トランプ恐慌から考える「投資成績が良いのは死んだ人」の根拠を辿る(配布元は?)

トランプ関税ショックにより、僕の保有株価は昨年の利益は全て吹っ飛びマイナスに陥ってる。

僕が全額投資してから、何回 下落相場を経験させるんだよ……。

 

そんな時に思い出す次の画像。

 

 

運用会社のフィデリティは、2003年~2013年、顧客のパフォーマンスを調査

成績のよかった人の属性
1位、亡くなってる人
2位 運用しているのを忘れている人

この画像によると、運用会社のフィデリティ(世界規模の投信販売・運用会社)が2003~2013年の顧客パフォーマンスを調査したところ、運用成績が良かった人の属性は1位、亡くなっていた人 2位、運用しているのを忘れていた人 だったということ。

 

私が最初にこの画像を見かけた時の感想は、

 

「1位」だけ読点付いてる 適当すぎ……

 

だけど拡散されてSNS等で株価暴落時によく見かける。

上記の話は、2014年に配信されたBloomberg RadioのMasters in Businessシリーズでの会話が出典のようだ。

 

James O’Shaughnessy氏とインタビュアーのBarry Ritholtz氏の会話の中で、次のやり取りがある。

Fidelity Reviewed Which Investors Did Best And What They Found Was Hilarious
If you forget you're investing, you'll probably do fine.

O’Shaughnessy: “Fidelity had done a study as to which accounts had done the best at Fidelity. And what they found was…”

Ritholtz: “They were dead.”

O’Shaughnessy: “…No, that’s close though! They were the accounts of people who forgot they had an account at Fidelity.”

参考: Forgetful Investors Performed Best – Business Insider

(訳)

O’Shaughnessy「Fidelityは、Fidelity口座の中でどんな口座が最も投資成績が良かったのかを調査しました。そして判明したのは…」

Ritholtz「亡くなってる人だった」

O’Shaughnessy「いえ…でも近いです!Fidelity口座を持ってることを忘れた人達だったのです」

投資成績がよかった人の属性「1位、亡くなっている人」は間違いである – 20代メーカー営業マンが資産運用を始めてみた
どうもメーカー営業マン(@makereigyouman)です。 突然ですがこちら↓の画像はご存知でしょうか。 投資をかじったことがある人は一度は見たことがあるのではないでしょうか。...

先人たちの調査結果

冷静になって考えてみれば分かるが、

 

そもそも運用会社は亡くなった人の口座を簡単に特定できない

 

国内に限らずアメリカの証券会社等の金融機関は、

 

遺族等から口座保有者の死亡連絡を受けた場合、相続手続きに入る

放置した場合、10年間(米国3年~5年)取引がないと休眠預金となる

アメリカの多くの州では、証券会社は、長年動きのない証券口座がある場合、「abandoned account(放棄された口座)」として州政府に移管するよう義務付けられている。

 

という状態のため、運用会社が調査のために亡くなった人の口座を特定することは難しい。

同じく、この話を否定している人々

バリー・リソルツ氏がネタとして言った「成績の良いのは『亡くなった人』」という言葉を、誰が誤解した(誤訳した?)のかはわかりませんが、まことしやかに出回ってしまったということのようです。

【投資】成績の良いのは「亡くなった人」はウソ?
以前、Twitterで「成績の良いのは『亡くなった人』」というツイートが話題になりましたが、本当にそうだったのか検証してみました。

Barry Ritholtz(バリー・リソルツ)氏の「死んだ人」と冗談で発言したことが真実だと思われ、SNSで話題になったようです。

投資で成績がいい人は「死んだ人」と「忘れていた人」は本当?
投資成績のいい人が「死んだ人」と「忘れていた人」と聞いてもピンとこない方も多いのではないでしょうか。 どういったことを意味するのか気になるところですね。 この記事はPRを含みます 目次 1 投資で成績がいい人は「死んだ人」と「忘れていた人」

最も運用成績がよかったのは「口座の存在を忘れていた人たちだった」と説明しており、「亡くなった人」とは述べていない。

【FactCheck】資産運用会社の運用成績調査結果、「成績のよかった人の属性 1位、亡くなっている人」は根拠不明
「資産運用会社の調査報告によると、運用成績が最も良かった人の属性は亡くなった方である」という画像が拡散した(6月17日時点で、6,462件のリツイート・約3.3万件のいいね)。問題の言説は冒頭の画像とともに繰り返し拡散しているが、この言説は根拠不明であり、注意が必要だ(佐藤翠)。 チェック対象 成績の良かった人の属性 ...

最も成績が良かったのは「亡くなった人」ではなくて「運用しているのを忘れている人」ということになります。

97.「フィデリティ投資会社が調査した結果、最も投資成績が良かったのは『亡くなっている人』」の真偽
投資したら忘れよう。

「調査によると、フィデリティのアカウントを持っている人の中で最も高いリターンを上げたのは、取引口座の存在すら忘れていた人の口座だった」

AERA 2022年7月4日号に水瀬掲載。よく見る「成績の良かった人の属性 1位 亡くなっている人 2位 運用しているのを忘れている人」の情報ソースをフィデリティの人に聞く!?
現在発売中の「AERA 2022年7月4日号」の22~23ページに、水瀬が掲載されています。もちろん、インデックス投資についての取材記事です。「一番儲かったのは『忘れていた人』 下落にも多忙にも負けないほったらかし投資」というマネー記事で、「全面改訂第3版 ほったらかし投資術」(山崎元・水瀬ケンイチ共著)に関する内容と...

「投資成績が良いのは死んだ人」とは言っておらず、「口座を持ってることを忘れた人」と言っている

あの資料を提供したのは誰だったのか?

一番ソースがハッキリしてる最古の記事が次のXポスト。

投資セミナーでもらった資料で一番タメになったものがこちらです「示唆に富んでいる」
私もやってみようかな

 

楽天証券のセミナーで、確かこちらの会社の方が講師でした。http://cs-asset.com

 
 

2020年1月18日 楽天証券セミナー 名古屋 CSアセット株式会社

 
 

ということまで分かった。

で、この会社に問い合わせ連絡をしてみた。

 

 

けど、4ヶ月経過して一切の連絡なし

 

おわりに

古い話だから担当者が去ってしまったのか背景は知らないが、返信をくれないのは残念。

 

とりあえず今の時期は株式運用を忘れるのが一番良さそう。

 
 

忘れられるわけ無いだろ!!

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