「信用倍率が1倍を切っている銘柄」の「買い」は有効か期待値検証(システムトレード)

信用取引(制度信用)の場合、6カ月以内に反対売買により決済するというルールがある。

買いポジションがあるなら半年以内に必ず売らなければいけない。売りポジションなら買戻し決済をする必要がある。

 

この時、

  • 買い残と売り残が同数であれば、信用倍率は1倍
  • 買い残 > 売り残であれば、1倍より大きくなる
  • 買い残 < 売り残であれば、1倍より小さくなる

 

 

そして忘れちゃいけないのが

株式マーケットは機関投資家や海外投資家、一部の資金が潤沢にある大口投資家が動かしている。

彼らの思惑と反対にいくと、大抵やられてしまう。

彼らは需給が一方に偏っている時に稼ぎに来る。

だからターゲットにしているのは信用取引をしている人。

信用倍率を取得してシステムトレードソフトProtraで読み込む
株価を直接動かすものは、売られる数と買われる数、つまり需給(需要と供給)買う人が多ければ株価は上がり、売る人が多ければ下がる。こんな当たり前の事を、3年前に外資証券会社勤務で先輩で...

という事を先月書いた。

他のサイトでも同じような事が沢山書かれている。

これだけは覚えておこう!
信用倍率が1倍を切っている銘柄(空売りが多い)
→株価上昇が継続
→空売りしている投機筋が耐えられなくて買い戻しする可能性
→「踏み上げ」をねらって「買い」を入れるのが有効なことも

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で、先月「逆張り手法」「順張り手法」に信用倍率を組み込んでみたけど、全く結果は良くなかった。

今回は「信用倍率」だけで「買い」の判断することで、どれだけの期待値があるのか?を実験してみた。

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「信用倍率が1倍を切っている銘柄」の「買い」の期待値検証

上で紹介したダイヤモンドオンラインに次の図が掲載してある。

この図を参考に手法を次のように決めてみた。

【銘柄抽出】

  • 売買代金1千万円以上&終わり値200円以上の銘柄
  • プライム銘柄(借貸銘柄)

【買いルール】

  • 本日の買い残 < 本日の売り残(信用倍率1.0より小さい)
  • 一週間前の買い残 > 一週間前の売り残(信用倍率1.0より大きい)
  • 一週間前の信用倍率 < 二週間前の信用倍率
  • 一週間前の終値 < 本日の終値
  • 翌日の寄付きで買いを仕掛ける

【手仕舞いルール】

  • 終値が買値より10%以上になる(利益確定)
  • 保有日数が10日以上になる
  • 翌日の寄付きで決済売り

バックテスト結果

計算時間はプライムの貸借銘柄だけで5時間。

利益曲線は次のとおり。

……すごく惜しい結果となった。

結局この手法も2018年から下降している。

でも20年間で見ると全体的には増加傾向にあったんだな。

 

ただ平均トレードが「897円」だから手数料負けしそうだね。

おわりに

「信用倍率が1倍を切っている銘柄」の「買い」は有効か……という問いには

 
 

2018年までは有効だった

 
 

と言える。

ただRSIや他のテクニカル指標とあまり変わらない利益曲線で新鮮感が全くない。

 

今回の信用倍率に関しては次の書籍に書かれている。この書籍は2021年発売なので、2018年までのバックテストを参考に書籍化したのであれば間違ってない。

ソースコード

バックテストには無料OSSの「Protra」を利用した。

TIlib、Utility、TrendCheck、TOPIXライブラリはGitHubに置いている。

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