台湾生活が一ヶ月経過した。
この頃になると無性に日本料理が恋しくなるもの。
僕「シシャモください~」
うほ。これこれ。
長年台湾と働いているけど中国語は覚える気が全くしない。
発音が難しくて全く通じないから諦めた。
グーグルレンズ使ってメニューを読んで指差し購入。
食卓の一品やお酒のツマミとして人気のシシャモ。
ただし本物のシシャモは高級魚で一般市場には多く出回っていない。
普段食べているシシャモは品質表示に「樺太シシャモ」と表記されている。
「樺太シシャモ」とは何か?そして台湾のシシャモは一体何なのか?
「樺太シシャモ」と「本物のシシャモ」の違いは?
樺太シシャモ(カラフトシシャモ)は和名で、英名はキャペリンまたはカペリン(capelin)。
シシャモもカラフトシシャモ(カペリン)も
キュウリウオ目キュウリウオ科に属する魚。
系統的位置を図に表してみた。
属が違うということは「タヌキ」と「キツネ」ぐらい違う。
ようするにシシャモとカラフトシシャモの科内の系統的位置は近いとはいえず、色合いや食味も異なる。
もっとも確実な区別点は鱗の大きさで、側線沿いの鱗がシシャモは61-63枚、カラフトシシャモは170-220枚ある。
で、そもそも
シシャモは淡水魚
※ 川で産卵及び孵化し海で成長後に川に戻る降河回遊魚
カラフトシシャモは海水魚
なぜ「樺太シシャモ」を「シシャモ」と呼んで販売しているの?
こんな偽装許されるのか?
以前は「サーモン」に関して調査した。
いわゆる「代用魚」などと呼ばれるもので
高級魚への代用、大衆魚の資源枯渇への対策、および漁業資源の安定供給やコスト削減
目的で
「シシャモ」は取れなくなったので、「樺太シシャモ(カペリン)」を販売します!
ということらしい。
樺太シシャモが日本に輸入されるようになったのは1970年頃。
英名「カペリン」は、見た目がシシャモに似ているという理由で「樺太シシャモ」と和名がついた。
本物のシシャモは年々漁獲量が減っており価格も高騰。
今では高級魚として限られたお店や、水揚げされる土地でしか買い求めるのが難しい。
水揚げ量が1995年に一度盛り返したものの、2019年には約500tまで下がり今後も減少傾向になると予想できる。
樺太シシャモは100g当たり200円程で取引されている。
本物のシシャモは100g当たり600円程の値段がつく高級魚。
ということで漁獲量が減り続ける本物のシシャモは知名度が下がり続け、樺太シシャモが日本の固有種である本物のシシャモだと勘違いしてしまう人が増えている。
台湾のシシャモは樺太シシャモなのか?
似た記事を見つけた。
雑学自慢の父が、
「それは別の魚だっ!北海道にしかいない魚で、日本で多く売られているのは輸入物の偽シシャモだぞ!それも“干物”しか無いのにぃ。
亜熱帯の台湾に“生”があるわけないだろぅ!」
このブロガーの親父のようになりたい。
この一言で娘さんの知識と調査力を掻き立てている。
結論は手仕舞いだけど。
台湾ではシシャモは「柳葉魚」である。
一方で「カラフトシシャモ」は台湾でも別に名前があり「毛鱗魚」とか「多春魚」という。
結論からいえば日本と状況は同じで、「カラフトシシャモ」を「シシャモ」として販売している。
上の記事が詳しいので省略。
おわりに(なぜシシャモはメスばかりなのか?)
今回の調査内容には含まれてないが、
子持ちシシャモ(オス)
という意味不明な魚をスーパーマーケットで見かける事があるらしい。
その理由に
(オスの)お腹に卵が注入されている(メスとして売られている)
といった情報が出てくる。
一方で
冒頭の都市伝説、「卵がお腹に注射されている」ことはまずありません。
オスに卵を注入しようとしても、そもそもオスの腹の中には白子が入っています。
また、見た目がメスと違うオスに卵が入っていれば違和感があるでしょう。仮に卵を注入するとしても、適当な原料は見当たりません。
と記載しているサイトもあり、真実は今後調査してみよう。