修論提出終了、後輩の論文は客観的記述が少ないね
January 30, 2005
同期のアブストや下級生の論文のチェックをしてると、文章の表現力は足りないのは良いとして、「主観」の入った書き方が多い。
先に言っておくが「ゼミレポート」「実験レポート」等を含めて自然科学の文章、学術論文として相応しいのは「だ-である調」。
この A の測定誤差は非常に小さい。
したがって、従来手法と比較してかなり良くなった。
この場合、あなたにとって小さくても,読者には A の測定誤差は大きいかもしれない。
書きたいのならば、次のように客観的に記述すべき。
この A の測定誤差は 1% 以内であり、
これは、従来手法と比較して10% の改善である。
「かなり」「多い」「少ない」「すごく」などは利用するべきではないし、「成功した」「適切に」などの表現は実験で確かに証明できない限り利用するべきではない。
あと、「参考文献」が極端に少ない人や、身内の論文しか参考に挙げない人がいるが、これはオカシイ。
たとえ先輩の研究の引き継ぎで、実際に読んでいないとしても、その先輩の研究は他人の築いた礎の上にあるはず。
ピラミッドの中で、自分の石の下にある石は総べて参考文献とする。
たとえば、次のように断定するのは本当に正しいのだろうか?
方式 A が研究されている。
手軽に行なえるシステムの開発が行なわれている。
方式 A は 方式 B より高速である。
自分の実験結果から導かれた内容でなければ、断定はできない。断定するのであれば「参考文献」を引いておくか、本当に事実に基づいておく必要がある。
ひとりよがりな文章にならないためには、「はじめに」の項目で、本論文で言いたいことをきちんと記述しておく。
- その研究の社会的/産業的背景
- 研究の意義、どうしてそれを研究するのか、それによって何がもたらされるのか
- その研究の基礎となった研究の列挙、本研究との関連性、本研究のオリジナリティの主張
- この論文では何を書くのか、何が明らかになるのか
- 論文の構成
まあ、一番多いのは、前後の脈絡の分からない書き方でしょうか・・・
これは私も含めてなんで・・ね・・
追記・・・
提案手法があって、有効性を確認するための「実験」を行なってない論文は意味がない。
【参考URL】How to write a scientific paper
January 27, 2005
修士論文提出終了~!
長かったけれど、院生の2年間何にもしてない気がする・・・
特に2年生になって、研究以外何もしてないくせに、発表すら行ってない。
研究もショボイなぁ・・・・。正直、卒論から何も変わってない。
まあ、精度も速度も向上したし、作業が楽になったんで、個人的には良いんですが・・。
基本的には論文には次の要素が必要です・・・
- 有効性 availability
- 新規性 originality
- 信頼性 reliablity
「新規性は?」と聞かれると・・・・ねぇ・