読書感想文に対して「好きか?嫌いか?」と聞かれると、
大嫌い
だった。
でも、一般の人が感じている「大嫌い」とは違うと思う。
だって、長い本を読む必要がある。
だって、感想なんて思いつかない。
だって、字数を埋めるのが大変。
ではない。
だって、読書感想文で学校代表に選ばれるためには、相当の努力と調査が必要だったから
「子供の読書感想文に親がサポートしていた」
「読書感想文の書籍がある」
「読書感想文の塾がある」
なんて、子供時代の私が知るはずがありません。
我が親は子供の宿題なんて放置です。
要するに、子供時代から保護者と戦ってたワケです・・・・・・。
この記事の「ねほり度」 ★★★☆☆(独自調査が含まれるが、内容は浅いレベル)
[2021.07.30] 追加の記事を記載
敵を知り己を知れば百戦殆うからず
私は自慢だが、小学校時代から何度も「学校代表」として読書感想文のコンクールに応募が決まっていた。
「せっかく時間をかけて書くのだから、箸にも棒にもかからないモノは提出したくない」
という、面倒な性格のおかげで、結構真面目に書いていた。
が、高校生になり自分の実力の限界がきた。
突如「学校代表」に選ばれなくなったのだ。まさしく大海を知らず。
調子にのった生徒だった私は、先生に理由を聞きに行った。
その理由は、実に単純明快だった。
主題(テーマ)が「1つ」じゃなかったから
この時初めて、「読書感想文」には「型」があることを知った・・・・。
要するに、「読書感想文」で「あわよくば受賞」と考えている人が、次の本を読んでないというのは、
受験する学校の過去問や傾向問題集を解いていない
のに等しく滑稽だ。
子供が、そこまでしないだろうって・・・・?
子供の「読書感想文」「自由研究」なんて、
結局 親じゃないですか
で、どう書くの?
いろいろなサイトや書籍を見てみたが、YouTubeがもっとも役にたった。
書籍は「書けない人を書けるようにする」事を目的としており、そもそも裏技的なテニクニックは出版しづらいのだろう。
オーソドックス的な書き方
学習塾ラーニング・ラボがおくるWeb講座「読書感想文の書き方講座」が良かった。
個人で上げているようなYouTubeは、アフィリエイトあるある的にレベルが低い。
読書感想文とは、
本を読むことで「自分を振り返り」気づいたこと、感じたこと、今後気をつけたいことなど「自分についての考え」を書く文章
ようするに、
その一冊の本との出会いで、どのように変わったか?(成長できたか?)
逆を言えば
この夏、君の人生・考え方を変えた一冊
を紹介することが、求められている事だ。
最初から「感想」とか言わずに、そういう募集名にすれば良いのに。
ただ、・・・・一冊の本で生き方が変わったり、自分の信念が変わったと感じる人は情弱だと思う。
そういう人が
新興宗教に騙されたり
マルチビジネスにハマったり
多額の連帯保証人になったり
するんじゃないかな。こんな人を作り出したいの?
ぶっちゃけた説明
結局、多くの人は「本なんか読んでも人生は変わらない」ので、心に思ってないことを書く必要が出てくる。
因みに、この才能は大人になっても大いに役に立つ。
持ち得る以上の効能・機能を顧客に説明する(誇張・大げさ)
出来もしない大きな目標を上司にコミットする(ハッタリ)
心にも思ってない無い共感を妻に伝える(でまかせ)
因みに、私は上の2つは大学生時代に会得しました。
あえて「嘘」とは書かなかったが、「ARuFa氏」所属のWebメディア「オモコロ」のYouTubeでは更にぶっとんだ説明をしていた。
「巧妙な嘘をつけ」
読書感想文とかで長くて感動的な内容書いてた、すごい感受性豊かな優等生だなって、感動してたかもしれないですけど「あいつらは人より早く嘘を覚えた」それだけの存在。
あいつら本 読んでる間、脳の活動なんか一切してない。読み終わった後に「こういう風に感じたことにすればウケるかなと」そういう風に逆算してるだけなんですね。
そのための2つのポイントを抑えれば、賞とれます
- 「昔はバカでした」・・・この本を読む前の自分をめちゃめちゃアホだということにする。「最初は自分は愚か者だったけど、この本を読んで人生が変わった」
- 「弟は病気」・・・・・親族がまぁまぁ重めの病気にかかって今は治っているという文章をつくる。「私は深くものを考えられるようになったので、彼らの接し方が変わった」
読書感想文が上手いやつなんか「全員最悪」
感想なんてあるわけ無いんですよ
真実のような嘘をつける彼らが、将来は立派な「政治家」になっていくんだろうな、うん。
本題!過去感想文から知る傾向と対策
上記のYouTubeは1年で20万人が視聴しているので、このレベルの更に上を目指す必要がある。
更に毎年「書き方ドリル」なるものも出てきており、読書感想文の受賞難易度は年々上がり続けていると考えた方がよいだろう。
因みに、この本の筆者はAmazonのレビューを読んでいるのか、毎年 少しずつ子供に分かりやすい記載方法に変わっている。
なお、下記に書かれている内容を実践しても地方レベルには行けるかもしれないが、全国レベルには遠くに及ばない。
この言葉が的を得てる。
学生時代、1つ目は抑えてたから都まで行けたけど2つ目がなかったから全国には行けなかった。
国語の先生にも「これ以上は飼ってた犬が死ぬか亡くなったおばあちゃんとのエピソードとかがないと進めない」って言われた。
お涙頂戴的なエピソードが入った姑息な文章か、純文学を読んでいるような文才を感じる文章が全国には行ける。
前置きをした上で、本題。
受賞者の感想文を読んでいると、ある似た傾向があることに気づく(あえて数年前の過去本の傾向)。
- この本を読んで「どう思ったか?」「何をしようとと思ったか?」
- 「昔はバカでした」「弟は病気」などのギャップ体験・経験を語る(具体的なエピソード)
- 主人公の、どういうところが「凄いなと思ったか?」「見習いたいか?」
- 自分は主人公を見習って「どうなきゃいけないか?」「何をしようとと思ったか?」
本のジャンルは何でも良い
本のジャンルは重要ではなさそうだ。
「図鑑(系絵本)」「伝記」「課題図書」「自由図書」など、どんなジャンルでも読書感想文で受賞している。
選出は、
課題図書 52%
自由図書 48%
(内 図鑑系絵本 13%、伝記 0%:中学年から多少交じる)
と、大体半分ずつを意識しているようだ。
なお、前述どおり「自分と比較しながら」書くので、
○○ちゃんと「似てるなー」って思ったところあった?
と聞いて、興奮して話すような児童書を選ぶのが良いだろう。
自分で選定可能な高学年の学生は、
この本を読んで私はこういう風に変わりそうだな
と考えやすいものを探せばよい。
巻末や帯、今の時代ならネットの書き込みを見れば良いんじゃないかな。
この本を読んで「どう思ったか?」「何をしようとと思ったか?」
これが冒頭で始まるのは全体の約30%程度あった。
- この本をよんで、ぼくは今すぐ学校のお友達にあいたくなったよ。
- 「ぼくも風車をつくってみたい」この本を読んだ後、ぼくはこうふんした。
- ねこを飼うことができたらいいだろうなあ、ときどきこっそり、そう考える。
- 「私とふみや君はにている。」この本を読んだ時に思った。
- 「どうくつの宝物。それって、黄金だ!」ぼくは、ドキドキしながら、読み進めた。
- ほんをよみおわったとき、わたしはおかあさんの言葉をおもいだし、はっとしました。
- 「おじいちゃんに会いたいな。」さいしょにそう思いました。
でも実はこれ、高等技術。
だって、最初に結論(言いたいこと)が書かれているってこと。
いきなり作文用紙に書き始めたら、こんな芸当はできない。
大手企業の係長でも、これが出来ない人が多いです。
こんな表現を小学生低学年ができる訳がありません。
私の稚拙なこの記事ですら、200回以上更新して作られてます。
やっぱり、親じゃないですか?
なお、小学校中学年・高学年になると、感極まって号泣し始める。
- そのときは、むねがくるしくて、目になみだがたまりました。(小学三年生)
- この本を読み終えたとき、私はなみだが止まらなくなっていた。しまいには声をあげて泣き、母をおどろかせた。何だろうこの感情は。(小学五年生)
そして、中学生・高校生となれば、明らかに病院に行って気管支を検査してもらった方が良さそうな文が散見される。
- ひんやりとした感覚が、胸の奥に広がってくる。(中学三年生)
- 胸を締めつけるような苦しさと、鈍い骨の痛みと、罪と祈りと、この物語を読んでいる間、それがずっと私にまとわりついていた。私の中から溢れていた。(高校一年生)
ただし、全体傾向としては学年が上がるにつれ感受性豊かな表現は減り、「人生とは何か?」的な自問自答系の作文が増えてくる。
で、低学年の子供が本当に何も心に浮かばないようであれば、
親が泣け!全員で号泣しろ!
- この本を家ぞくみんなの前で読んであげたよ。そしたら、お母さんもばあばもないていたよ。(小学二年生)
「昔はバカでした」「弟は病気」などのギャップ体験・経験を語る
YouTubeで語っているように「自分の劣等感」だったり「親族の病気」が含まれているものが、約30%あった。
- わたしのひいおじいちゃんも、つばさのばあばのような「わすれてしまう」びょうきだったからです。
- ぼくも、学校のおともだちにつよいところをみせたいと思ってがんばっていた。
- わたしは、かさぶたができると気になってすぐにとりたくなります。
- ぼくにはひみつがあるよ。それは、えほんをよんでかなしいばめんがあると、すぐにないてしまうことです。
- 四月にぼくのひいじいじがなくなりました。はじめてかぞくがなくなったのでかなしかったです。
- 野きゅうせん手のようにうごいているつもりなのに、思うとおりにうてないし、まもれません。
- ぼくのおじいちゃんは、耳が聞こえません。
明らかに、「本を読んで人生変わった」に繋げる前フリです。
こんな打算的な書き方が誰の指導なく出来るはずがない。
なお、親族・動物の病気ネタは確かに存在しますが、他界ネタは二学年で一作品程度だった。
ここは、高学年になると高度な技術が駆使されているので、また今度深堀りすることにする。
「この本を選んだ理由」は不要?
これは「重要」と書かれているページをよく見かける。
でも課題図書で書けるはずがなく、主軸がズレる場合が多いし、これを推奨しているサイトや動画は三流だ。
と、罵倒しようと思ったが、この書き方をして受賞している感想文が自由図書中36%あった。
※ 低学年に限る
- ミミズのことを、もっとしりたくなって図書館でこの本を借りてみました。
- ごせんぞさまって何だろう。お母さんに聞いたら「いのちのまつり」という絵本を出してくれて、いっしょに読みました。
- 野きゅうが大好きで二年生になって、野きゅう教室に入りました。(~略~)。夏休みに、図書かんに行ったら、野きゅうの本を見つけました。
- 本のひょうしで、おじいちゃんと男の子が手をつないでいます。にっこりわらって空を見ています。ぼくとおじいちゃんみたいだなと思って、この本を読むことにしました。
ただし、この書き方をすると、図鑑や趣味に関係する児童書しか選択できなくなってしまうだろう。
中身が分からないのに先入観で読書感想文用の本を選んだら、
キャッチコピーや甘い言葉で衝動買いする情弱な大人
になるだろう。
「あらすじ」は書く必要がない
「あらすじ」を書いている受賞「読書感想文」は皆無だった。
一方で物語の流れを端的に説明している感想文は全体の25%程度あった。
- この本は、きつねがいちごをもってひっこしのあいさつに行くと、たぬきがたけのこでおかえしをするところから始まります。
- エリックのじいじは、しんぞうほっさでなくなりました。とつぜんだったので忘れ物をしてしまい、それを思い出すためにおばけになってエリックとさがしに出かけます。
- このお話は、男の子とおかあさんが商店がいへ行って、百円でなにとこうかんできるかたんけんする、という話でした。
- ウィリアムは、アフリカのマラウィというまずしい国で生まれた。学校に通えず、図書館の本でべん強し、十四才のときに風車を作った。
まぁ、小学生低学年がこんなに端的にまとめる事ができる気がしませんが。
なお、逆を言えば本を全部読んでなくても、前述のとおり基本的には自分のことを書くものなので、読書感想文は書けそうだ。
特に高学年になると読まなければならない文章が長くなるが、夏休み終了直前で本を読む時間がなくても、諦める必要はない。
文章の接続は難しい
親にとっては全くの盲点だが、実はここが一番難しいと思う。
そもそも低学年は「接続語」や「文の構成」とは何なのか?が分かってない。
理解は出来ないので、チート集のようなものを作りながら説明を試みたが、それでも低学年には難解なようだ。
ただ、受賞感想文を読むと、接続語の利用は非常に少ない。
- だって、
- もちろん、
- でも、
- まず、
- そのとき、
- だから、
- ほかにも、
- それから、
- そして、
- すると、
- なぜかというと、
接続語をできる限り少なくした文章構成を目指すのも、親の仕事かもしれない。
そして「文章の繋ぎ方」も重要。
ネット上には、
- 付箋に書きたいことを書き出してから、順番を考えてみよう
- ノートに書きたいことを書き出してから短冊にして、順番を組み合わせてみる
という方法も書かれていが、それはロジカルな脳が構成されてたら出来る話。
もう、受賞作品の全体の30%程度が次のような構成なので、頭を使う必要がないと思う。
- ①本を読んでどう思ったか?(テーマ)
- ②本を読む前の自分の姿(自分の「したこと」を書く)
- ③本の中身について(自分自身が変わった原因を書く)
- ④本を読んだ後の自分の姿(成長)
このテンプレで書けるような本を選んで、このテンプレのように誘導して、感想文を仕上げる。
低学年であれば、それが一番早いです。
注意点(中央審査会の評価ポイント)
巻末の中央審査会の評価ポイントが書かれていた。
- 自分自身の感じ方や考え方の変化を実感し、これからの自分の成長に生かそうとしている点
- 作品のテーマをきちんと理解することによって生まれた心の動きが、現在の自分自身の姿を上手に重ね合わせながら素直に表現されている点
これだけだと、上記に書いた作風で受賞対象になりえる。
が、
このところ実体験が多く語られ、本から得た感想とのバランスが逆転してしまっている感想文が目につく
入賞した作品は、どれも本の主題をしっかり押さえた中で、実際の体験が非常に良いエッセンスとして盛り込まれていた
との事で、読書感想文攻略本が増えか事で「自分のこと」ばかり書かれた作品は落とされているようだ。
傾向対策は何年か経過して、再度やる必要がありそうだ。
まとめ
文章が長すぎたので、本当はもっと沢山書いていたが全部削除した。
今回は「小学生低学年向け」としたので、この程度でも十分だとの判断したのも理由だ。
今後続きを書く場合は、中学年、高学年、中高生という形で、より「ねほり」調査した内容にしていきたい。
因みに、我が子供の通う学校では低学年には読書感想文を課してないそうで、応募すら行われませんでしたとさ。あぽーん。