「女児が行方不明」になったというニュースを時々耳にする。
「誘拐でなく迷子だった」
ケースもあるけれど、記憶に新しい。
「身代金要求」など金銭を目的とした誘拐はあまり聞かない。
昨今では
子どもそのものにいたずらしたい
という動機をよく耳にする。
事件の発端は、
5分だけ目を離した
とか、
通学・通塾中
に被害を受けてる……印象がある。
アメリカ赴任中に、ストローラー(ベビーカー)に子供を乗せて目を離し屋台見てたら現地の人にメチャクチャ怒られた。
ここはアメリカだ。放置は犯罪だ!
と。
アメリカではおおよそ12歳までの学童を留守番させたら児童虐待で逮捕される。
学業の送り迎えも両親または保護者の付き添いが必要。
アメリカの州ごとのルールをまとめてみた。
州 | 留守番可能年齢 | 補足事項 |
---|---|---|
カリフォルニア州 | 14歳以上 | 法律はない。ガイドラインで時間は3時間以内と法律で定義。24時間を越えて長時間留守番できるのは18才以上 |
イリノイ州 | 15歳以上 | |
メリーランド州 | 9歳以上 | |
オレゴン州 | 11歳以上 | 10歳未満の子どもを危険な場所や健康を害する場所に置いてはいけない |
ハワイ州 | – | 留守番についての定めはない |
ワシントン州 | 10歳以上 | 連邦法や州法での規定はない。ガイドラインに記載あり。数時間の留守番は可、兄弟の子守りは不適切 |
意外にも、多くの州では州法で年齢を特定していないか、そもそも留守番について何も定めてない。
ガイドラインを設けている郡や市では、10~12歳くらいから可としているところが多い。
なお、子どもの留守番については、アメリカ合衆国保健福祉省が『Leaving YourChild Home Alone』という冊子を発行している。
13歳未満の子供が被害者となった刑法犯 被害者数の推移
さて、改めて日本国内の状況を見てみよう。
法務省が「犯罪白書」なるものを毎年作成している。
奈良の女児誘拐殺人事件等を契機に子供を対象とする暴力的性犯罪が社会問題化していることを背景として、平成17年6月1日から、法務省と警察庁は、これら犯罪等を敢行した受刑者の出所後の所在等に関する情報の共有を行っている。
情報提供の対象となる受刑者は、被害者が13歳未満で、受刑罪名が強制わいせつ、強姦、わいせつ目的等略取及び誘拐、強盗強姦等の者。
【犯罪白書】
以前は「第5編 犯罪被害者 第6節 子供の犯罪被害 1 刑法犯による被害」に表が掲載されていた。
なお近年のデータは掲載されないので、その場合は警察白書 をダウンロードして参照できる。
事実:子どもの被害件数の総数は減少傾向
これは警察白書のグラフからも自明だ。
なお、25年前までなら「犯罪白書」「警察白書」で溯れたので表にしてみた。
これ「恐喝」犯罪が年々減ってるから、被害件数の総数が減ってない?
保護者が問題視しているのは、きっと「傷害」「性犯罪」「誘拐」だよね?
と、いうことで「恐喝」を除いたグラフを書いてみた。
事実:ほとんど変わってない
むしろ、25年間と比べると増えてるじゃん。
殺人、傷害、暴行、強姦性交等、強制わいせつ、略取誘拐の推移
次に、各種犯罪別の被害者数をグラフ化する。
事実:強制わいせつは減ってる
事実:殺人は減ってる
事実:暴行は増えてる
事実:傷害は増えてる
事実:強姦性交等は横ばい
※ 急に「強姦性交等」が高くなっているのは、平成29年より「強姦罪」が改変され適用範囲が広がったため(性別を問わず、性交類似行為も含む)
そして、
事実:略取誘拐は横ばい
アルソックのページで同じような結論に至っている。
子どもの被害件数の総数は減少傾向にあるが、連れ去りや強制わいせつなどは横ばい
被害件数は減少傾向にある。
しかし「略取誘拐」などの件数は減っていない。
Yahoo!ニュースコメントで、次のような糞のような誤認識を見つけた。
こういう気分で最近増えてるっていうコメント本当に不快。
昔の方が誘拐は圧倒的に多かった。>>日本って最近ほんとにこういう事件も増えたし、
>>犯罪も増えてきたのに、減ってますよ。統計を見ましょう。
このような自身で調べて無いのにマウント取る人間とは一生 友達にはなれない。
そもそも友達いないけどさ……僕。
事実:誘拐は25年前より減ってない
コメントで煽ってる奴は、むしろ ちゃんと統計見ろよww
おわりに
調べもしない、疑問も持たない、否定せず、事なかれ主義同士が、マウントを取り合って洗脳し合っている。
学校の先生でも塾の講師でも人である以上はバイアスが掛かっちゃうとは思うけど、統計データの中身まで疑って確認する習慣をつけたい。
統計データそのものにバイアスかかってたら意味ないけどさ。