アメリカでも牡蠣は人気の食材で、生ガキも人気です。
サンフランシスコから車で1時間強北上すると、Tomales Bayという湾岸エリアに到着します。
このあたりは牡蠣の産地で有名なエリアで、いくつものオイスターファーム(牡蠣小屋)があります。
駐在妻のブログを見ると
Tomales Bay Oyster Companyで安く大量に牡蠣を購入し、ピクニックエリアでBBQして食べました。美味しくて幸せ、オホホホホ。
といつも通り中身の無い記事を目にします。
なお、Tomales Bay Oyster Companyは2015年10月16日以降はBBQグリル付きのピクニックエリアを閉鎖しました。
一方、サンノゼ界隈で牡蠣を買うなら「K&C Food Wholesale (841 N 13th St, San Jose, CA 95112)」が有名です。
売ってる種類は美味しいと称される順に「クマモト」「シゴク」「ビッグ・バスタード」があります。
試しに「クマモト(60個 $80)」を買ってみました。
味は塩味が強く濃厚ですが、何かもの足りません。
アメリカの女性達も、きっと同じことを思ってるはずです。
私、小さすぎて満足できない!
サイズは日本のソレの1/3程度の大きさです。
2cm です。
短小です。
別品種を食べにハワイ(ウルフ・ギャング)に飛びました。
こちらはワシントン産の「クッシ」。
若干クマモトより大きいです。
でも・・・
やっぱり私、小さすぎて満足できない!
ということで、
なぜ、広島牡蠣でなく熊本牡蠣が養殖されているのか?
なぜ、小さい牡蠣が普及しているのか?
牡蠣養殖の歴史を確認してみました。
日本での牡蠣養殖の始まり
日本での牡蠣養殖の始まりは、2つの伝承があります。
- 天文年間(1532年~1555年)に安芸国(広島県)で発明したとする説
- 寛永年間(1624年~1644年)に仁保村渕崎(広島市南区仁保)の吉和屋平四郎が石蒔養殖からひび建養殖法を開発したとする説
その後、1743(寬保3)年に仁保島の14人の牡蠣船営業者は、大阪での販売を独占するためにカキ株仲間を結成しました。
因みに、その株仲間の一人に私の先祖がいます。
アメリカに日本の牡蠣が進出した理由
その頃、アメリカのカキ市場は2種類の牡蠣が独占してました。
- 90%を占めるイースタンオイスター(東部のカキ)
- 10%がウェスタンオイスター(西部のカキ)
しかし西部のカキが乱獲と寒さに弱いため生産が減少してしまいました。
そこで東部のカキをはじめ、様々なカキを用いて養殖を試しました。
その際に明治30年半ばに、宮城県(松島など)の種ガキが大量にアメリカに運ばれるようになり、各地で日本カキが養殖され始めました。
アメリカ産牡蠣「クマモト」が生まれた理由
1940年代から1950年代初頭にかけて、カキの乱獲およびカキ自体の病気が原因で、アメリカの牡蠣は絶滅の危機に瀕しました。
そこで再度生命力の強い日本の牡蠣が注目されました。
当初アメリカは実績のあった宮城県のカキを要望しました。
ところが、戦争の余波でアメリカが望むような大量の発注には対応できませんでした。
また、広島は原爆投下の被害で対応できない状態でした。
そこで、日本でもあまり知られていなかった熊本県八代湾のカキが輸出されました。
アメリカ産牡蠣「シゴク」、カナダ産「クッシ」が生まれた理由
熊本から輸出された「クマモト」は、他の種に較べて育ちが遅い上に成熟後でもとても小さい牡蠣です。
また潮の加減や天敵の鬼ヒトデにやられる率も高くて、3~4年程大事にして育てても、口に入るのはホンの数%程度です。
にも関わらず、アメリカては「ウェスタン・ジェム(西方の宝)」と呼ばれ大絶賛されました。
理由は、味が濃く美味しい事がアメリカ人の心を掴んだからです。
そこでアメリカやカナダのカキ養殖者は、この「クマモト」に憧れ、「クマモト」に似たカキの生産に挑戦しました。
これにより、
- カナダの「Kussi(クッシ、屈指)」
- ワシントンの「Shigoku(シゴク、至極)」
などが生まれました。
まとめ
熊本牡蠣がアメリカで養殖されてる理由、小さな牡蠣が好まれている理由が分かりました。
日本人は大きいカキが大好きです。
アメリカ人は小さいからこそ美味しいことを知ってます。
そう。
アメリカには有名な言葉があることを日本人男性は知ることです。
Size doesn’t matter.
(サイズは重要ではない)