近年、世界規模で先祖(ルーツ)調査がブーム。
特に欧米でブームの背景には、インターネットで先祖の情報が集められるようになったことが大きく影響している。
戸籍制度の無い欧米では、ルーツ調べは難しい作業だと思われていた。
しかし、
- ファミリー・サーチ(FamilySearch)
- アンセストリー・ドットコム(Ancestry.com)
のような組織や会社が国勢調査記録、渡航記録、従軍記録などを次々とオンライン上で配信し、家にソファーに座っていながら世界中のアーカイブにアクセスすることができるようになった。
実際にアメリカ赴任中にファミリー・サーチで親戚を発見し、電話で会話できた人もいたし、スタンフォード大の理事になっている人もいて実際に家に訪問して食事をしたこともある。
そんな世界の流れに遅れて、昨年(2022年5月19日)にようやく国会図書館で「個人向けデジタル化資料送信サービス」が開始された。
加えて、国立国会図書館デジタルコレクションが2022年12月21日にリニューアルされた。
今回のアップデートで全文検索可能な書籍が
5万点から247万点
と大幅に増えた。
これにより多くの人の名前が検索できるようになり、先祖調査にも役立つようになった。
先祖の血筋を遡ることは戸籍謄本、除籍謄本で行うことになるが、先祖の生業や勲章を調査するには心強いツールが出てきたといえる。
国会図書館デジタルコレクションで祖父母や先祖の名前を検索
やることは簡単。
先祖(明治時代まで)の名前を知っていれば、下記のサイトで検索するだけ。
たとえば「ひいじいさん(保田良吉)」の名前で検索。
92件とヒットした。
ここから同姓同名の他人を排除するために、一つ一つ確認する。
残った結果。
- 理科教材として「海苔」(藝備教育 (57)(廣島縣教育會, 1909-01))
- 入会(安芸郡)(藝備教育 (58)(廣島縣教育會, 1909-02))
- 故吉村先生記念建碑事業に御賛同し50銭寄付(藝備教育 (67)(廣島縣教育會, 1909-11))
- 会費徴収(明治42年全額)(藝備教育 (86)(廣島縣教育會, 1911-06))
- 会費徴収(明治43年全額)(藝備教育 (94)(廣島縣教育會, 1912-02))
- 会費徴収(大正元年全額)(藝備教育 (105)(廣島縣教育會, 1913-01))
- 会費徴収(明治44年全額)(藝備教育 (126)(廣島縣教育會, 1914-10))
- 批評会にて「諳誘的話方なりしがハに記されたる恋形話方練習に重きを置くか宜しからずや。本物標本によりてビバリに関する正確なる知識を興ふべし」と発言(藝備教育 (147)(廣島縣教育會, 1916-07))
このように官報も全文検索可能なので、公務員や旧軍人の場合は、叙勲や異動に関する記事もピックアップされる可能性が高くなった。
発言記事なども見つかる。
おわりに
ネットで確認する限り、今まで見つけられなかった高祖父の写真や詳細記事なども見つかった人も多いようだ。
まだ眠っている書物は多く存在するため、これらがデジタルアーカイブされることで先祖調査が更に進むことが予想される。
ただし江戸時代の農民に関する文献は非常に乏しいため、調査は至難の業かもしれない。