「未来人材ビジョン」で求められる「問題発見力」を鍛える方法

ビジネスパーソンの仕事のほとんどは「課題を見つけ、解決する」こと。

 
 

2022年5月に経済産業省が公表した「未来人材ビジョン」でも「2050年に必要とされる能力」として「問題発見力」が1位となっている。

【2015年】

順位 内容
1 注意深さ・ミスがないこと
2 責任感・まじめさ
3 信頼感・誠実さ
4 基本機能(読み、書き、計算、等)
5 スピード
6 柔軟性
7 社会常識・マナー
8 粘り強さ
9 基盤スキル
10 意欲積極性

【2050年】

順位 内容
1 問題発見力
2 的確な予測
3 革新性
4 的確な決定
5 情報収集
6 客観視
7 コンピュータスキル
8 言語スキル:口頭
9 科学・技術
10 柔軟性

因みに、この経産省の「未来人材ビジョン」はページ数も多く面白い。

人口減少と競争力の低下で、日本経済が回らなくなりゲームオーバーに近づいていることを実感させられる内容。

 

企業は人に投資せず、個人も学ばない。

 

政府の企業・個人に対するディスりが激しいwww

 
 

ちょいちょい「未来人材ビジョン」を引用しつつ、今回は「問題発見」に関して記載してみる。

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「イシュー(課題)」は何か?何故「課題発見」が大切か?

ここでいうイシュー(課題)とは次の意味。

 

それを解決すればアウトプットが増え、バリューが高まる知的生産の目的地

 

一流が「今日の会議何でしたっけ?」と聞く理由 細部にこだわらず鷲の目で急所突け
ビジネスからサイエンスまであらゆる分野に共通する「知的生産の本質」について書かれた本書は、初版から9年近く経つ現在も売れ続けている名著である。中身はかなりボリュームがあるが、小見出しを読んでいくだけ…

 

この記事はYahoo!ニュースに掲載された事があるが、その時は低次元なコメントに埋め尽くされた。

 

コメントを書いている人たちは記事の本質を理解せぬまま、「課題/問題発見」より「課題/問題解決」にばかり目がいってしまっている。

アカウント調べたら多くが40代男性でマネージャの人もいた……

こんな人達が上司な会社って……未だに私はヒラなのにさ……。

 

まぁ、旧帝大の工学部を卒業した人であっても「課題/問題発見」が出来ない人は何歳になっても出来ない。

こんな人々が会議にいると議論しても時間が無駄。

 

なお、「課題/問題発見が得意な人」と「課題/問題解決が得意な人」というのは異なる。

このため問題提起から解決策まで腑に落ちる説明を受けることはホントに稀。

 

自分がバカすぎて会議や講演を理解できないのか?と思った事もあったが、

  • 原因分析が足りず真因にたどり着いてない(ホントに根本原因はそれなの?)
  • 解決すべき課題が示されてない(施策先行型)
  • 施策が自社製品を使った提案になっており因果関係が飛躍している

というのが理由だと最近思い始めた。他人と同じ問題に対する資料を作ってみると一目瞭然。

要するに伝える側の伝え方が悪い。

 

多くは「施策」に主眼が行きがちで、問題・課題定義がお座なりになっていることが多い。

真因も掘らずに課題にたどり着いてない施策提案に価値は無いので、最近は「問題」「原因」「課題」だけしか話を聞かない事も多い。

【蛇足】日本企業の部長年収はタイより低い

そんな問題発見の苦手な日本企業の部長年収はタイより低いらしい。

 

これ……

2015年に同じことに言及した著名人がいたね。

 

 

それが堀江貴文氏。

彼は近畿大学の卒業式に次のように述べている。

 

 

札幌のマッサージの代金の差が、タイと比較して「たった2倍」しかない。

2015年の現状でこれ。

ものすごい勢いで、東南アジアは経済発展している。

 

彼らの中の高給取りの人たちは、完全に日本人のホワイトカラーの年収を上回っている。

 

そして、富裕層の人たちはゴロゴロいる。

 

タイのバンコクでは、1人5万円の寿司屋が毎日満員。

 

堀江貴文氏 卒業スピーチ「未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ」平成26年度近畿大学卒業式

 

当時「多少誇張して言っているのでは?」と思っていた、

私の認識が低すぎた。

一昔前は「問題解決(problem-solving)」の方が重視された

かつて日本では、「問題発見」より「問題解決」のほうが重視された時代がある。

これは「課題」が明確だった時代が続いていたから。

 
 

つまり、ありとあらゆる機器やシステムの性能に改良の余地があり、

  • デジタルカメラなら画素数を高める
  • デジタルテレビなら解像度(2K→4K→8K)を高める
  • 視聴録画なら同時録画数(1本→ダブル→全録)
  • 自動車なら燃費を良くする

など、各社が同じ目標を掲げてしのぎを削っていた時代は「問題解決」が重視された。

 
 

これは、結局 目の前にある課題を解決しているだけ。

 

ただし、そうしたビジネスが頭打ちになり、新しいプラットフォームを構築したGAFAが市場を席巻した。

これにより、自ら問題を発見することや、課題を的確に設定することが、企業や働く人々の未来を大きく左右するのだと誰にも分かるようになった。

「未来に必要なスキル」は時系列で比較 ビジネスの変化を捉える
最近よく見る「2030年のビジネスはこうなる」「5年後に求められるスキルはこれだ」といった記事。AI(人工知能)時代に「生き残るのに必要な能力は?」という文脈で語られているものもある。「これらには学ぶべきところと、真に受けてはいけないところがある」と前刀禎明氏は指摘する。その理由は?

56の質問カードで身につくプロの課題解決力

前フリが長すぎたが、今回の本題はこれ。

 

「問題/課題発見」が苦手な人は、課題解決の書籍を読み漁るよりサンプル問題でも解いたら良いんじゃない?

 

……と思って「コンサルタント 例題 課題発見」などでググると中身が微妙だ……

転職ならtype-アクセス者数No.1の転職サイト

 

で、出来ない人は どうやって鍛えたら良いのかずっと考えていたけど良い書籍を見つけた。

 

56の質問カードで身につくプロの課題解決力

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渡辺 パコ, chigyo-labo
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萌えな中身だし、この56の質問カードしか個人的には必要ない。

また問題解決までのフローは次のように記載されているので私の今までの説明順序とも異なる。

で、付録の「56の質問カード」を使うと自分の考えた問題・課題に対してセルフレビューをすることができる。

 

全てを載せると営業妨害となるので、抜粋してみた。

 

【現状把握】

「それは事実でしょうか?それともあなたの解釈でしょうか?」は、ドキッとする質問だ。

【課題特定】

「そこが一番効果的だといえる理由は何か?」も、何度か自問したい内容だ。

まとめ

問題発見するには分析が重要で、分析するためのデータ・事実集めが大半の仕事となる。

単なる与えられたデータを眺めても見えてこない事もあるため、加工前データを持ってきて自分で加工することも必要。

多くの人は施策に目が行ってしまい「分析」が不十分。

ずっと分析し続けるのは、本当に しんどいけどね・・・

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