タートルズ投資手法とは何か?今でも通用するのか有効性検証(システムトレード)

ウォール街で4年半の間に数百億円を稼ぎ、伝説的存在だった投資家集団「タートルズ」。

投資・相場の世界で成功を志す者なら、1度は「タートルズ」という言葉を聞いた事があるでしょう。

彼らは、プロの投資家による指導により、

素人がトレーダーになれるかどうか?

という実験の結果生まれたトレーダー集団でした。

「タートルズ投資」とは何か?

1983年と1984年の2回、次のような新聞広告が掲載されました。

■■■業務拡大につき人材募集■■■
(400ドルを2億ドルに増やした)独自のトレーディング手法を教えます。投資経験は不問です。

この新聞広告を見て、どれほどの人が「チャンスだ!」と考えるでしょう?

「そもそも、こんな都合のいい話があるわけがない、きっと「裏」があって騙されるのではないか!」

マトモな思考の持ち主であれば、こんな風に考えたかもしれません。

確かに「裏」はありました。

それは2人のカリスマトレーダーの賭けではじまったマーケットの常識を覆す奇抜な人体実験だったのです。

  • シカゴ最強のトレーダー「リチャード・デニス(Richard J. Dennis)」
  • 数理論理学の専門家「ウィリアム・エックハート(William Eckhardt)」

彼ら二人は10年にも渡る議論に決着をつけるべく、このような計画を実行に移すことにしました。

1000人を超える応募者が殺到し、最初に採用されたのは次のような13人です。

  • 有名RPGゲーム「ダンジョン & ドラゴンズ」の編集者
  • シカゴ大学の言語学博士号を持つ人物
  • カーギル社 (米国最大級の穀物企業) のトレーダー
  • トレーディング経験のある人物(数名)
  • 会計士
  • ブラックジャックとバックギャモンのプロギャンブラー

総勢13名 (男性11名・女性2名)
※大半が30代で、20代半ばが2名、19歳が1名

応募者が殺到したため、第一級の知力を持つ人物を選びました。

1984年の2回目に、更に10人のトレーダーを追加し、今でも伝説として残る合計23名のトレーダーの誕生です。

彼らは「亀の養殖と同じ方法でトレーダーを育成できるかどうか?」という概念より「タートルズ」と呼ばれました。

講習内容と、その結果

具体的な実験方法は次のようになります。

  • 2週間の講習(2年目は1週間の講習)
  • 少額の口座でトレーディング実習
  • 100万ドルの口座の運用(トレーディング実習で実績を上げた者のみ)

まず、タートルたちは、債券、通貨、トウモロコシ、原油などあらゆる市場で取引するために必要な知識を、2週間で教え込まれます。

その後、100万ドルの口座の運用する者を選定しました。

結果、トレーダー達の平均資産は軽く25%以上増え、普通の人でも優秀なトレーダーに育てることができるということが証明されました。

全員が利益をあげたわけではない

実は、利益を出せない落ちこぼれメンバーも存在しまます。

落ちこぼれメンバーの弁明(説明)も残っています。

 

  • 始まったばっかりの実習で失敗するのが嫌だった
  • 2月限の灯油があと数週間で期日を迎えることを危惧した
  • 単に、もっと保守的なトレードスタイルを好んだ」
  • リスクが高すぎると思った
  • 相場の上がり具合が速すぎると思った
  • 期日まであと数日しかない相場では値動きも終わりだと思った

最高の成績を誇ったメンバーと最低の成績を残したメンバーの違いは、知識とは関係なく、感情的・心理的要因でした。

当時、もっとも有名なトレーダーに教わった、優秀な人達であってもこうなります。

タートルズ投資手法の有効性検証

タートルズ投資とは、持続的なモメンタムを重視したトレンドフォロー戦略です。

エントリーする際は、2種類の異なる方法が用いられました。

【買いルール】

1) 過去55日間の高値を更新した

【手仕舞いルール】

1) 過去20日間の安値を更新

【増し玉(ピラミッディング)のルール】

※オリジナルと多少異なります

1) +5%でポジションを追加
2) 10%で直近のポジションをロスカットする

ソースコード

手法を調べて過去の実装履歴を見て理解しましたが、実は既に「Protraサンプル(Breakout)の有効性検証」で確認済です。

多少修正しました。

バックテスト結果

利益曲線は次の通り。

まとめ

PFは1.51と優位性は見られましたが、勝率21.11%で、精神的に耐えるのはタートル達ではありませんが、厳しそうです。

そして、システムトレードの売買ルールは陳腐化していく事の証明ともなっています。

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