初級古文書講座で「証文」読解方法を学んだまとめ

現在、日本で「くずし字」を読みこなせる人の数は

 

人口の0.01%程度(数千人程度)

 

こんなもの毎日読まないと頭から忘れる、英語と一緒。

 

独学はシンドいので、3年間申し込みをしてようやく抽選で受講資格を得た。

このたびは、初級古文書講座にお申し込みいただき、ありがとうございました。

厳正なる抽選の結果、受講が決定しましたので、お知らせいたします。

参加者はシニアの方が多い……と思ってたけど、大学生女性も1割、主婦や社会人男性も3割程度いた。

講座内容は

  • くずし字辞典とにらめっこしながら進める
  • 変体かなを学んでおしまい

かと思いきや、想像以上に説明速度は早く、真面目に理解するには復習が必要なレベルだった。

講座は全部で6回ある。

6回真面目に学べば5割程度は読めるようになることを目標とする……らしい。確かに正しかった。

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初級古文書講座「第一回目」内容

くずし字は適当に崩している訳ではなく全国共通のルールで崩している。

  • ① 絶対知っておく文字5つを探す
  • ② くずしが激しい文字も覚えて探してみる
  • ③ 部首を覚えておく
  • ④ 文面で頻出語を覚えておく
  • ⑤ 文脈から予測する

① 絶対知っておく文字5つ(これだけで最大20%読める文もある)

まず文から次の文字を探す。

  • 【候】そうろう(です・ます)
  • 【御】おご・おん
  • 【之】の・これ
  • 【申】もうす
  • 【相】あい・そう

埋めた結果が次の通り。

② くずしが激しい文字も覚えて探してみる

くずし例 解説
「可」は「一」+「の」または片仮名の「マ」のようにくずされる
「何」のように「可」を使った文字では「一」+「の」と書かれる事が多い
「被」はくずしの激しい字。衣ヘンは「ら」のようにくずされ皮は書き順が変わり、省略が進み、最後はなくなってしまう
繋がっているもの/いないものがある。縦棒が強い
「者」はくずしが激しい字。とくにかなの「は」として用いる時にくずされる。「土」の部分は横線だけに、斜めの画は省略されず、「日」の部分は「乙」のように書かれているように見える
「其」と「者」のくずし字の類に注意。「者」のくずし字の上部に点がついていると「其」。「其」の崩し字は「を」の上に横線
、「者」の崩し字はカナの「を」と類似。
「右」と「左」の区別はむずかしい。横線と縦線のどちらが強いかにより区別できることが多い。「右」は「口」の部分は縦線がはっきりと書かれることを意識すると区別しやすい
「右」と「左」の区別はむずかしい。横線と縦線のどちらが強いかにより区別できることが多い。「左」は「エ」の部分は横線がはっきりと書かれることを意識すると区別しやすい

※ よく似た崩し字:「左」と「右」、「其」と「者」

※ くずしの激しい文字:門ガマエ、人名(喜兵衛、右衛門など)

これを見つけるのは至難の業。「可」と「書」ぐらいは覚えておこう。

③ 部首を覚えておく

ギリシャ語のゼータ「ζ」
「|_」(角ばった場合と丸みがある場合がある)
ほぼそのまま「扌」
先、見、兄 下が「ん」

部首が分かれば残りの画数で近いものを探す。「る」のように丸みがあれば「持」、「辶」で画数が少なければ「返」など。

④ その他

例えば「参」が「ホ」、「不」が「ふ」、「以」が「い」、「而」が「る」に見える。

また、御触書や証文によく出てくる言葉を覚える。

「罷」「付」「證」「差」「有」「面」「節」「此」「判」

など。

「瓜連・歴史を学ぶ会」の第1,4、6回古文書教室ノートが分かりやすい。

古文書教室

おわりに

AI使って読めたら良いやと思ってたけど、AIでは全く読めなかった。

ただ覚えても普段使いしないので数ヶ月したらすぐに忘れそうだ。

そして、文書によってくずしの形もバラバラなので覚えるのは厳しい。

 

講師「分からない言葉があれば一日中辞書を見ながら考察する。これが楽しい」

 

……全く楽しくない。

僕は読めるようになることが目的ではなく、書かれている事を知りたいだけだ。

ほどほどに最低限覚える事にしよう。

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