結局、タマゴは一日何個食べてよいのか?

「たまごはコレステロールが高いから1日1個まで」という話を聞いたことはありませんか?

それは過去。今では、コレステロールを多く含む食品を食べても、血中コレステロール値には影響がないとされています。

また、厚生労働省は2015年、日本人の食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃しました。

先にまとめると、

栄養価を重視すると1日1~2個。病気・早死リスクを抑えるなら1週間に3個

栄養価を考えて沢山食べても早死するなら、目的と手段が逆転している。

タマゴは多くの料理で使われているので、週3個にするのであれば、

【結論】タマゴは意識的に食べては駄目

という寂しい結論になります・・・。

【2021.11.03 追伸】

卵を毎日食べても、血糖値やコレステロール値に影響しないという研究報告があるので、人体実験をしてみました。

食事の内容は変更せず、毎日「生卵」を一つ食べるようにして、1年後の人間ドックの値を比較しました。

結果:

  • HDLコレステロール(HDL-Cho) +5(mg/㎗) 一昨年と昨年の比較 -1(mg/㎗)
  • LDLコレステロール(LDL-Cho) +19(mg/㎗) 一昨年と昨年の比較 -2(mg/㎗)

明らかにコレストロール値が上昇しています(今後は生卵を納豆に変えて実験継続予定)

そもそもの背景

アメリカ生活では「生タマゴ」はサルモネラ菌に汚染されている可能性があり食べれなかった。

そして、お米は「田牧米ゴールド」などがあるが、「山形県産 つや姫」と比べて美味しくない・・・。

その反動なのか「卵かけご飯」が食べたくて仕方ない。

今では、専用の醤油まで購入して朝食で食べている。
 

 

ただし、東大出身の同期は、学生時代にタマゴ食べ過ぎで「高脂血症」と診断されてしまった。

逆に、ニュースで「何個食べても問題ない」という記事も出ている。

一体、何が正しいのか?調査してみた。

説1「卵は一日 男性:13.4個、女性:10.7個食べてもよい」

ネット上でもっとも多くのタマゴを食べて良いことを推奨しているページを見つけた。

[参考] 【決定版!】卵って1日に何個食べていいの?~上限のお話~

何が「決定版」なのか分からない。理学療法士のようだが訪問者を引きつけるような記事を、自己主張を入れて書くのはやめてほしい。
 

 

このサイトは、公的機関が出している各栄養素(カロリー・コレステロール・脂質・炭水化物)の上限と適切な摂取量を基に、卵を何個食べていいか計算しています。

つまり、Mサイズを60gとして、男性2500kcal、女性2000kcalの「脂質だけで撮っていいカロリー上限(30%とする)」を計算しています。

[タマゴMサイズの栄養価]

  • カロリー:91kcal
  • 脂質:6.2g
  • 炭水化物:0.2g

[脂質だけで撮っていいカロリー上限]

  • 男性:2500の30%で750kcal
  • 女性:2000の30%で600kcal

[カロリー÷卵の脂質の分のカロリー]

  • 男性:750kcal÷55.8=13.4
  • 女性:600kcal÷55.8=10.7

この主張は、考慮すべき幾つかに目を閉じているように感じますが・・・・。

少なくともタマゴしか食べないのであれば、最高で一日 13個食べてもよいというのが「脂質」観点で上限値というのをスタートとして進めていきます。

説2「1日10個まで食べてもOK」

またもや衝撃的な記事です。

ゆで卵は一日何個まで食べて良い?驚きの新常識とは

筆者はインストラクター(兼、ラジオパーソナリティ)のようだけど、考えがブッ飛んだ人はマスメディアで語るのは危険だなぁ・・・。
 

 

この方の記事で注目しているは「コレステロール」だけ。

日本で1981年に、人体とコレステロールに関する興味深い研究結果が発表になりました。

健康な成人に、1日5~10個のタマゴを5日間連続して食べさせるという実験です。
その結果、1日に10個ずつ食べた人でも血中コレステロールの値はほとんど変化しないことがわかりました。

 

 

この記事のソースを調査してみると「一般社団法人日本卵業協会」が元ネタのようです。

で、さらに論文を探してみると、下記が参考文献だと思われます。

鶏卵の人血清脂質に及ぼす影響、辻悦子、鈴木慎次郎 (国立栄養研究所)

【要約】健康成人に卵を1日当り5個ずつ摂取させ血清脂質濃度の変化を調べた。その結果鶏卵のコレステロール上昇作用はあまり著しくないことがわかった。
【用語解説】血清脂質:血液中の液体成分である「血清」(serum)に含まれる脂質をいう。

辻氏の研究は、調理加工に伴って卵黄や卵白の性状が変化することによる血中コレステロール濃度に及ぼす影響などは一切考慮されていない事が指摘されています(例:「鶏卵の摂取がラットの血中コレステロール濃度に及ぼす影響」小川宣子(中部大学応用生物学部)、‎2013年)
 

 

古いが、少なくとも研究に基づいた記事ではあった。ただし、注目点は「血中コレステロール濃度に及ぼす影響」だけである。

説3「1日3個まで食べてほしい食品」

こちらも「一般社団法人日本卵業協会」が参考サイトです。

卵にはコレステロールを除去するレシチンという成分が多く含まれているため、毎日2個食べても上がらないという研究結果があります。

さらに、大人なら、アミノ酸の摂取量を考えると1日に3個程度は食べてほしい食品のようです。

結論的には個数に制限はありませんが、全国鶏卵消費促進協議会では「私がこんなにキレイなのは1日2個のたまごのおかげ」と1日2個を勧めるキャンペーンを実施しています。もしも卵を沢山食べる際は、一日の食事バランスに配慮して野菜も沢山食べることをおすすめします。

そもそも、この協会が「卵の普及」目的なので、この記事をそのま信じることは危険だな・・・。

特に「コレステロール」にしか言及してないのが気になる。

【追伸 2021/1/30(土)】

多くの人は「卵は1日に1個まで」といった、過去のまちがった認識でいるようですが、厚生労働省は2015年に「食事からとるコレステロールは、血液中のコレステロールに影響を与えない」と発表しました。

「卵は1日3個」専門家が最強のスーパーフードと断言するワケ メンタルにも筋肉にも肌にも効く
夜10時から深夜2時とされてきた「睡眠のゴールデンタイム」は実は無かった、「卵は1日1個まで」も間違った認識……。最新の研究で覆された気になる健康情報をバイタルアナリストの佐藤智春さんが解説します――。

Yahooのヘッドラインニュースでも取り上げられていましたが、これは2015年の厚生労働省の見解に筆者の願望を記事井しているに過ぎません。
令和の時代に、このような低レベルな調査の執筆記事でお金を貰えるのは羨ましい限りです。

説4「卵は毎日食べても大丈夫」

卵の摂取量と健康への影響を検討した研究論文が、英国循環器学会誌の電子版に2018年5月21日付で掲載されました。

研究では、中国に在住している心臓病や糖尿病を有していない46万1213人(平均50.7歳)が解析の対象となりました。

被験者は、過去1年間における卵の摂取量について調査され、その摂取頻度に応じて、「毎日摂取」「週4~6日摂取」「週1~3日摂取」「月1~3日摂取」「ほとんど摂取しない」の5つの集団にグループ分けされています。

結果に影響を与え得る社会人口学的特徴や生活習慣などの因子で統計的に補正を行い、心臓病、脳出血、脳梗塞などの発症リスクが比較されました。

中央値で8.9年の追跡調査の結果、卵を毎日摂取すると、ほとんど摂取しない場合に比べて、心臓病のリスクが11%、脳出血のリスクが26%、脳梗塞のリスクが10%、統計的にも有意に低下することが示されました。

 

 

あれ?タマゴ食べて健康になってるじゃん!!

と思ったら、

卵を食べることができる人は健康上の理由で医師から食事制限を受けていないなど、もともと健常者である可能性があり、この研究結果は必ずしも因果関係を示すものではありません。

と、薬剤師の方が語ってました(参考「卵は毎日食べても大丈夫? 研究論文が英学会誌に掲載」)

説5「1週間に5個まで大丈夫」

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)内科学助教授の津川友介氏の「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」という著書には

卵の摂取による血中の悪玉コレステロールへの影響は少ないが、病気への影響はあるとする。
卵を1日1個以上食べるグループは、ほとんど食べない(1週間に1個未満)グループと比べると、「2型糖尿病を発症するリスクが42%高い」「糖尿病患者では、心筋梗塞や脳卒中で死亡するリスクが69%高い」
また、卵を1週間に1個未満しか食べない人たちと比べて、
卵を1日1個食べる人たちでは28%、
1日2個以上食べる人たちでは64%も心不全を起こすリスクが高いとする別の研究も紹介。
この研究では、卵の摂取量が1週間に6個までであれば心不全リスクは上昇しなかったとする。

 

 
要するに、「卵を食べても血中の悪玉コレステロールは上がらないから、いくら食べても大丈夫だ」

という、上記までの研究に対して「病気になるリスク」が指摘されているので、摂取は慎重になりなさい。

という事です。

ただし、、証拠の文献と書いてあることが一致してなかったりと、多少不親切な書籍です。

説6「1週間に3~4個食べると早死」

2019/03/18に「1週間に卵を3~4個食べる人は、そうでない人に比べて心疾患や早死にのリスクが高い」という調査結果がアメリカの医師会雑誌(JAMA)で発表されました。

論文を執筆した米ノースウエスタン大学のビクター・ゾン氏です。

研究チームは、2万9000人あまりについて平均で17年半にわたって追跡調査した米国内の6研究グループのデータを詳しく調べた。

その結果、心血管系の疾患を発症していたのは計5400人で、うち1302人は脳卒中(死者を含む)、1897人は心不全(同)を発症し、113人はそのほかの心疾患のため死亡していた。それ以外の原因で死亡した患者は6132人だった。

今回の調査では、食事からのコレステロール摂取が1日当たり300ミリグラム増えると、心疾患に関連したリスクは3.2%高まり、早死にする可能性は4.4%増えるという結果が出た。

ここまで健康常識というものが二転三転すると、我々は一体なにを信用すればいいのか分からなくなってしまいます。

しかし今回の研究は従来の研究に比べてはるかに包括性が高くなっています。

卵の消費や食事からのコレステロール摂取と、心血管系疾患との関係は長年の論議の的になっているが、最近の研究では重要性は薄いと考えられていましたが、今回の研究は従来の研究に比べてはるかに包括性が高いという結論が出ています。

その他「日本人女性は卵を食べすぎるとガンになりやすい」

他にもショッキングな記事が、「欧州臨床栄養学雑誌」に掲載されてました。

日本人を対象にした研究で、卵を1日に2個以上食べる女性は、1日1個食べる女性よりも全死亡リスクが約2倍、がん死亡リスクが3倍以上も高かったというのです(Nakamura Y, et al. Eur J Clin Nutr. 2017 Dec 29.)。

この研究は、食生活や喫煙歴といった生活習慣と、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中など循環器疾患との関係を調べる「NIPPON DATA90」という国の研究データを使って分析したもので、脳卒中・心筋梗塞を起こしたことのない30歳以上の女性4686人を15年間追跡した結果に基づいています。

女性たちを卵の摂取量が週1個未満(203人)、週1~2個(1462人)、2日に1個(1594人)、1日1個(1387人)、1日2個以上(40人)のグループ(群)に分け、それぞれと病気との関連を調べたところ、卵の摂取量と血清総コレステロール値や心血管疾患死亡とは関連していませんでした。

 

 
うーん、ガンの死亡リスクが3倍って・・・もう食べちゃ駄目なレベルじゃないの。。

分析しようと思ったけど、もう死ぬリスクがあると言われているのに、肯定する内容書いても仕方ないな・・・うーん。

まとめ

他にも、生卵の白身を食べ過ぎると、ビオチン欠乏症というのになるらしい。

どんな症状が出るかというと、次のようなものです。

  • 白髪・脱毛
  • 歯周病の悪化
  • 倦怠感・疲労感
  • 血糖値の上昇
  • 神経障害
  • 味覚異常
  • うつ病
  • 不眠症
  • 肝硬変
  • 皮膚の炎症・湿疹
  • 胎児の奇形を誘発

もう、何も言えない・・・・。タマゴ怖い。。週に1度ぐらいだけ卵かけご飯食べるしかないな。。

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