相場師朗氏の「下半身(半分の法則)」の期待値を検証(システムトレード)

相場師朗氏は、早稲田大学卒、元外資系銀行で為替のディーラーです。複数の会社も経営しています。

最近は、セミナーだけでなく、書籍、メディアの露出が増えてきました。

詳細は、株は技術だ! (うねり取り手法:相場師朗氏編)に記載しています。

相場師朗氏は「うねり取り」をメインとした講座を開いていますが、元祖・林輝太郎氏の場帳/玉帳を使った方法とは大きく違います。

元来の「うねり取り」は、チャートだけをみて自分の感覚を頼りに、建玉の操作を行いながら株取引を繰り返します。

一方、相場氏は、5日線、20日線、60日線、100日線、300日線の5本の移動平均線を使用して、移動平均線の重なり具合を頼りに株取引を行います。

※2018年5月29日の「ラジオNIKKEIの株塾」で、3日線、10日線の移動平均線が増えました。

チャートの上げ・下げシグナルに名前をつけ分かりやすく解説するため、株初心者が飛びつきセミナーは大反響です。

【過去記事】相場師朗氏の「くちばし」「パンパカパン」の有効性検証(protraシストレ)

相場師朗氏の「下半身(半分の法則)」

「半分の法則」とは、5日線の下で推移していたローソク足が下げ止まり、5日線が横ばいになり、陽線で半分以上5日線の上に出たら買いエントリーする方法です。

※上ヒゲ、下ヒゲは無視しても良い。

このシグナルが出ているときは、相場氏は上昇に転じると説明しています。

相場師朗氏の「下半身(半分の法則)」の有効性を検証する

上記のロジックを次のように定義しました。

【買いルール】

下記に該当する場合には、翌日の寄付きで購入する。

  • 5日線が横バイもしくは上向きに転じた(=1日前の5日線が当日の5日線と同じか下)
  • 陽線のローソク足が体半分以上5日線の上に突き抜けた(=同様)
  • 「半分の法則(下半身)」発生前、ローソク足は5日線下で推移している(=3日前、1日前の始値・終値が5日線より下)

【手仕舞いルール】

  • 含み益が10%を上回った
  • 購入してから営業日で10日経った

ソースコード

「グコウログ」のゴクウ氏のProtraのソースコードが秀逸なので、それをベースにコードを書いています。

「Utility.pt」は次のようになります。

売買ロジック部分のコードは次のようになります。

今回の手法確認のためであれば、こんなに大掛かりである必要はありません。

バックテスト結果

銘柄リストは相場師朗の「うねり投資」オススメの「JPX400」で、1998/01/05~2019/06/14における成績です。

次に、売買の詳細です。

プロフィットファクターは1を超えてますが、これは当たり前として、ドローダウンが大きすぎです。

まとめ

巷では「勝率75%」と大人気な指標ですが結果は微妙です。近年は負ける一方です。

セミナー紹介料欲しさのサイト管理人が、数名柄で適当に調べただけなので、このような結果になります。

チャートトレンドは各年同じではありません。

そして、銘柄毎にも特徴があります。

直近では「アインHD(9627)」の2019年5月のチャートなどを見ると、ナイアガラが起きてしまいます。

これで、今年の利益の大半を持っていかれます。

相場師朗氏は「もし自分の考えが下目線でも、この下半身が出たら、とりあえず買いなさい」と言っているほど信用できる技になります。

by 相場師朗の秘技!やはり下半身は低リスク・ハイリターン!!

・・・エントリーポイントしては、必ずしも優秀とは言えません。

バックテストを実施していない、オーバーフィッティングな指標には注意しましょう。

【追記2020.07.10】

ツイッターに下記のように書かれているので追加の確認をしました。

ちょっと調べてて見つけたから反論
相場先生は1日200万株の銘柄を推奨してます
理由は、出来高が少ない銘柄だと、誰かが株価操作をしようと思ったら簡単にできるため統計外な動きをするから
にも関わらず、出来高7万しかない株で検証してうまくいかないとか言ってる

【買いルール】

下記に該当する場合には、翌日の寄付きで購入する。

  • 5日線が横バイもしくは上向きに転じた(=1日前の5日線が当日の5日線と同じか下)
  • 陽線のローソク足が体半分以上5日線の上に突き抜けた(=同様)
  • 「半分の法則(下半身)」発生前、ローソク足は5日線下で推移している(=3日前、1日前の始値・終値が5日線より下)
  • 出来高が200万円/日以上

【手仕舞いルール】

  • 含み益が10%を上回った
  • 購入してから営業日で10日経った

バックテスト結果

サマリーは次の通りです。

利益曲線は次の通りです。

ソースコード含めて公開済なので、疑問があれば指摘せずに実験してみたら良いと思うけどなー、ひとりごと。

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