千葉市周辺の春(3月)の小さな雑草の花まとめ(外来種か食用か?)

都川を上流に向けて進んで、野草や動物達を観察してみました。

のどかな休日ですが、植物界では異国の生き物が入り込んで生命を脅かされている状態です。

在来種を観察するのが目的です。

外来種調査を始めるとキリがないほど侵食されているので、今回は簡単にまとめます。

結論は、近年春に花を咲かせている野草の大半は外来種です。

そもそも外来種(外来生物)って何?

「外来種(外来生物)」とは、生物がもともと生息していた場所から別の場所へ人によって持ち込まれたり、広がったりしたもののことを言います。

例えば、北海道には生息していなかった植物が、九州などから持ち込まれて、そこで繁殖する場合も「国内由来外来種」と言われます。

日本では、環境省と農林水産省が「生態系被害防止外来種リスト」を発行しており、外来種を緊急対策、重点対策、産業管理、侵入予防、定着予防、特定、未判定などに細かく分けています。

全てを合わせると 429 種にものぼる外来種リストで、その中で最も多いのが植物です。

なお、200 種の内、特に生態系や農林水産業に重大な被害を及ぼすもの、または及ぼすおそれのあるものを「特定外来生物」に定め、日本では厳しく規制されています。

ちなみに「特定外来生物」とは、概ね明治元年以降に日本に導入された生物を指します。

都川周辺の野花の確認(外来種・食用確認)

【外来種】オオイヌノフグリ(大犬の陰囊)

フグリとは陰嚢のことで、イヌノフグリの果実の形が雄犬の陰嚢(要するにキンタマ)に似ている事から名前がつきました。

一応「オオイヌノフグリ」には「星の瞳」という別名があります。

【参考】オオイヌノフグリ(国立環境研究所)

食用としての事例はありませんが毒もないようです。

【外来種】オランダミミナグサ(和蘭耳菜草)

こちらの白い花を咲かせる草は、ナデシコ科 ミミナグサ属の植物で、「オランダミミナグサ」と言います。

ヨーロッパ原産で、現在では世界各地に分布しているという外来種です。

日本では1910年代に横浜で確認されたそうです。

【参考】オランダミミナグサ(国立環境研究所)

ミミナグサなどの在来種に対して影響を与えています。

通常は食べませんが、在来のミミナグサは食用にされることもあります。

オランダミミナグサを食べた人によると、葉は柔らかいが茎が硬くて歯に障るそうです。

【在来種】ミミナグサ(耳菜草)

ミミナグサは、日本の在来種で、北海道から九州の道端や畑に生えるナデシコ科ミミナグサ属の越年草です。

オランダミミナグサとの違いは、花柄が長いことと、茎が紅紫色になることなどです。

【在来種】ノゲシ(野芥子)

「ノゲシ」は日本に古くからある在来種で、10世紀頃の書物にも「尓加奈(ニカナ)」と載っています。

「ニカナ」とは「苦菜(にがな)」で、食べると苦いという意味です。

ちなみに、ノゲシは江戸時代に栽培が推奨されており野菜として食べられていました。

【外来種】オニノゲシ

似た植物に「オニノゲシ」があります。

オニノゲシは茎を抱く葉の付け根は鋸歯がありますが丸まっています。

ノゲシは付け根が突き出して尖っています。

オニノゲシはヨーロッパからきた帰化植物です。

【参考】オニノゲシ(国立環境研究所)

【外来種】ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)

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地面一面に咲いている姿が、まるで踊り子が踊っているようなところからきました。

ヒメオドリコソウに毒性はありませんが、人によっては思わぬアレルギーが発症する可能性があるため食用にしないほうが懸命です。

日本では明治時代中期に帰化した外来種です。

特徴は次の通りです。

  • 葉の形:先がとがった三角形に近い葉。毛が生えてチミントに似ている。
  • 頂部の葉色:赤紫色になっていることが多い。ただし緑色の葉の個体もある。
  • 葉の間隔:密に詰まっている。

【外来種】ホトケノザ(仏の座)

ヒメオドリコソウに似た野草に「ホトケノザ」があります。

特徴は次の通りです。

  • 葉の形:丸みを帯びたハスの花のような葉。
  • 頂部の葉色:緑色。開花時期には頂部に花が咲いていたり蕾が見える。
  • 葉の間隔:開いていて、軸が見える。

シソ科オドリコソウ属の二年草(秋に芽生えて越年し、翌春に開花)です。

「ホトケノザ」と言えば春の七草です。

ただし、この春の七草に含まれる「ホトケノザ」は、同じ名前の別な植物のことを指しています。

道端に生えているホトケノザは食用にはなりません。

【外来種】ムスカリ(ブドウヒアシンス)

ユリ科ムスカリ属の多年草で、無毒と言われています。

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一見して外来種と分かるブルーの鮮やかな花が特徴で、もともと地中海沿岸が原産地で、日本国内に野生では見られなかった植物です。

【外来種】ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)(烏野豌豆)

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原産地はオリエントから地中海にかけての地方です。

この地方での古代の麦作農耕の開始期にはエンドウなどと同様に栽培されて作物として利用されています。

先端の柔らかな若芽と花の部分を摘んで生のまま天ぷらにすると、マメ科特有の風味がして美味しいです。

【外来種】ハナニラ(花韮)

白い花で知られるハナニラも身近で見られる外来種の1つで、イフェイオン、スプリングスターフラワー、セイヨウアマナとも呼ばれます。

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有毒で万が一食べてしまった場合、激しい下痢を引き起こす。味もまずいそうです。

日本では、明治時代に園芸植物(観賞用)として導入され、逸出し帰化しています。

花壇で育てられていることもあれば、野生化し雑草となってしまっているものもあります。

【外来種】オオキバナカタバミ(大黄花片喰)

葉はクローバーとよく間違えられます。

鮮やかな黄色い花を咲かせる南アフリカ・ケープタウン原産の「カタバミ」です。

日本では、明治時代に園芸植物(観賞用)として導入され、逸出し帰化しています。

【参考】オオキバナカタバミ(国立環境研究所)

南アフリカでは野菜として利用されるそうです。

カタバミとの違いは、花の大きさが2倍以上あり、葉の緑色地に紫褐色の斑点が点在します。

【在来種】カタバミ(片喰)

日本原産のカタバミ(在来種)は食べられる山野草としても知られています。

ただし、蓚酸(シュウ酸)を多く含んでいるので味は酸っぱくなり、取りすぎると体に良くありません。

※シュウ酸を多く含むため、葉で鏡や金属を磨く用途に使われ「鏡草」とも呼ばれていました。

※五大紋(藤、桐、鷹の羽、木瓜、片喰)としても知られています。

【外来種】セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)

キク科タンポポ属の多年草でヨーロッパ原産の帰化植物です。

日本では1904年に北アメリカから北海道の札幌市に導入され全国に広がりました。

セイヨウタンポポは日本タンポポと比べて、ガクが外に反り返っています。

古くからヨーロッパや中東では食用に供されており、多少の苦味があるがサラダなどにします。

また、根を乾燥させて炒ったものがコーヒーの代用品(たんぽぽコーヒー)として知られてます。

その他:都川周辺の特徴的な点

シバヤギ

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千葉市動物公園から2009年に譲り受けた2頭のうちの1頭で、近所の人気者だそうです。

ニワトリ

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釣り人

細目の延べ竿による浮き釣りなので、ブラックバスでも大型鯉ではないと思うが・・・

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以前、子供が釣りをしているので尋ねたら「カメを釣っている」との事です。

メダカ

ちなみに、以前カダヤシを見つけた小川にメダカがいたようです。

都川水の里公園でガサガサ・セリ摘み(千葉市若葉区)
メダカを探して自転車で千葉市内を流れる都川を上流に向けて散策していると、都川水の里公園と書かれた公園を見つけました。サクラが咲いているだけでなく、小川と田んぼがあります。田んぼ...
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