前回のあらすじ。
急遽 観光場所に「十分」を追加した僕は、一時間に一度しか来ない電車を40分待った後、間違って5分後の「猴硐駅」で降りてしまった。
僕の悪い癖だ。
急な判断による損切りや銘柄購入で何回失敗し続けたことか……
その後、一旦改札口を出るべきか、このプラットフォームで一時間後の電車を待つべきか少し迷った。
タクシーに乗って十分老街を目指すと500元(約2500円)かかりそうなので、もう腹を決めてプラットフォーム出て観光するの一択とした。
電車賃は13元(80円)。
十分に行く手段を考えて景観を見てなかったが、この猴硐駅の周辺って
やたら猫が多くない?
いや、猫だけじゃなくて駅のいたるところに猫のマスコットなどが貼られてる。
実は下車してびっくり!米国CNNが2013年に選定した「世界5大猫スポット」にも選ばれているぐらい世界的にも有名な町。
【世界5大猫スポット】
- アメリカ、フロリダ州、ヘミングウェイ博物館
- イタリア、ローマ ラルゴ・アルジェンティーナ広場
- トルコ、カルカン
- 台湾、猴硐
- 日本、宮城県 田代島(日本、福岡県 相島)
なぜか「6大」になっているサイトを見かけるが、国単位で5大が正しい。
「十分」で小さな滝や韓国人の天燈(ランタン)飛ばしを見る
「九份」で臭豆腐の匂いに悶えて綺麗に映らない阿妹茶樓を撮影する
ぐらいなら、猴硐で猫と炭鉱の歴史を観光する方が良いかもしれない。
猴硐猫村は炭鉱の歴史と猫と触れ合う観光名所
日本とも実は関係が深い。
猴硐はかつて瑞芳にある豊かな小さな鉱山の町で、日本統治時代(1895年~1945年)には炭鉱の町と栄えていた。
年代 | 出来事 |
---|---|
1890年(明治23年) | 鉄道橋工事中に基隆川で砂金が発見され、猴硐溯から小粗坑溪、大粗坑溪に沿って上流への鉱脈探索 |
1893年(明治26年) | 九份で金鉱脈が見つかりゴールドラッシュが始まる |
1894年(明治27年) | 金瓜石でも金鉱を発見 |
1895年(明治28年) | 下関条約により台湾が日本の統治下に編入 |
1896年(明治29年) | 金瓜石鉱山が東京の田中長兵衛の所有となり、田中組が組織され採掘に当たる |
1930年代半ばの金瓜石鉱山は、日本鉱業のドル箱と言われて大いに発展した(映画館やプール、テニスコートまであった)。
しかし1990年代に石炭鉱業が衰退し始めて、この地域も衰退した。
その歴史を学べるのが「願景館(VISION HALL)」。駅の正面側に出て、駅前の店の間を抜けまっすぐ進むと、そこには炭鉱で栄えたころの村の様子を紹介する資料館がある。
当時の施設を再現したジオラマがあり、また当時の建物跡は中には入れないが横の階段は上がることができ、廃墟好きの人も観光で訪れる。
だから十分老街よりも現地の観光では下車する人が多かった……だから間違って僕も下車してしまったけど歴史を知れる良い町だねーー。
話を戻して、鉱業が消滅すると最終的には数百人の住民だけが残った。
しかし2008 年に地元の猫愛好家がボランティアを組織し、捨てられた猫たちに生活を提供し始めた。
そして猫の写真をオンラインに投稿したところ全国の他の猫愛好家から圧倒的な反響を呼び、すぐに猴硐は猫好きの中心地と認識され、衰退していた村が再生され観光地に生まれ変わった。
猴硐猫村
これが町の名前。
「願景館(VISION HALL)」の反対側に「猫村」がある。
まず猴硐駅の改札を抜けると、ババーン!と現れる「猴硐猫村散歩MAP」。
そして駅から猫村への通路に沿って両サイドにキャットウォークやキャットタワー、ジャンプ台などがあり、ここで猫たちも遊んでいる……はずだがデブ1匹が寝てるだけだった。
猫は不妊手術され、確認のために片方の耳をトリミングされるらしい。
100匹以上の猫がいるだけではなく、町の中は猫のイラストで世界観が統一されて、かわいい猫カフェもある。
……が、ここは元々は住宅エリアなので、民家とショップが混在しており「お店」もあれば住居の前に商品を並べている露店もある。
僕が知らなかっただけで世界中から人が集まる観光名所だったので他のサイトを参考にリンクしておく。
十分老街と九份老街の観光はどうだった?
前述通り九份は東北アジア一の金鉱山(瑞芳鉱山)として栄え有名だった。
ここを訪れる日本人が歴史を知っているのか知らないが、今ではランタン飛ばして茶屋を写真撮って楽しむ観光名所となっている。
十分老街
十分は前述どおり炭鉱で栄えた町だが、時代の流れとともにすっかり寂れてしまった。
そこで地元住民が立ち上がり、もう一つの地域資源である孔明燈/天燈(ランタン)を使って町おこしをしてきた時代背景がある。
そして台湾人に「十分に行ってきた」と言うと、かなりの確率で
「ああ、あの滝があるところね!」
と返ってくるらしいので「十分瀑布」にもちろん行ってみた。
通称「台湾のナイアガラ」に
走ってねww
十分駅から十分瀑布までは、徒歩で約30分の距離。
往復1時間+観光含めて1時間で帰ってこないと次の電車に乗れない。
徒歩での道順は次のサイトが詳しかった。
滝は普通。日本でも何度か見てきたよ。
滝だけの写真だとネットに大量に上がっているので、あえてその写真を撮っている人たちを撮影してみた。
孔明燈(ランタン)飛ばしている人達は韓国観光客が多かった。
台湾人に聞いたら
一度だけ飛ばしたことあるけど、エコじゃないから……
と言ってた。
孔明燈(ランタン)を飛ばすと約7〜8分間飛び、平均して2kmは飛んでいく。
じゃぁ、森の中や道端に落ちた孔明燈(ランタン)はどうなるの?
に関しては、近隣住民が回収しているそうだ。
新北市政府環境保護局の発表では2013年に8.4万個、2017年に25万個、2018年は29万個のランタンが回収された。
「金持ちになりたい」とあさましい願いごとが書かれた孔明燈(ランタン)が台湾の空で燃え尽きて川や森や家や生き物の上に落ちてくる。
孔明燈(ランタン)の残骸、願い事は川や木に落ちるだけ。
九份老街
九份はあまり大きな町ではないので露店を見て回るだけだったら、1時間もあれば十分。
街全体がライトアップされた世界を思い浮かべるけど、
想定より回る箇所は少ない
で、露店散策をしていていると 3箇所程度ある
臭豆腐のニオイが強くて吐き気をもよおす
閉所が更に匂いに拍車かける。ウンコ臭だよウンコ。外国人は咳き込んでた……。
これが九份。
で、よくいわれる「九份を観光するなら夕方から夜にかけてがおすすめ」に関してはそうかもしれない。
九份で最も観光客が多い時間帯が18時~20時で、ライトアップは日没の1時間くらい前から21時くらいまで。
日没時間は確認しておくと良い。
この日も17:10頃からライトアップが徐々に始まった。
ただし18時過ぎると一気に帰宅する人が増えるのでバス乗れないから調査しておくこと。
九份で最も有名なスポットでもある茶藝館「阿妹茶樓」で外で写真撮って茶(300元)を注文するのが定番。
でも、僕は暑すぎて「かき氷」を食べに行ってしまった。
歩いている欧米人がバブルワッフルを美味そうに食べててるのを見て、店を探した。
ベルギーワッフルのような網目模様ではなく、たこ焼きみたいなポコポコ生地が特徴。
で到着したら「杏仁雪冰 99元」が無性に食べたくなった。うまそー。。
出てきて爆笑ww
杏仁豆腐がまんま乗ってるじゃんwww
これはこれで美味しかったけど、かき氷がふらふわなのに、タピオカが口に残るからタピオカじゃなくて良かった。
なお、九份は台北と比べ雨が降りやすいので、一応雨具を持参することをおすすめする。
まとめ
海外に滞在期間中に日本人ツアー客がゾロゾロいて、日本語でガヤガヤ言ってるのを聞くと、何だか寂しい気分になる。
これは「旅行動機」と関係ある。
- 刺激性:今までにない新しい経験や冒険を求める
- 文化見聞:訪問国の文化や歴史に対する理解を深める
- 現地交流:現地の人々との交流や友好関係を築く
- 健康回復:自然に触れたりリラックスしたりして体や心の健康を回復する
- 自然体感:美しい景色や動植物に感動したり親しみを持ったりする
- 意外性:予想外の出来事や驚きに遭遇する
- 自己拡大:自分の能力や価値観を高めたり自信をつけたりする
もし僕のように旅行動機として「刺激性」や「意外性」を重視している場合は、海外に行っても日本人ツアー客に出会うことは期待外れであり、異世界へ旅行した気分でなくなってしまう。