つくし(土筆)・ノビル(野蒜)摘み(有毒種の区別と調理方法)

春だ。

千葉市内を自転車で走っていたらツクシ(土筆)が大量に生えていた。

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ツクシ(土筆)は、ペットのシャワーや除草剤、排気ガスなどが付いているところでよく見つかる。

よし、今回の日記は「排気ガスまみれのツクシ(土筆)摘み」にしよう。

  

・・・と思ったが、、、

ツクシ(土筆)摘みは数年前に紹介(東京 二子玉川@ツクシ&四つ葉のクローバ採り)済だ。

ならば、今回は「ノビル(野蒜)摘み」に挑戦したい。

  

そもそもの話は、小学生時代

「冒険図鑑」が子供の頃の愛読書だった。

学校の図書館で見つけ返すのが惜しく、何度も借り直しをしていた。

そして、野外活動や修学旅行でも常時 持っていた。

 
「こいつ、遭難した場合に備えてとか考えてるんだよ。馬鹿だよなー」

 
と、言われながらも持ち歩いていた。

高校時代の夏休みにはキャンプで島に渡り、野草を摘み、釣った魚を調理し自給自足の生活を過ごしていた。

 
 

いや、それ「キャンプ」じゃないから・・・

英語では「サバイバル」というから・・・

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と、赴任中にアメリカ人に突っ込まれた事も思い出す。

 
 

さて、話を元に戻そう。

ともかく「ノビル(野蒜)摘み」は子どもの時から探すのが夢だった。

そもそも日本人は古来より「ノビル(野蒜)」が大好きな人種である。

  

それを裏付けるのが、応神天皇(380年頃)の古事記の詩だ。

ここに御歌に曰(ノ)りたまはく、

いざ子ども 野蒜(ノビル)摘みに
蒜摘みに わが行く道の 香ぐはし 花橘(ハナタチバナ)は
上枝は 鳥居枯らし
下枝は 人取り枯らし
三つ栗の 中つ枝の

ほつもり 赤ら嬢子を
いざささば 宜らしな

【現代訳】

応神天皇は歌いました。

さあお前たち、ノビルを摘みに行こうよ
ノビルを摘みに私の行く、道のほとりに植えつらねた かぐわしい橘の花は
上の方の枝は、鳥がいて枯らしてしまうし
下の方の枝は、人が取って枯らしてしまうから
真ん中の枝の、まだ熟しない実がいい

その実みたいに 顔色の美しいお嬢さんを
「さあ一緒に寝よう」と誘えば、よいだろうよ。

  
  

つまり「ノビル(野蒜)摘み」と「淫行」は日本人の性なのです。

  
  

なので「ノビル(野蒜)摘み」がDNAに組み込まれている事が分かってもらえたと思う。

ノビル(野蒜)探し

さて、再確認しよう。

今回の獲物は「ノビル(野蒜)」だ。

そして、外見は「ネギっぽい」という事が判明している。

  

なお、注意すべきは有毒「スイセン(水仙)」である。

被害報告も届いている。

2016年5月6日、長野の小学校で児童10人と女性教諭1人(40代)が山菜のノビルと間違って、校庭に生えていた有毒植物のスイセンの根を食べ、嘔吐(おうと)するなどの食中毒を訴えたと発表した。

【引用】毎日新聞2016年5月7日

ちなみに、これがスイセン(水仙)だ。

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さすがに見間違わないだろ・・・。

てか、なぜ校庭に生えている植物を食べた。。

※葉が落ちた状態で持ち込まれて見分けがつかなったとの事

  
  

では、調査開始。

獲物はすぐにみつかった。

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そうそう、これこれ!!

ネギっぽくて花も白い。

 
 
 

って、これ「毒性植物」だから!

  

これは、スノーフレーク (ヒガンバナ科)だ。

和名はオオマツユキソウ(大待雪草)、別名はスズランスイセン(鈴蘭水仙)という。

アルカロイド類が含まれているので、食後 30 分以内に「吐き気」「嘔吐」「頭痛」などの食中毒の症状がでる。。

  

うぬぬ、この知識だけでは危険だ・・・

  

もっともっと、「冒険の書」よく思い出すんだ。

葉はネギっぽく、もっと細く尖っていたはず。

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おお、まさしく!

ようやく、ノビル(野蒜)発見です。

しかも、ウホッ!!こ、こんなに!

  
  

では、さっそく掘ってみましょう。

引っ張りながらスコップで根元から掘ります。

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茶色の皮がついており、皮を外すと白い球根が見えました。

想像より、デカイ!鼻息も荒立ちます。

 

そうそう、これこれ!!

 
 
 
 

って、これも「毒性植物」だから!

  
  

これは、「タマスダレ(玉簾)」だ。

別名「レイン・リリー 」というヒガンバナ科の植物である。

アルカロイド類が含まれているので、食後 30 分以内に「吐き気」「嘔吐」「頭痛」などの食中毒の症状がでる。
  

特に、花を咲かせてない早春の状態は、葉も球根も野蒜(ノビル)と間違えやすい。

  

って、山菜採り危険過ぎでしょ・・・。

もう「冒険の書」に書かれていた事を思い出せないです・・・。
  

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おきのどくですが ぼうけんのしょは きえてしまいました・・・
  

見つかるのは細い雑草に紛れた土筆(つくし)ばかり・・・。

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ん?

あれ?

この雑草が、ノビルじゃね?

近くにあった木を使って掘ってみると、想像以上に小さい球根が出てきた。

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さきほどのタマスダレ(左)と比べてみる(右)と、本当に小さい。

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ただし、臭ってみるとネギ臭い。

ノビル(野蒜)はヒガンバナ科だが、ネギ亜科ネギ属なので、ネギ臭いはず。

ともかく、こいつがノビル(野蒜)に違いない。

  

簡単に判別方法をまとめておく。

種類 毒性 匂い 鱗茎 葉先 その他 特性
ノビル(野蒜) 白色(6月) ネギ臭 白色 尖っている 葉がくねくね。葉中が空洞 道路わき草むら・田畑でみかける。単生が多い
アサツキ(浅葱) ピンク色(6月) ネギ臭 赤色で雫の形 尖っている 葉がまっすぐ。葉中が空洞 水はけのよい場所に数十本ほどの株で発生する
スイセン(水仙) 有毒 白色・黄色(3月) 無臭 茶黒の皮 丸い 葉を切るとV字。
タマスダレ(玉簾) 有毒 白色(8月) 青臭い 茶黒の皮 葉がまっすぐ。葉が濃緑。葉中が空洞でない
スノーフレーク(鈴蘭水仙) 有毒 白色(3月) 無臭 茶黒の皮 白色のスズランのような花が咲く
ヒガンバナ(彼岸花) 有毒 褐色(8月) 大きなタマネギたまねぎ形 江戸時代には毒抜きしてイモと並ぶ貴重なエネルギー源とされた
キツネノカミソリ 有毒 狐色(8月) 茶黒の皮。鱗茎が小さい カミソリに似ている

さて、「つくし(土筆)」「ノビル(野蒜)」が大量に採れた。

次は調理だ。

つくし(土筆)の捕り方

老婆心ながら記載しておく。

つくしの大きさは、長さ10~12cm(太さは6mm程度)のものを探す。

そして、穂先はしっかり詰まっていて、褐色になっているものがベストだ。

ただ、子供や苦味が嫌いな方は、カサカサになったつくしの方が苦味が少なく食べやすい。

苦味は胞子の部分が一番強いので、「胞子出がらしツクシ(土筆)」は苦味がほとんどない。

でも、味は落ちるので、茎は節と節の間が短く、頭がよくしまったものが良いだろう。

つくし(土筆)の下ごしらえ

とにかくつくし(土筆)は下処理が多い。

まず、ハカマ部分を爪ではぎ取った後に灰汁抜きの作業が必要となる。

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ツクシ(土筆)は、抗アレルギー効果のあるコハク酸を含む植物で、「アレルギーによる炎症」や「かゆみ」を軽減するという日本大学の研究結果も出ている。

豊富な栄養素が含まれているので、昔から漢方薬として広く知られており、花粉症対策としても注目されている。

ただし、ツクシ(土筆)もアルカロイドや無機ケイ素などを含むので、多量に摂取することは望ましくない。

 
 

で、ハカマを取った次はあく抜き。

  • まずハカマを取り去った土筆を水で綺麗に洗う。2~3回に分けて丁寧に洗う。
  • その後熱湯で湯通しをする。この時熱湯が土筆の胞子によって緑色に変わる。これが灰汁だ。
  • 灰汁抜きはしすぎても苦味が無くなるので5分ぐらいが良い。
  • そして、酢を入れた水につけて一晩寝かす。

苦味を楽しみたい人や天ぷらとして調理する場合などは少なくしてみたり、苦味を無くしたい人は多めに取ってみたりと、この灰汁抜き作業で味が決まるといえる。

あとは、ぎゅっと絞り、水気を切ったツクシ(土筆)で調理していく。

ノビル・あさつきの下ごしらえ

アサツキは、ノビルよりも淡白で、球根を生のまま味噌をつけてカジるのが美味しい。

逆にノビルは、ちょっと味がきつすぎて、生で食べることは難しい。

と言うより、都市部の道端の雑草を生で食べる気にはならない。

味は、ノビルはニラに似て、アサツキはネギに近い。

ちなみに、ノビルは収穫後、時間が経つとストレスで辛味が強くなり、香りも悪くなる。

根を切り、皮を剥げば見た目はもう食材だ。

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ここまで、書いておいてあれだが・・・

 
 

山菜食べるの好きじゃない・・・です。

 
 

ああ、現代っ子。。。

楽しいのは採取と調理まで・・・。

吉野屋やマクドナルドの方がウマイでしょ。

ということで、味も楽しむ事もなく「豚生姜」と一緒に炒めてしまいました。

【材料】

  • 醤油
  • ミリン
  • 砂糖
  • 生姜
  • ニンニク

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全部一緒に、さっと炒める。卵でとじて終わり。

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ピリ辛、苦味入りな豚生姜焼き。

そして、山菜抜きのほうが断然美味い・・・。

世の中でも山菜を「季節をいただく」という表現するけど・・・。

要するに舌で感じる美味しさという意味では山菜は決して美味しくない・・・ということ。

だって、本当に美味しいのであれば、栽培して常に食べるでしょ。

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