とあるサイト「大企業に就職することの本当のメリット5つ、デメリット5つ」によると、次のように書いてある。
【メリット】
- 今でも中小企業や独立するよりは圧倒的に安定
- 残業代とボーナスの存在
- たいして仕事をしなくてもお金がもらえる
- 他の大企業に転職できるし、中小企業にも転職できる
- 男性社員はモテる
【デメリット】
- 専門的な仕事をすることも多く、潰しがきかない
- 理不尽な転勤
- 今後はポスト不足になる
- 個人が有能でもそれが結果に直結しない。スピード感がない
- そもそも安定を追い続ける、しがみつく人生を楽しめるか
この人は大企業に就職した事がないと思う。
最近はアフィリエイトの収益を求めるために「とりあえず記事を書きました(まとめました)」という人が多い気がしてならない。
また、「大企業のほうが成長できるとか完全にウソ」によると、「大企業」は最も成長スピードが遅い選択肢と書いてある。理由は次のとおり。
- 「大企業は研修制度が整ってる。だから成長できる」は、まったく成り立たない
- 人の成長は「ぐちゃぐちゃな環境で成果を求められるか」。整った環境でしか仕事の経験がないので成長できない
- ベンチャー企業なら「海外市場に出ていく。君行って来て!」「えっ!?ひえー!」と成長過程が早い
一方「『大企業のほうが成長できるとか完全にウソ』は完全にウソ」は上記の半分を否定しているところも面白い。
成長過程が遅い・早いかは人それぞれ。
私自身が大企業に就職しているけど、英語ができないにも関わらず
「シリコンバレーの企業と組んで商品を出す。2ヶ月後から数年間行って来て。」
「えっ!?ひえー!」
でした。「希望を募って、研修した後で・・・」という対応をしている大企業は今の時代ないです。
私は大企業に勤務し、出向や海外赴任を経験しました。また、大企業に就職する前はITベンチャー企業2社の研究員として働いていました。
なお、私の考える大企業に勤めるメリット・デメリットは次のとおり。
【注意】
- 大企業とはGoogle、ソニー、トヨタなどブランド価値が高い世界的に有名で最先端を目指している企業を指しています。
- 中小企業とは従業員200人前後・資本金1億以下の会社(ただし子会社・孫会社ではない)を指しています。
- ベンチャー企業とは従業員20人前後、資本金1000万円以下の会社、設立して10年未満を指しています。
大企業に勤めるメリット
ブランドに誇りを感じて仕事ができる
大手企業は、(良い意味・悪い意味でも)ニュース・報道で自分の会社が取り上げられる。
商品やサービスにはファンがいる。ブランディング戦略により、テレビCMを行ったりテレビスポンサーになったりしている。
もともと、その会社の製品が好きで入社している人も多いので、心の奥底でメーカ勤めを誇りに思っている人は多い。
その会社が好きで働いているので、モチベーションがもともと違う気がする。
勿論、中小企業でもその会社が好きで好きでたまらなくて入社した社員がいれば、誇りを持ちながら働いているかもしれない。
施設、研修等の設備・福利厚生が充実した環境で仕事ができる
複数の社員食堂や社員用の施設(運動場、カフェテリア等)が充実している。少なくとも中小企業よりは。
Googleなんて食事は無料だし、アメリカのGoogleであればテニスコート、ボウリング場、プール、映画館が完備されている。
多くの技術を持った人も多いので、社内完結型研修制度もあるし、やる気があれば「社内ベンチャー制度」や「アイデアコンテスト」、「留学制度」等もある。
ただし、研修制度が多いことが「社員としての成長過程を早める」かどうかは話が別です。
(研究者・開発者として)優秀な社員が圧倒的に多い環境で切磋琢磨しあえる
これには、2つの理由がある。
人る単純に母数が多いので優秀な人の数も多いという単純な理由。
もう一つは、もともと大企業に就職する人は高学歴の人が多い。なので、たとえ知らない事に遭遇しても習得が早いという理由。
大企業は研究開発費が豊富なので、それに比例して研究開発技術者のレベルも高い傾向がある。
勿論、天才プログラマが起業しているケースもあるため、ベンチャー社員の方が個人を見ればレベルが高い人がいるかもしれない。
でも人数が増えればパレートの法則(2:8の法則)が成り立つようになり、優秀な社員の総数は大企業の方が多いと思っている。
優秀な人数が多ければ自分の目指す成長像も想像しやすい。
大企業に勤めるデメリット
プロジェクト達成のスピードが遅い
大企業病と呼ばれる一つ。
個々の判断で行動できない(上司承認、リーダー承認等が必要)ため、どうしてもスピードが遅くなる。
また、上司に説明するためのパワーポイントやdocumentの作成などに時間を取られる事が多い。
Googleですら、少しずつこの大企業病にかかりつつある。
会社の規模が大きくて、会社の歴史が長ければ長いほど、この傾向が高い。
ただし「プロジェクトが遅い=個人の成長が遅い」は成り立たない。
若くして幅広い知識(開発以外)は身につかない
たとえば、ベンチャー会社であれば「30歳で課長・部長・取締役」になっているかもしれない。
そうすれば、社員のマネジメントやバジェットの管理など、社員や株主の利益を考えて行動するマインドが早くして身につく。
また、人数が少ないので開発~営業まで一人でやっているケースもあるかもしれない。
大手企業では30歳代で課長になる人はいても、部長になる人は皆無に等しい。
さらに取締役までの道のりは、事業部長、本部長・・と果てしなく遠くて長い・・・。
「将来は起業するから経営戦略やマネジメントを実践で学びたい」という人には大企業は向いていない。
ただし大企業は意識高い人も多いため、MBA取得のため業務後or留学する人も少なくない。
まとめ
中国や韓国さらには新興国の企業とのシェア争いが激化しているため、「大企業=安定」という神話は既に無いことは社員でも分かってる。
ただ、現状として大企業で働く男性が高い賃金をもらっている傾向はある。
また、次のコメントが的を得ている。
その辺の中小企業に入ってみると、格差は給料だけじゃないのがわかる。文化的にも死ぬ。僕が中小企業にはいって、休み時間に最初に聞こえてきた会話は、休日のパチンコの成果と、拾った財布で風俗に行った話だった。テレビや芸能人の話も多い。マイルドヤンキー像って、下層社会をよくとらえてると思う。
中小企業やベンチャーを勧めるリクルート関係の会社は、その後のその人の人生まで責任を取ってくれるのだろうか・・・・・。
アメリカ人は「ベンチャー思考」という人がいるけど、シリコンバレーの学生達に聞いてみたところ、
「ベンチャー会社を作りたい」
であって、
「ベンチャー会社に入りたい」
では無いことが分かる。
- 1)一番優秀な学生は、仲間を連れて起業する
- 2)成績上位の学生は最大手企業(Google、Apple、Facebook)に入社する
- 3)成績中位の学生は準大手企業(Yahoo 等)に入社する
であり
「既に起業しているベンチャー会社の社員になる」
というのは成績下位学生の就職先。
日本と一緒。
あとからベンチャー会社に入っても創業メンバーじゃないから持ち株無いor低比率だしね。