保田望氏の乖離率とストキャスティクス逆張り手法有効性検証(システムトレード)

前回で、一旦 実運用の夢は散ったので、再度、ひたすら実装して検証することを続けます。

「仕掛け優先順位(ソート)」「騰落レシオ」などが有志達のおかげでProtraで実装できたため、今までにバックテストができなかった手法の実現が可能となりました。

保田望氏とは?

保田望氏は、早稲田大学商業学部を卒業し、日本生命保険相互会社を経て、2004年にマネーカレッジを創業しています。

その後、2006年に独立系投資会社を創業しています。

分かりやすく説明するとシステムトレード「検証くん」の製作者です。

そして、28歳の時点で、システムトレードの3年5ヶ月の結果、5億円の資産を築きました。

書籍の中で次のように語られています。

「有効な売買ルールを聞いて、その通りにトレードをしさえすれば、次の日からでも儲けられる」というものがシステムトレードの本質だと勘違いしている人たちが、意外にも多くいます。

どんなにシステムトレードが優れた手法だと言っても、システムトレードの挑戦者の中でも勝ち組と負け組は出てきます。
そして、その勝ち組と負け組は「システムトレードの本質をどのくらい理解してマーケットに臨めるか」で決まってきます。

売買ルール

逆張り型の売買ルールでは「移動平均乖離率」「ストキャスティクス」を利用しています。

  • 1) 25日移動平均乖離率がマイナス20%以下
  • 2) ストキャスティクス%K(Fast K)(9日)が30%以下
  • 3) ストキャスティクス%D(Slow D)(9日)が30%以下

【危険銘柄と流動性のない銘柄を排除する】

書籍には売買ルールを構築するまでの考え方(プロセス)が丁寧に記載されています。

  • 4) 当日終値が100円以上
  • 5) 10日間平均売買代金が1000万円以上

いつ倒産してもおかしくないような危険銘柄を排除し、流動性のない銘柄はシステムトレードに向いていないので排除しています。

【一律で決まった銘柄数という突入タイミングではなく、過去の売買シグナル数との相対比較で決める】

  • 4) 突入タイミング 過去120日平均サイン点灯数の4倍以上

これにより、暴落が珍しい局面ではシグナル数が少な目でも突入してくれます。

また暴落が当たり前のように起こっている局面では、シグナル数がかなり多くないと突入してくれなくなります。

ようするに、逆張りが機能する可能性が高い局面では出てきた売買シグナルに対して積極的にトレードし、逆張りが機能しにくい可能性が高い局面では出てきた売買シグナルを保守的に見るという柔軟な突入タイミングになります。

ソースコード

書籍では初期資金500万円、最大リバレッジ1.5倍、ポジションサイズは資金の10分の1で実装されています。

ここでは、1000万円の資金でポジションサイズは10部の1で実装しています。

コードは長いです。「突入タイミング」の概念の実装で頭を悩ませましたが、Protraで実現可能でした。

Utility、TrendCheckライブラリはGitHubに置いています。

バックテスト結果

計算時間は2.5時間です。

利益曲線は次のとおりです。

綺麗な単調増加をしています。マイナスだった年は過去20年間で2回しかありません。

まとめ

年利15.6%で、最大DDは63.25%です。グラフを見ると最大DD(時価)が大きそうです。このままでは実運用で耐えるのは難しそうです。

この時代に「動的フィルタ」の概念が存在したことは驚きです。

なお、最後に筆者はさらなるリスクヘッジを次のように記載しています。

【資金を分割して投入する(1度の暴落で投入する資金を制限する)】

例えば、資金500万円で運用していた場合、1度目の暴落では資金の5分の1にあたる100万円で仕掛けます。
そしてその後、再び暴落が起きたら、また100万円で仕掛け、合計200万円のポジションを持ちます。
そこから更なる暴落が起きたら3回目、4回目といったぐらいに突入タイミングを時間的に分散させることによって、リスクを遥かに低減させることができます。

ここまで、多くの書籍やインターネット上の実装を実現してきて、全てProtraで実装可能だということが分かりました。

それを証明する目的でソースコードを公開してきましたが、その役割は達成したかと思ってます。

今後は、実運用目指して、検討を進める事も進めたいです。

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