ブライアン・ジョンソンとオリバー・ゾルマン博士によって設立された
若返りオリンピック(Rejuvenation Olympics:リジュビネーション・オリンピック)
というサイトがある。
創立者 | 説明 |
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ブライアン・ジョンソン | 米国の起業家(Braintree Venmo創業者)。45歳で、生物学的年齢を18歳に近づける「Project Blueprint」を推進 |
オリバー・ゾルマン | 英国ケンブリッジ在住のアンチエイジング専門医。科学的競争を通じて長寿研究を加速させるビジョンを持つ |
TruDiagnostic社 | ケンタッキー州のエピジェネティクス研究所。DunedinPACEテストを提供し、リーダーボードの運営を担当 |

参加者がDunedinPACEというエピジェネティック(後成遺伝学)テストを通じて生物学的年齢を測定し「老化速度」を競う(ランキング形式で表示)。
公式スローガンは
You win by never crossing the finish line(ゴールラインを決して越えないことで勝つ)
リーダーボードは毎日午前4時(EST)に自動更新されトップ25が公開される。
幾度なく変わるルール変更により「ランキングの公平性」に疑問が呈されている。
彼が導入したルール変更の結果、彼は7位から3位にランクダウンし、トップ10には他に誰もいなくなりました。ジュリー・ギブソン・クラークのような人物は2位から93位にまで落ちました。
ブライアンには明らかな利益相反がありルール変更はそれを反映している。利益相反のない中立的な第三者がルールを定め、監督するべき。
The Rejuvenation Olympics Are Dishonest
byu/SlowMyAge inblueprint_
一方で、TruDiagnostic社のCEO「Matt Dawson」はルールが一貫していると主張。
何をどうやって測定しているのか?
DunedinPACEは、ニュージーランドのダニーデン多世代研究(Dunedin Multidisciplinary Health and Development Study)を基に開発された血液バイオマーカー。
血液サンプルからDNAメチル化を分析し、生物学的年齢を測定する。
DNAメチル化パターンを分析し、暦年に対する生物学的老化速度(Pace of Aging)を測定。
具体的には、1暦年でどの程度生物学的に老化しているかを数値化(例: 0.66なら1年で0.66年老化)。
TruDiagnostic社が、ダニーデン研究チームが開発したDunedinPACEをTruAgeテストキットに組み込み、商用化した。

TruDiagnosticの検査プロセスでは、ユーザーの血液サンプルからイルミナのEPICアレイを用いて850,000以上のCpGサイトのメチル化データを取得。
このデータをDunedinPACEのアルゴリズム(Elastic Net回帰モデル)に適用し、老化速度を算出する。
さらに、12の主要な免疫細胞サブセットの割合を推定し、細胞組成によるバイアスを補正。
- ナイーブCD4+ T細胞
- メモリーCD4+ T細胞
- ナイーブCD8+ T細胞
- メモリーCD8+ T細胞
- ナイーブB細胞
- プラズマ細胞
- 古典的単球
- 非古典的単球
- 好中球
- 自然殺傷(NK)細胞
- 樹状細胞
- その他(例: 好酸球)
これにより、1暦年でどの程度生物学的に老化しているかを数値化する。
- 数値は、ダニーデン研究のコホート(主に白人、26~45歳)の平均老化速度(1.0)を基準に標準化。
- 1.0未満(例: 0.66)は老化が遅いことを、1.0超(例: 1.2)は老化が速いことを示す。
- TruDiagnosticのTruAgeレポートでは、老化速度に加えて、臓器年齢や健康リスク(例: 疾患予測)も提供される。
参加方法
- TruAgeテストキット(年間4回分、約1,500ドル)を購入
- 血液サンプルを採取し、登録時にデータ共有に同意
- 結果が処理され、リーダーボードに反映(3テスト完了で検証済み)
- 3か月ごとに再テストし、進捗を追跡
テスト1回あたり229ドル(基本版)または499ドル(詳細版)。検証済み参加には最低3回(約600~1,500ドル)必要となる。
ミリオネアを破った人々のシンプルで安上がりなルーチン紹介
ブライアン・ジョンソンは若返りのために年に200万ドル(約3億2000万円)使っている。
次の2名は低予算でありながら彼の成績を超えているので紹介する。
【5位】孫がいる64歳の「エイミー・ハーディソン」
ブライアン・ジョンソン(Bryan Johnson、45)氏のひとつ上となる5位にランクイン。
エイミー・ハーディソン氏がサプリメントに費やす額は月300ドル(約4万8000円)ということで日本でもニュースとなった。

記載されている情報からシンプルな彼女のルーチンを紹介しておく。
食事
加工食品が好きではない、あまり外食をしない。
- 朝食:厚切りのトースト(手づくりの全粒粉パン)と1杯のチョコレートミルク
- 昼食か夕食で必ず食べるもの:サラダ(野菜とベリー類、チキン、ナッツ、チーズ入り)
- 1日の後半:パンをもう一切れ
- デザート:チョコレートひとかけら、手づくりクッキー1枚
サプリメント
そもそもビタミンさえも摂取したことがないが、最近、摂取を始めたもの。
- マグネシウム:骨の健康を促進し、血圧と血糖値を調整することが研究により示唆されている。
- L-テアニン:頭の回転の速さ、ストレス緩和、脳の健康に関連している。
- ショウガ:抗酸化物質を豊富に含み、健康な消化をサポートする。
- フィセチン:抗炎症作用のある化合物で、イチゴ、タマネギ、リンゴに自然に含まれる。
「Fisetin (フィセチン)」は老化細胞(セネッセント細胞)の除去作用があるとされ、寿命延長効果が期待されている。

運動
- 中程度のペースでエリプティカルマシン(1時間)
- もう少し強度がある短時間のトレーニング
- 可動域を広げるためのストレッチ(1日に20~30分)
天気の良い日はプールでカーディオトレーニング。
【2位】56歳のシングルマザー「ジュリー・ギブソン・クラーク」
こちらは常連さん。Julie Gibson Clark(ジュリー・ギブソン・クラーク)は、米国アリゾナ州フェニックス在住。
月約100ドル(約1.5万円)の低予算でブライアン・ジョンソン(Bryan Johnson、45)氏のより上位の2位にランクイン。
職業はリクルーターで、年収は10万ドル未満(約1500万円未満)。
健康問題や家族の認知症・パーキンソン病の診断をきっかけに、2017年から長寿研究に取り組み、食事、運動、睡眠、サプリメントを活用したシンプルな生活習慣で老化速度を0.665(1暦年で0.665年老化)に抑えている。
Webサイトでルーティンを公開し、一般向けに長寿情報を発信。


彼女のルーチンワーク
- 5時:起床。緑茶、瞑想、祈り。
- 7時:ジムで筋トレ(週2回、フリーウェイトとマシン)やVO2 maxトレーニング(Norwegian 4×4法)
- 10~11時:初食事(インターミッテント・ファスティング(16時間断食後))
食事
- 野菜中心のスムージーやグリーンレイテ(モリンガ、クロレラ、マカなど)。
- タンパク質は鶏肉、エビ、ヨーグルト。
サプリ
- NOVOS CoreとBoost(11時に摂取)
- ニコチンアミドリボシド(300mg)
- オメガ3
- ビタミンB
運動・その他
- 週末はハイキングやカヤック
- 8時間睡眠を重視
- ストレス管理のため瞑想や「2分ルール」(運動開始の心理的障壁を下げる)
- サウナ20~30分、冷水シャワー4~5分
おわりに
Rejuvenation Olympicsは、アンチエイジング競技。
参加者は多様な背景を持ち、前述のジュリー・ギブソン・クラークやエイミー・ハーディソンのような低予算の実践者から、富裕層まで幅広い。
測定はDNAメチル化を分析し、老化速度や健康リスクを評価するが、費用や科学的限界も考慮が必要。
ブライアン・ジョンソンの体脂肪率は5-6%。



最後に彼のルーチンワークも簡単に紹介しておく。
- 食事(完全菜食のビーガンで1日1977カロリー)
- 運動(1日1時間、高負荷が週3日)
- 睡眠(ブルーライト遮断用メガネを2時間かけた後、毎日夜の同じ時間)
ブライアンの1日1時間の運動
- 有酸素(ランニングやバイク、ロウイング等)・
- 筋トレ(自重トレ or ウェイト)
- ストレッチ・バランストレーニングを組み合わせたプログラム