかしいと感じたときに素直に手仕舞いする)
  • 高値づかみで損が、安値づかみになるから、損はしなくなる

応用:分割売買(二分割一括売り)

平均値を有利にするナンピン技術の目的で、単発より二分割の方が波乗りを確実に実感できます。

  • 止まったというところで買うのではなく、止まる直前と止まったところの二回を買う(一回目が偶然底値なら二回目は買わない)
  • いちばん良い買い方は二回目を安く買うこと

単発の場合は、波乗りといっても、まだ当てもの的要素が残ってました。それが二分割になると連続性が出てきます。これがアマチュアとプロを分ける一回なのです。

玉の仕込みが分割されるのだから、単発の仕込みとちがって平均値になるのは当然です。

玉が2枚以上になるのだから厚みが出るのも当然です。

しかし、自分なりの(=自分の好きな)分割のしかた、自分なりの玉の重ね方ができるようになったら、「個性が出てきた」わけで、それは計算上当たり前の話という段階ではなくなります。

玉の入れかた(=分割のしかた、これは感覚というのが正確)は、はじめは意識してやらざるをえません。

また、分割の間隔にしても、考えながらやっていきます。

下にゆくほど間隔を狭くしたほうが(平均値を下げるのに)有利なのであるが、これも意識してやらないとできません。

それが、何回も繰返してやっているうちに、出来るようになってきます。

その他の重要ポイント

上達のステップに上るのに必要なこと

まずは専門を決めることです。

要するに、スポーツと同じで、テニス、野球、ゴルフ・・・何に集中して上手くなるか?をまずは決める必要があります。

これにより、アマチュアがド素人の段階から進歩し、専門を持ちたいと考えるようになれば、プロの領域に一歩踏み込んだ(プロの心構えができた)と言ってもよいでしょう。

株式投資の専門性とは、

  • 対象物の専門家(国債、公社債、転換社債、一部株、二部株、仕手株、電機株、建設株、低位株)
  • やり方の専門家(買い専門、売り専門、押し目買い、戻り売り、順張り、逆張り、ツナギ、サヤ取り、うねり取り)

です。早く決めれるのは対象物の専門家でしょう。

その他、印象に残ったこと

まずは次の4つを勉強すべきで、企業分析では一般人と逆の見方をしてください。

  • 企業分析
  • ケイ線分析
  • ケイ線の受け止め(アナログ感覚)
  • 場帖(ばちょう)の受け止め(デジタル感覚)
  • 売買

逆というのは、企業の財務内容の悪いときが安く買いと考えることです。

また、場帖をつけ、グラフを書き、データスリップ(四季報を銘柄別に整理し推移を見やすくしたもの)の整理と検討をしてください。

データスリップでは、30%増益見込みの銘柄、赤字から黒字への転換銘柄の一覧表を作ります。

また、次のような観点で分類しましょう。

  • 10%以上の変動を見せるもの
  • 10%以下の動きしかないもの
  • 動きにリズムがないもの
  • 動きにリズム、周期のない銘柄で、動き出したときの明らかな特徴(不規則なジリ感、二進一退のトレンド)
  • ときどき急落するくせのあるもの
  • 大きなうねりを見せる銘柄

板垣浩氏の売買法

売買法はうねり取りで玉の入れ方は細かいナンピンです。

うねりの底を細かく買い下がり、うねりの天井を売り上がります。

買うときは、極端な場合は1000株ずつ5万株というときもあるから30分割~50分割です。

急落のときに不等分割で安値の玉数を多くすることはすることは、たまにはあるが、ほとんどやりません。

半年くらいの上げ下げの安いところで細かく分割して買ってゆき、騰がると手仕舞いする、という比較的技巧を抑えた売買です。

下げ相場のときは・・・何もしないで見ています。

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