先週に続いて稲毛海岸に来てみました。
ここは、稲毛海浜公園内に日本で最初に造られたの人工浜です。
千葉市で唯一の海水浴場で、いろいろな公園施設(ヨットハーバー、稲毛記念館、三陽メディアフラワーミュージアム、球技場、野球場、テニスコート、プール、スライダープール、流水プール、造波プールなど)が隣接しています。
なお、検見川浜突堤の釣りでは相変わらず釣果がしょぼいです。
本日はイソメの房掛けしている4、5ファミリーは投釣りでギマが3匹程度は釣れていました。
炎天下の中で4時間釣ってギマ3匹だと正直、子供は飽きます。
サビキでカタクチイワシの爆釣祭りになる秋口まで静観しておきます。
で、先週ヨウジウオなどを海で捕っているファミリーがいたので、今回はガサガサが目的です。
※東京都内の川で「タモ網」を使うと密漁となります。
※千葉県の漁業権設定地域の密漁対象は、アワビ・サザエ・イセエビ・ハマグリ・アサリです。
この記事の「ねほり度」 ★★★★☆(独自調査が含まれ、一般人であれば知らないレベル)
海は魚影が濃くて良いです。子供の食いつきも違いますね。
で、沢山採れました。
本当はもっと採れましたが、生態系の調査と魚の名前調査が目的なので、できる限り異なる魚種を集めています。
本日は中潮で干潮15:16。砂浜には12:00頃に到着しました(12:00~16:00) 天気:曇り。
干潮・満潮で取れる生き物は同じですが、満潮時には岩に隠れた大物がいるかもしれません。
魚取り網と、熱帯魚用網です。
海辺の散策に来た数家族のお父さんが「魚、魚がおる!網!網持ってきて無かったっけ?バケツで採れるかな・・」と叫んでいたのが印象的でした。
備えあれば憂い無し!
極小バケツも玉網も釣り道具もリュックサックに入ってます!
因みに隣国の方々が堤防、砂浜に大量にいますが、マテガイや食べれる生き物採集に集中しており、お魚観察のガサガサには興味を持たないので、ノンビリ過ごせます。
ここで、貝類の採取は禁止です。
クサフグ(草河豚)の稚魚
分類:フグ目フグ科
学名:Takifugu niphobles(Jordan and Snyder, 1901)
学名は「タキフグ」となっています。
フグは泳ぎが遅く小学生低学年でも皆簡単に捕まえる事ができるため、格好の遊び相手です。
更に、群れで大量におり、捕まえると「プクー」と膨らむサービス付き。
クサフグは身が少なく、筋肉にも多少の毒があるので市場に出回ることはほぼありません。
しかし味は淡泊で、広島で外道として釣れて防波堤に放置していたら、どこかのオッサンが「ご馳走が落ちてる!」と時々持ち帰ってました。
命知らず以外は真似しないでください。
シロメバル(白鮴、白眼張)の稚魚?
分類:カサゴ目フサカサゴ科
学名:Sebastes cheni(Barsukov,1988)
表層から底層まで色々なところにいます。
群れておらず、防波堤近く、砂地部分に時々見かける程度です。
泳ぐのは、そんなに上手ではありません。上から見ていても動きが根魚に似ています。
警戒心が高くスマホを近づけると逆サイドに逃げるため、なかなか上手に撮影することができません・・・・。
模様はメバルに似ています。捕まえたタイミングでは私もそう思いました。
ですが、見ていると顔が大きく、背びれが成魚と違う気がしています(誰か教えて下さい)。
根魚のような顔立ちはしていますが、同じような写真がインターネット上で見つかりません・・・・。
なお、2008年に国内で専門家による分類学的な見直しが進められ、DNAにより「アカメバル」「シロメバル」「クロメバル」の3種に分けられました。
これらは胸ビレの軟条数でも見分けられ、アカメバルが15本、クロメバルが16本、シロメバルが17本です。
こんな稚魚で、胸ビレの軟条数を数えるのは不可能です。
私の中ではシロメバルが一般的なのでシロメバルとしておきます。
なお、メバルの成長速度は3年で約15cm、5年で約20cm、30cmを超えるには10年程かかると言われており、飼っても可愛いかもしれません。
キビレ(黄茅渟)の稚魚
分類:スズキ目タイ科
学名:Yellowfin sea-bream(発見者、年分からず)
少し弱っていたので採れました。中層です。
中層にいましたが、これ一匹しか見かけませんでした。泳ぐのは弱っていてもキレイでした。
多少、身体の形が違う気がしますが、クロダイ(チヌ)特有の模様が体に出ており、これはクロダイ(チヌ)の仲間だと思われます。
見分けるコツは鰭を見るのが1番です。
キビレは胸鰭や腹びれ、尾びれの下側が黄色く、クロダイ(チヌ)は黒いです。
検見川浜突堤でキビレが釣れることは前回の聞き込みで確認済なので、これはキビレでしょう。
泳いでないと縦縞色が薄くなって分かりにくいな・・・。
ボラ(鰡、鯔)/メナダ(目奈陀)の稚魚
分類:ボラ目ボラ科
学名:Mugil cephalus(Linnaeus, 1758)/Liza haematocheilus(Temminck & Schlegel, 1845)
表層に10匹程度の群れで泳いでいます。
最初は青物の稚魚かと思いました。
が、回遊魚が内湾で10匹で浅瀬にずっといるとは思えません。
また、泳ぐスピードが違います。
じゃぁ、これは何だ?(@_@)?
ニジマスの稚魚のような色をしています。トラウト類かな・・・?とも一瞬思いましたが・・・。
あるツイートを見つけました。
目の上縁も赤いし体型もスレンダー。黒ゴマをふったような体側の黒斑点など、これはボラじゃあないね。多分メナダだと思う。
と書いてある稚魚にそっくりで、採取した写真を見るとボラ科の成魚の背ビレも持っています。
上から改めて見てみると、確かにボラの頭です。
と言うことでボラ科だと思われますが、ボラ科には「ボラ」「メナダ」「セスジボラ」「コボラ」「ワニグチボラ」など多種います。
正直ボラを区別して考えた事が無いです・・・。
ツイートでは「黒斑点(黒色素胞)」の有無で「メナダ」と結論付けていますが、ボラの稚魚でも似たような写真が見つかっており分かりません。
少なくともボラは出世魚なので「オボコ」「ハク(4~5cm)」ですね。
関西 – ハク(4~5cm)→オボコ(5~10cm)→スバシリ(5~10cm)→イナ(10~30cm)→ボラ(30~40cm)→トド(40cm以上)
高知 – イキナゴ→コボラ→イナ→ボラ→オオボラ
東北 – コツブラ→ツボ→ミョウゲチ→ボラ
ここでは最も大衆魚のボラの稚魚としておきますが、正式名称を誰か教えて下さい。
マゴチ(真鯒)の稚魚?
分類:スズキ目コチ科
学名:Platycephalus sp.(発見者、年分からず)
底層にいます。
正直、「〇〇コチ」の稚魚だと思いますが、どれか分かりません。
マゴチ | スズキ目コチ科 |
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メゴチ | スズキ目コチ科 |
ワニゴチ | スズキ目コチ科 |
ネズミゴチ | スズキ目ネズッポ科 |
ヤリヌメリ | スズキ目ネズッポ科 |
ここでは「マゴチ」の稚魚としています。
ネットで見ても、なぜか稚魚の時は尻尾がが白?透明が多いようです。
もう一匹、黒っぽい魚が写っていますが「アゴハゼ」か「ドロメ」だと思われます。
相変わらずハゼ・ヨシノボリの見分け方は難しいです。
アゴハゼ | ドロメと比べると胸鰭に点列があり、尾鰭にも明瞭な点列がある |
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ドロメ | アゴハゼと比べると胸ビレに模様がなく、尾ビレに白い縁どりがある |
クモハゼ | 2〜4本の黒っぽい帯が見える。アゴハゼと比較すると、クモハゼの方が頭が大きく見える |
イソハゼ | 頭に多数の黒色斑がある、胸鰭基底に2つの明瞭な黒色斑がある |
捕食関係としては「マゴチ」が「ハゼ」類を食べますが、稚魚の時は大きさが逆転して面白かったので一緒に撮影しました。
なお、横から撮影した写真は今回は撮ってません。
ギマ(銀馬)の稚魚
分類:フグ目ギマ科
学名:Triacanthus biaculeatus(Bloch, 1786)
なんだよ、、ギマって・・・広島にはいなかったよ、こんな魚。
波止場下で採取しました。
「アミメハギ」にも似ていますが、ギマ特有のツノが目立つのでギマでしょう。
カワハギ体型なのに、大きくなるのでウマズラハギのように身体が伸びてしまうのか・・・不憫な魚。。
内湾性で腹鰭と背鰭に非常に大きくて硬く鋭い棘を持ち、大量に粘液を出すため、やっかいな魚です。
ただ、検見川浜突堤の釣りではギマしか釣れてないので、皆さん持って帰って食べます。
味は美味しいようです。
なお、網を二本使っていた家族は大量にギマの稚魚を採って帰りました。
自宅でクエを飼っているらしく、餌にするそうです(クサフグは駄目らしい)。
ユビナガスジエビ(指長筋海老)
分類:エビ目テナガエビ科
学名:Palaemon macrodactylus(Rathbun, 1902)
エビ類も波止場近くや底層を網を走らせれば沢山採れます。
ですが、小さすぎて何の種類か全く分かりません。
タイドプールは「イソスジエビ」「スジエビモドキ」が多いですが、これは「テナガエビ」に似ていてスジが無く手が長いです。
このエビは私の辞書にありませんが、調べたところ「ユビナガスジエビ」だと思われます。
都内で浅瀬の生き物を探る中、もっとも個体数の多かったものが本種(軽く網ですくうだけで何匹も入ってくる)と書かれており、身近なエビのようです。
唐揚げで食べられます。
まとめ
シロウオ、シラス(イワシの稚魚)のような生き物も採れましたが、すぐに全滅してしまいました(※シラスは3mmの網目では採れません)
他にも、ダイナンギンポかアナゴの稚魚のような生き物も採取できました。
また、ミズクラゲ、アカクラゲなどもいたので注意してガサガサが必要です。
とにかく、海の魚影は濃くて良いですね。さすが「母なる大地」。
身体や道具に付いた海水掃除等に30分程度かかりますが、もう淡水魚のガサガサには戻れそうにありません。
気になった事として、マリンシューズの底がメッシュになっており水はけが良いんですが、細かい砂が入ってしまいます。
これが洗っても取れなくて、乾いても何時までもバラバラ出てきます。
同じようなコメントの人が何人かいるので、検討が必要です。
なお、2本のたも網(二刀流)は次のように使います。
- まず魚が逃げそうな進路を一方のたも網でガードしておく
- 逆側からもう一つのたも網を近づけ挟み撃ちにする
因みに防波堤では干潮になると3mの玉網では海まで届きませんでした。完全に潮が引いた時は5mぐらいは必要そうです。
でも、仕舞寸法が45cmとなる5mの玉網は見つかりません(50cmはありました)。