視覚や触覚、聴覚に対するデバイス・商品は、様々な会社が商品を競うようにリリースしています。
ですが、味覚と嗅覚に対するデバイス・商品は殆ど見かけることがありません。
電機メーカーが「4Kとハイレゾ音源は5感を刺激する!!」といったところで、味覚や嗅覚まで刺激されるとは思えません。
あまり身近でない「味覚・嗅覚に対するデバイス」に関して調べてみました。
味覚
生理学的には「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」の5つが基本味に位置づけられています(「うま味」は英語でも「Umami」です。)
3D フードプリンター (Atomium/ChefJet/Mars)
3Dプリンターが流行していますが、3Dフードプリンターも登場し始めています。
「ChefJet」は、水・砂糖・フレーバー・着色料を投入することで、様々なキャンディや砂糖菓子を作ることができます。
「Mars」はNASAが出資した3Dプリンターで、3Dプリント技術とインクジェット技術を使いピザなど、様々な形や食感の食べ物を出力します。
Digital Lollipop
シンガポール国立大学のニメシャー・ラーナシン博士が開発した仮想的に「味」を体感できる味覚再現デバイスです。
舌の先端に銀でできた電極を当て、その電極に微弱な高周波電流を流し刺激を与えることで、仮想的に「味」を体感できます。
今のところ「うま味」以外は再現できるそうです。また、味を指定するマークアップ言語「TasteXML(TXML)」も提案しています。
インターネットを通じて、購入前に試食・試飲ができる時代も遠くないかもしれません。
嗅覚
匂いは生活において重要な要素をもっています。
醤油の匂いを嗅いで日本のことを思い出す、香水の匂いで昔の彼氏彼女を思い出す。
このように香りで、過去の記憶が蘇る作用のことを、Proust Effect (プルースト効果、 プルースト現象)といいます。
Scentee(旧 ChatPerf)
「着パフ株式会社」が発売している、メッセージが届くとiPhoneが香るガジェット「Scentee(旧 ChatPerf)」です。
メール受信、SNSのお知らせなどのプッシュ通知、アラームなどに連動して香りが吹き出します。
和製クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で150万円の調達に成功し商品化となりました。
今後は、友達にメッセージとともに優しい香りを送ったり、ゲームで攻撃した時に火薬の匂いを出すなど色々な用途で使えそうです。
マドレーヌ:Madeleine (2013/07/01)
デザイナー「Amy Radcliffe(Pitch, Unilever)」が開発した香りを保存することができるカメラです。
香りの元となるものを、ガラス製の「マドレーヌ・ドーム」という容器の中に閉じ込めます。
揮発性物質の分析に用いられるヘッドスペース法を利用して、ドームの内部を加温して発生した揮発物質=香りを吸引して捕まえます。
カメラで写真を撮るように香りを保存できる時代が来るかもしれません。